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【1】今日の株式相場早わかり！
連休中の米株安を引き継ぐ、今週も米国で重要指標
日経平均株価は5日ぶり反落！ 米国市場では2～5日の4日間でNYダウが370ドルあまり下落した。週末5日こそ急反発したが、経営不安からパックウェスト・バンコープなどの地銀株が売り込まれる場面が多かった。2～3日の連邦公開市場委員会（FOMC）では0.25％の利上げが決まり、今回で打ち止めとなる可能性が示唆されたが、パウエル連邦準備理事会（FRB）議長の会見内容はタカ派的だったとの見方が多かった。また、5日発表の4月雇用統計は過去の雇用者数が下方修正されたものの、総じて雇用の堅調さが意識される内容だった。
今日の東京市場では連休中の米株安を受けて売りが先行。決算発表したJTや映画「スーパーマリオ」の好調が伝わった任天堂は買われたが、4月の国内ユニクロ既存店売上高を発表したファーストリテイリングは軟調だった。今週も重要な米経済指標の発表があるため、この後のコラムコーナーで確認してほしい。
【日経平均】28949.88円↓（-208.07円）
【マザーズ指数】755.11↑↑（+10.96）
【NYダウ】33674.38ドル↑↑（+546.64ドル、5日）
【ナスダック】12235.413↑↑（+269.015、5日）
■日経平均株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
【2】今日の注目株！
JT・JAL決算、ファストリ月次など主要企業の業績
この後のコラムコーナーで詳しく述べるが、今週は企業の決算発表がピークを迎える。米国の銀行不安や金融政策が気になるところだが、国内企業の業績動向も相場の行方を大きく左右するだろう。2日の取引終了後から8日の取引時間中にかけて発表された主な企業の決算や月次速報を下表にまとめた。
JTの2023年12月期第1四半期（1～3月）の営業利益は前年同期比15.7％増の2064億円。市場予想を上回り、通期計画に対しても順調な出足と受け止められた。期初に1株あたり年188円（中間・期末とも94円）という高配当を維持することを示し、好感される一方で、業績推移を見極めたいというアナリストが多かった。しかし、第1四半期決算を受けて一部で増配期待が出てきているようだ。加熱式たばこ「Ploom X」の国内シェア向上を評価し、今後の海外展開に期待する声もあった。
順調な業績回復が好感されたのは日本航空。ゴールデンウィーク中の観光地の賑わいが伝わったことも株価を後押しした。丸紅は今日の取引時間中に決算を発表。今期減益見通しからか売りが広がる場面もあったが、小幅高で取引を終えた。発行済株式（自己株式を除く）の2.1％に相当する3500万株、300億円を上限に自社株買いを実施すると発表している。
4月度の速報を発表した企業では、エービーシー・マートが既存店の大幅増収を維持。やはり「リオープン（経済再開）」の恩恵の大きさがうかがえる。日本マクドナルドホールディングスは客単価が上昇する一方、客足の落ち込みは限られて増収率が拡大。逆にファーストリテイリングは増収率の鈍化がネガティブ視された。2～3月に春夏物の出足が好調だった影響もありそうだ。
■JT株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
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【3】月曜連載「ザイアナリスト小林大純『今週の焦点』」
揺れる米金融政策を占う4月CPI、トヨタなど決算
先週の日経平均株価は＋301.51円（＋1.04％）。1日（月）～2日（火）の2営業日のみの取引だったが、一時1ドル＝137円台まで円安が進行したことなどから買い優勢の展開となった。ただ、日本の連休中に経営不安のくすぶる米地銀株が乱高下し、米国株は再び不安定化した印象を受けた。
米金融不安を背景に、金融市場はFRBが年内にも利下げに転じるとの見方を示している。ただ、パウエルFRB議長はFOMC後の会見で利上げ打ち止めとなる可能性を示唆する一方、市場の利下げ期待をけん制。結局のところ、米金融政策の行方は物価を中心とする経済データ次第となりそうだ。このため、今週10日（水）に発表される米4月消費者物価指数（CPI）は市場に大きな影響を及ぼすことが見込まれる。米4月CPIの市場予想は食品・エネルギーを除くコアベースで前年同月比＋5.5％程度。3月の＋5.6％からやや伸びが鈍化するとみられているが、期待通りの結果となるか注視したい。
また、翌11日（木）には米4月卸売物価指数（PPI）、週末12日（金）には米ミシガン大学の5月消費者調査結果などが発表される。
国内では企業の決算発表がピークを迎える。時価総額や売買代金、日経平均株価への寄与度などを考慮すると、10日のトヨタ自動車を筆頭に、9日（火）の任天堂、11日の東京エレクトロンやソフトバンクグループなどが注目されそうだ。また、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の株買い増しで注目される大手商社は丸紅が8日（月）、伊藤忠商事、住友商事、三菱商事が9日に発表予定。海運市況と配当の行方が注目される日本郵船は9日となる。
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科（現経営管理研究科）修了（MBA）。金融情報サービス会社のフィスコなどを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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