【1】今日の株式相場早わかり!
幅広い銘柄で売り優勢! 米金融引き締め懸念強まる
日経平均株価は大幅に4日続落! 前日の米国市場では、連邦準備理事会(FRB)による金融引き締め懸念の高まりから、主要3指数はそろって下落。米長期金利が3%超まで上昇したことから、ハイテク・グロース株の多いナスダック総合指数は前日比-2.55%の大幅下落となった。こうした流れを受け、東京市場も幅広い銘柄で売り優勢となった。先週以降、一時2倍以上に値上がりしていたアイスタイルが前日比-11.22%となるなど大きく売られた。
海外では、米・ユーロ圏における8月の購買担当者景気指数(PMI)など経済指標の発表が予定されている。週後半に開催されるジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の発言を見極めたいとの姿勢が強まっており、積極的な買いが出づらい状況にもなっている。
【日経平均】28452.75円↓↓(-341.75円)
【マザーズ指数】732.96→(-0.30)
【NYダウ】33063.61ドル↓↓(-643.13ドル、22日)
【ナスダック】12381.573↓↓(-323.642、22日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
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【2】今日の注目株!
ジンズHDが優待拡充! 一方で廃止の動きも…
本日は8月に入って株主優待制度の変更を発表した銘柄から主なものをピックアップして紹介する。個人投資家の囲い込みや自社商品・サービスのアピールなどを目的に、新設・拡充する動きは一定数ある一方、株主平等の原則から廃止する企業もあり、各社の判断が分かれている。
メガネ専門店を展開するジンズホールディングスは22日、100株以上保有する株主に贈呈する買物優待券を5000円分から9000円分に拡充すると発表。同社株に対する投資魅力度を高めることなどを目的としている。
日本や中国でコロナ禍の影響を受け、7月に2022年8月期の営業利益見通しを前期比25.6%減の37億5800万円に下方修正すると発表。ただ今後、感染減や規制緩和で客足の戻りも期待され、市場予想では目前に迫った2023年8月期に増益へ転じるとみられている。
丸井グループは「公平な利益還元」の観点から優待廃止を決定。同社は2023年3月期の営業利益について前期比11.5%増を見込むなど業績は比較的好調だ。今後の株主還元策は配当などに集約する方針としている。このほか、業績不振のペッパーフードサービスも廃止を決めている。
■ジンズホールディングス株価チャート/日足・6カ月
【3】火曜連載「ザイアナリスト海老澤界『週イチ!投信ランキング』」
「運用効率」が良い投資信託とは?
投資信託を選ぶ際、過去の上昇率(リターン)が高いものに目が行ってしまう人は多いだろう。ただ、本来は価格変動リスク(価格のブレ=標準偏差)を考慮した上でのパフォーマンス評価が重要だ。そこで今回取り上げるのが「リターン÷価格変動リスク」(*)で求めるシャープレシオ。効率的に高いリターンを残した投資信託を評価する指標として幅広く使われている。
下の表はグローバル株式型(為替ヘッジなし)の過去3年のシャープレシオランキングだ。首位はグローバル好配当株オープン。これを7位のグローバル・シフトと比べてみたい。上昇率だけをみると、グローバル・シフトが10%程度(年率で2%超)高い。一方、価格変動リスクを示す標準偏差(年率)は首位の投資信託が5%小さく、シャープレシオにおける評価ではグローバル好配当株オープンに軍配が上がる。
いくら高いリターンが期待できても、価格変動リスクが大きければ、投資を始めるタイミングによっては、下落局面をとらえてしまう可能性も大きくなってしまう。「運用効率」というとわかりづらいが、シャープレシオは安定的に良い成績が期待できる投資信託を探すためのツールと考えておけばよいだろう。
「シャープレシオ『1』以上は優秀」といった記載を見かけることがあるが、対象資産や評価期間などによって異なるので、絶対値で評価するのは必ずしも適切ではない。同じタイプ同士の相対評価が重要だ。また、評価の確信度を高めるためには、最低でも3年以上など、なるべく長い期間で評価することにも心がけたい。
(*)厳密には、投資信託リターンから無リスク資産の収益率を引いたものを価格変動リスクで除する。
海老澤 界
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
横浜国大経済卒。産業専門紙記者を経て格付投資情報センター(R&I)にて年金・投信関連ニューズレター記者、日本経済新聞記者(出向)、ファンドアナリストを務めたのち、現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。
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