「勝者のゲーム」と資産運用入門

2023年のマーケット展望と投資戦略を徹底解説!
業績悪化懸念で売られる小型グロース株を仕込み、
来たるべき金融相場でパフォーマンスを上げよ太田忠の勝者のポートフォリオ 第65回

2023年1月3日公開(2023年1月2日更新)
太田 忠
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事
1

2023年はウサギ年。今後3年間は縁起の良い年回りで好成績が期待!

 明けましておめでとうございます。皆さま、良いお正月を迎えられたことと思います。今年もよろしくお願いいたします。

 2023年はウサギ年。「卯年、辰年、巳年」の3年間は干支別のパフォーマンスにおいて「ホップ、ステップ、ジャンプ」という非常に縁起の良い年回りである(1950年からのパフォーマンスは卯年+16.4%、辰年+28.0%、巳年+13.4%。ベストパフォーマーは辰年、卯年は4位、巳年は6位)。アノマリーはもちろん全面的に信用できるわけではないが、今後来たるべき3年間は、どん底の逆業績相場から抜け出して金融相場&業績相場へのサイクルに入ってくるため、大いに期待が持てそうだ。

 2022年の日本市場は、米国市場と比べてパフォーマンスは相対的に良かったものの、業績相場から逆金融相場への移行もあり年間を通して非常に厳しい環境だった。日経平均は2万8791円から2万6094円へ2697円安(-9.4%)となり、マザーズ指数は987から730へ257ポイント安(-26.1%)と大苦戦した。マザーズ指数は2021年も-17.4%だったが、2022年は一段と逆風が吹いた。そんな中、私がDFR(ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ)で投資助言をおこなう「勝者のポートフォリオ」の2022年のパフォーマンスは+2.9%で、ベンチマークとなるTopixの-5.1%を大きくアウトパフォームした。助言を開始した2021年10月からの累計パフォーマンスでは+1.8%となり、Topixの-6.8%を大きく凌駕している。

2023年の投資戦略は、逆業績相場に耐えて来たるべき金融相場に備える

 マーケットの現状認識は、2022年11月まででベアマーケットラリーが終了し、逆金融相場から逆業績相場に移行し始めたという点が大きなポイントになる。楽観相場では「金利引き上げペースの鈍化は、金融相場の先取りだ!」とか「景気悪化や業績悪化になれば、金融緩和されるからプラスだ!」とか「長期金利の低下は株式市場に追い風だ!」という解釈が成り立っていたが、2022年12月に入ってから明らかに景色が様変わりした。米連邦準備理事会(FRB)は市場の予想通り、金利引き上げ幅を0.75%から0.50%にペースダウンしたが、2023年末の政策金利見通しの中央値が従来の4.6%から5.1%へ引き上げられ、パウエル議長が「2023年に利下げはない」とクギを刺して、タカ派的姿勢を改めて示したことが背景にある。

 したがって、今のマーケット参加者の解釈は真逆になった。すなわち、「金利はまだ徐々に上昇するし、当面利下げはないから金融相場はやって来ない」「景気悪化や業績悪化が起これば、株は売られる」「長期金利の低下は今後の景気悪化を反映しており、株式市場に逆風だ」である。変われば変わるものである。

 さて、一般的に逆金融相場から逆業績相場にかけてのマーケット下落率は経験則上25%程度の覚悟が必要だ。2022年の年初はまだ業績相場だったが、3月にFRBによるゼロ金利解除以降、逆金融相場の色合いがどんどん濃くなった。今一度、2022年を振り返りながら経験則を当てはめてみると、NYダウにおける2022年1月4日の過去最高値3万6799ドルから25%の下落は2万7600ドル。実は、2022年9月30日につけた年初来安値2万8725ドル(下落率21.9%)はそれにかなり接近していた。

 S&P500は2022年1月3日の過去最高値4796から25%の下落は3600。2022年10月12日につけた年初来安値3577(下落率25.4%)でピタリと達成。またナスダックにおいては2021年12月27日の高値1万5871から25%の下落は1万1900。2022年12月29日につけた年初来安値1万213(下落率35.6%)は大きく下抜けた。

