小倉健一
2022年11月に公開された米国のスタートアップ、オープンAIの自動応答システム「ChatGPT」があらゆる業界に衝撃を与えている。対話型AI(人工知能)による新テクノロジー出現を受けてIT業界では開発競争が激化し、関連サービスも次々と誕生しているのだ。時代の潮流に乗り遅れるな、とばかりに各国はしのぎを削るが、デジタル変革が進まない日本の動きは鈍い。少子高齢化が加速し、生産性向上が叫ばれて久しい日本はなぜ取り残されようとしているのか――。

この4月に「遺産分割」と「相続登記」に関するルール変更が適用された。不適切な相続によって生じる空き家や所有者不明の土地に関するトラブルを抑制しようという狙いが背景にある。今までなかった制裁金や遺産の取り分を決める際の時間制限が設けられたので、知らずにいると損するリスクが高い。相続の現場で起きているリアルな争いに触れながら、ルール変更の重要点を解説する。

安倍晋三元首相の死去後、空席が続いている自民党安倍派(清和政策研究会)の会長ポスト。その座を巡って今、萩生田光一氏が最有力ではないかという言説が永田町で流れている。さまざまな思惑が絡んだその事情を解き明かす。

JR東海の故・葛西敬之氏は、財務がボロボロだった民営化直後のJR東海を立て直した、「創業者」ともいえる存在だった。たぐいまれなる経営センスを発揮し、30年近く同社に君臨し、「皇帝」とまで呼ばれた。そんな人物が実践していた、「新幹線での移動時間」と「退屈な会議」のすごい活用法とは?

4年に一度の統一地方選挙が、4月9日と23日に投開票となる。そして、またも茶番が繰り広げられていることにうんざりしている。政治家たちは今回も、子育てや教育、医療などにかかる費用の「無償化・無料化」をうたっている。しかし、いつものように選挙が終われば増税や借金、予算の付け替えをする必要があると真顔で言い出すだろう。私たちは「無償化・無料化」に喜ぶのをもうやめよう。

昔から世襲政治家は、批判の的だった。その全てを否定するわけではないが、多くの国民の感覚からずれてしまったり、小手先のテクニックばかりもてあそんで国の発展に寄与できていなかったりする世襲政治家は今も数多い。

費用対効果を表す「コスパ(コストパフォーマンス)」に続いて、時間帯効果を表す「タイパ(タイムパフォーマンス)」が若い世代を中心に注目を集めている。実は、「経営の神様」と呼ばれた稲盛和夫氏も、世代こそだいぶ違うものの、タイパを重視していた。その真意を解説する。

ホンダの創業者である本田宗一郎氏は、日本の経済史に名を残す名経営者の一人だ。その本田氏は、「私はお金が欲しい、遊びたいからだ」と社員の前で公言し、「欲と二人連れで働け」を持論としていた。一方、もう一人の伝説的経営者であり、「私心なき経営」を掲げた稲盛和夫氏は、考えが正反対とも思える本田氏から刺激を受け、学んだことがあるという。

人間の記憶には限りがあるので、的確にメモを残し、それを適切に活用することが大事だ。「経営の神様」と称された稲盛和夫氏も長年メモを書きためたノートがあったという。そこに記されていた驚きの内容とは?

日本の行政向けシステム基盤「ガバメントクラウド」で、「GAFAM」と呼ばれる米IT業界の超巨大企業のクラウドサービスが採用されたことは記憶に新しい。一方で日本は、経済安全保障などの観点から国産クラウドサービスを育成したいと考えているが、「GAFAM vs 国内クラウド産業」の対立構図が崩れず、根深い問題になっているという。政府関係者の証言を基にその現状を解き明かす。

岸田政権の支持率低迷が回復の兆しを見せない。岸田文雄首相が率いる派閥「宏池会」の面々は、トップを支えるどころか、「政治とカネ」問題や失言、不祥事で足を引っ張る体たらくだ。

稲盛和夫氏は「経営の神様」と称賛された一方で、その経営哲学を巡って「カルト宗教だ」という厳しい批判もつきまとった。そんな「アンチ稲盛」の批判に対する「答え」と呼べる稲盛氏の言葉があったので、今回はそれについてご紹介したい。

福島第一原発の処理水(トリチウム水)を貯蔵するスペースが今年の夏には限界を迎えるが、日本の周辺諸国からは海洋放出について懸念の声が上がっている。小島敏文復興副大臣に直撃インタビューすると、韓国原発の意外な実態が見えてきた。

原発の処理水(トリチウム水)の海洋放出を巡って、政府関係者は「梅雨明け」と明言した。韓国人の93%が「海洋放出が行われた場合、福島県産食品は危険」とする中、政府はどう対応するのか。小島敏文復興副大臣を直撃した――。

立憲民主党のどん詰まり感が強まっている。党是である「反原発」は、世界的なエネルギー危機や、それに端を発する電気代の高騰によって厳しい立場に追いやられている。また、選挙で手を組んできた日本共産党では、「異論排除」と目される党員除名が明らかとなり、批判を浴びている。立憲民主党は次の選挙で何を訴え、どう戦うのか。

組織の大小にかかわらず、人を率いるリーダーの立場になれば、自らの「カリスマ性」が気になるところだろう。そして、それに自信がある人は少ないのではないか。「経営の神様」と呼ばれた稲盛和夫氏ですら、京セラを創業した20代の頃はカリスマ性のなさに悩んでいたようだ。そのときに稲盛氏が意識していたこととは?

今、日本が瀕しているエネルギー危機を救うのは、原子力発電所の再稼働だというのが筆者の持論だ。東京電力福島第1原発の事故のことを思うと安全性に不安を持つ人もいるだろう。しかし、発電方法別の死者数に関する統計データを見ると、原子力は火力よりもはるかに安全で、再生可能エネルギーと同等以上の安全性を有することが分かる。

ストックオプション(自社株購入権)を日本にもっと浸透させた方がいいという主張がある。岸田政権も、スタートアップ育成の観点から、ストックオプション税制の優遇を拡充しようと考えているようだ。しかし、「経営の神様」と称された稲盛和夫氏は、ストックオプションを社員に渡してはならないと考えていた。その理由とは?

エネルギー情勢の不安が続く中、日本では、いまだ動いていない原子力発電所の再稼働の必要性が増している。そんな中、私は原発(特に浜岡原発)の再稼働を応援しないといけないという、決意にも近い強い気持ちになっている。それがなぜなのかを今回お話ししたいと思う。

「経営の神様」と称された稲盛和夫氏の代表的な経営手法である「アメーバ経営」において、成果報酬は望ましいものとされていない。こうした稲盛流経営を実践し、ボロボロの状態から経営をV字回復させた理容店チェーンがある。その会社は、業界では一般的な「完全歩合給制=成果報酬」を採らず、固定給制を導入しているという。
