【1】今日の株式相場早わかり!
レーザーテック急伸! 東エレクやSBGは?
日経平均株価は4日続伸! 先週末5日の米国市場ではNYダウが上昇する一方、ナスダック総合指数は下落した。この日発表された7月の雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を大きく上回り、景気敏感株を中心に買いが入った。ただ、金融引き締め観測が強まったことでハイテク株には売りが出た。
週明けの日経平均株価も米ハイテク株安を受けて反落スタートしたが、先週末に決算発表したレーザーテックの急伸などが投資家心理に好影響を与えたようで、プラス圏に切り返した。今日の取引終了後には日経平均株価への影響が大きい東京エレクトロンやソフトバンクグループが決算発表しており、明日の株式相場はこれらの株価反応が焦点となりそうだ。
【日経平均】28249.24円↑(+73.37円)
【マザーズ指数】720.47↓↓(-9.89)
【NYダウ】32803.47ドル↑(+76.65ドル、5日)
【ナスダック】12657.555↓(-63.025、5日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
注目の好決算銘柄! ラウンドワンやスズキも
今日の取引では売買代金トップのレーザーテックが9%を超える上昇となるなど、好決算銘柄が相場のけん引役となった。そのレーザーテックを含め、特に株価上昇の目立った銘柄について決算内容を確認しておきたい。
レーザーテックの2022年6月期営業利益は324億円と従来予想(270億円)を上回るも、2023年6月期の営業利益予想は420億円と市場の想定を大きく下回った。とはいえ、前期受注高が3237億円と計画(2800億円)を大幅に上振れ、今期も3000億円と堅調に推移する見通しであることが好感されたようだ。引き続き半導体の微細化に貢献するEUV(極端紫外線)関連装置には期待が持てそうだ。
ラウンドワンはコロナ禍による行動規制の緩和で業績好調。感染再拡大が見られた7月の国内既存店売上も底堅く推移している。スズキの第1四半期(4~6月)は原材料高の影響を打ち返して大幅な営業増益となった。これらも当面、市場の評価は高まりそうだ。
8日の取引終了後に発表された東京エレクトロンやソフトバンクグループの決算も確認しておこう。
・東京エレクトロン(8035)
⇒第1四半期(4~6月)の営業利益は前年同期比17.1%減の1175億円。
・ソフトバンクグループ(9984)
⇒第1四半期(4~6月)の税引前損益は3兆2924億円の赤字。
■レーザーテック株価チャート/日足・6カ月
【3】月曜連載「ザイアナリスト小林大純『今週の焦点』」
米物価統計に注目! 国内では決算発表が終盤
11日(木)が山の日の祝日で、東京市場は4営業日の取引となる。
米国では10日(水)に7月の消費者物価指数(CPI)、11日に7月の卸売物価指数(PPI)の発表が予定されており、最大の注目点となりそうだ。このところ金融市場では将来的なインフレ鈍化と金融緩和を織り込む動きが広がっていたが、5日(金)発表の7月雇用統計が予想外に強い内容だったことを受けて、改めて大幅利上げ継続を見込む声が増えた。CPIがインフレ高止まりを示すものとなるか、あるいは今後の鈍化を示唆するものとなるか、金融政策の先行きを占ううえで注視したい。
なお、中国でも10日にCPI及びPPIが発表される。また、足元では米景気の底堅さが意識されているだけに、12日(金)発表の米8月ミシガン大学消費者態度指数の改善が続くかも焦点となりそうだ。
国内では6月締めの決算発表が終盤を迎える。特に注目されるのが、日経平均株価への影響が大きい8日(月)の東京エレクトロンやソフトバンクグループだ。また、10日や12日は中小型・新興株の決算発表がかなり多いため、個人投資家を中心とした中小型株物色を刺激することに期待したい。
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(現経営管理研究科)修了(MBA)。金融情報サービス会社のフィスコなどを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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