2023年後半に業績悪化を織り込んだうえでの買い場が到来すると予想

 次に日本市場を見てみよう。日経平均における2022年1月5日の高値2万9332円から25%の下落は2万2000円。これに対して2022年3月9日につけた年初来安値2万4717円(下落率15.7%)で踏みとどまった。Topixは2022年1月5日の高値2039から25%の下落は1530。2022年3月9日につけた年初来安値1758(下落率13.8%)で踏みとどまった。マザーズでは2021年12月30日の高値987から25%下落は740。2022年6月20日につけた年初来安値615(下落率37.7%)は大きく下抜けたものの、その後は戻り基調になっているのがナスダックとの違いだ。2022年の日本市場は相対的には米国市場に対してパフォーマンスは良かったが、その要因は3つある。「金融緩和継続vs金融引き締め」「低インフレvs高インフレ」「企業業績堅調vsハイテク中心の業績不振」という両市場間の対立構図だ。

 米国市場では2022年12月28日にナスダック市場が年初来安値を更新したことにより、再び下値を探る動きが続きそうだ。NYダウやS&P500についても2022年の安値を探る動き(高値から25%の下落率)を今後覚悟しなければならないだろう。一方、日本株はやはり相対的に有利な状況が続いており、日経平均とTopixでは2022年の年初来安値程度の下げ(高値から15%程度の下落率)、マザーズでも615程度までの下げを私は予想している。2023年前半は逆業績相場に特徴的である企業業績の悪化で相場不振が続くと思われるが、後半においては業績悪化を織り込んだ上での買い場がやって来ると考えている。

※この連載は、ワンランク上の投資家を目指す個人のための資産運用メルマガ『太田忠 勝者のポートフォリオ』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、メルマガ配信の他、無料期間終了後には会員専用ページで「勝者のポートフォリオ」や「ウオッチすべき銘柄」など、具体的なポートフォリオの提案銘柄の売買アドバイスなどがご覧いただけます。原則毎月第一水曜夜は、生配信セミナーを開催。

 

国内外で6年連続アナリストランキング1位を獲得した、
トップアナリスト&ファンドマネジャーが
個人投資家だからこそ勝てる

「勝者のポートフォリオ」を提示する、
資産運用メルマガ&サロンが登場!

老後を不安なく過ごすための資産を自助努力で作らざるを得ない時代には資産運用の知識は不可欠。「勝者のポートフォリオ」は、投資の考え方とポートフォリオの提案を行なうメルマガ&会員サービス週1回程度のメルマガ配信+ポートフォリオ提案とQ&Aも。登録後10日間は無料!

太田忠の勝者のポートフォリオ

10日間無料 詳細はこちら※外部サイトに移動します


ダイヤモンドZAi 2024年6月号
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

配当&株価が10倍株!
NISA投信グランプリ
ふるさと納税

6月号4月19日発売
定価780円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[配当&株価が10倍になる株!]
◎第1特集
配当&株価が10倍になる株!
10年持ちっぱなしで「配当が10倍」になる株や「株価10倍」になる大型優良株を発掘
・誰もが知ってる大型株・優良株で実現
・新興国に進出/AI・半導体/
高齢化・人手不足/環境・EV
・番外編:1年で株価2倍になる株


◎第2特集
ダイヤモンド・ザイ
NISA投信グランプリ2024

2回を迎える、投資信託のアワードを発表!
NISAの投信選びや保有投信のチェックに最適

・NISAで運用できる投資信託のみが対象
・個人投資家が選びやすいよう、本数は30本のみ!
・個人投資家がわかりやすい部門で表彰


◎第3特集
ふるさと納税 日本3大グルメ&生産地
返礼品60 

日本3大和牛、3大地鶏、といったブランド食品や、日本3景、3名泉のベストグルメ、大注目の魚介、フルーツの3大産地の返礼品などを紹介

◎第4特集
FXで1億円!
年億稼ぐトレーダーの「神トレ」大公開!

ドル/円が34年ぶりの安値更新など、活況の為替市場。
FX界隈では、1年で「億」を稼ぐ「年億」の個人投資家が続々誕生しています。その手法を、わかりやすくお届け


◎【別冊付録】

いつまでたっても始められない人に贈る
新NISA「超ラク」スタートBOOK
完ペキさを求めてなかなか始められないより、「ラク」に「早く」始めたほうが、結果的にオトク
なかなか始められない人向け、ぐうたら指南書


◆出遅れJリートに投資チャンス! 利回り4~5%台投資判断&オススメJリート 
◆おカネの本音:渋澤 健さん
◆10倍株を探せ! IPO株研究所
◆マンガ恋する株式相場「コンビニがGAFAの一角に!?」
◆マンガ「昭和のボロ空き家はそのまま貸せばいい!?」
◆人気毎月分配型投信100本の「分配金」速報データ!


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!



「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報