【1】今日の株式相場早わかり！
イベント前で方向感乏しく…個別材料で物色も
日経平均株価は小幅続落！ 25日の米国市場では、米連邦公開市場委員会（FOMC）やハイテク大手「GAFAM」などの決算発表を控えて様子見ムードが強い中、NYダウは小幅反発、ナスダックは続落となった。日本企業の決算発表本格化を前に、東京市場でも方向感が乏しい展開となった。マザーズ指数は反発。
大きなイベントを前に、持ち高を一方向に傾ける売買がしづらい中、業績など個別の材料で物色される動きはあった。25日大引け後に2022年12月期決算の上方修正を発表したダブル・スコープは16.1％高と東証プライム市場トップの上昇率。同じく業績上方修正のKOAも14.5％の大幅高となった。
【日経平均】27655.21円→（-44.04円）
【マザーズ指数】701.39↑（+2.46）
【NYダウ】31990.04ドル↑（+90.75ドル、25日）
【ナスダック】11782.667↓（-51.445、25日）
■日経平均株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
【2】今日の注目株！
増益予想の日駐！ 優待を大幅拡充
7月19日～26日（15時まで）に株主優待の変更を発表した企業は下表の通り。
駐車場のほか、スキー場やテーマパークなどを運営する日本駐車場開発は株主優待の変更を発表。2022年7月末の優待について、時間貸駐車場の割引券やスキー場のリフト割引券など、従来の紙での配布に加え、同内容の電子チケットも贈呈する。実質2倍となる大幅な拡充だ。優待を受けるための権利付き最終売買日は明日、7月27日となっている。
コロナ禍からの経済再開による観光需要の高まりから、同社の2022年7月期は営業利益が前期比37.9％増の45億円を見込むなど、増収増益の見通し。現在発売中のダイヤモンド・ザイ9月号でも「爆上げ期待大の1万円株」の中で、ザイアナリスト小林大純セレクト銘柄として掲載している（55ページを参照）。
このほか、アイ・ケイ・ケイホールディングスやクラウディアホールディングスなどのブライダル関連銘柄で優待拡充の動きもでている。一方で、ジュエリーメーカーの光・彩、は費用と手間などを理由に、優待制度の廃止を決定。日本BS放送も26日大引け後に今年8月末をもっての優待の廃止を発表した。
■日本駐車場開発株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
【3】火曜連載「ザイアナリスト海老澤界『週イチ！投信ランキング』」
高成績の中小型株投信、気になる中身は？
本日は、過去1年間で運用成績が良かった国内の中小型株式投資信託のランキング（6月末時点）を取り上げる。昨年7月から今年6月末にかけて、マザーズ指数のマイナス幅が45％に達するなど、中小型株には苦難の1年。そんな中、中小型株投信で唯一プラスのリターンをあげた大和住銀日本小型株ファンドを掘り下げたい。東証プライム市場を買い付け対象から外す、生粋の中小型株投資信託だ。
同投信の特徴はバリュー（割安）株運用の中小型株投資信託である点。足元ではバリュー株相場へのシフトが運用成績の追い風となった。中小型株は成長企業のイメージが強いが、アナリストのカバーが手薄なため、企業価値の割に安値に放置されている銘柄は多く、バリュー運用にも投資妙味はある。
組入れ銘柄もみてみよう。6月末時点の首位は東証スタンダード上場のノダ。木質系住宅建材を手がける1902年創業の老舗企業だ。住宅価格の高騰でここ数年、業績は好調。資材価格の高騰などにより、住宅需要の減速が懸念される中でも、7月13日に2022年11月期業績見通しの上方修正と増配予想を発表している。PBRは解散価値の1倍を下回る0.6倍程度と割安だ。
ランキングに話を戻そう。中小型株投資信託は適正な運用資産規模を維持するため、ある程度大きくなると、新規の募集を停止することが多い。上昇率ランキング4位の価値発掘は昨年末からストップしてきた新規資金の募集を6月下旬に再開した。
海老澤 界
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
横浜国大経済卒。産業専門紙記者を経て格付投資情報センター（R＆I）にて年金・投信関連ニューズレター記者、日本経済新聞記者（出向）、ファンドアナリストを務めたのち、現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。
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