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【1】今日の株式相場早わかり！
リバランスやETF分配金捻出での売りが話題に
日経平均株価は大幅続落！ 22日の米国市場ではNYダウが小幅に4日続落した。英イングランド銀行（中央銀行）が予想外の0.5％の大幅利上げに踏み切り、米連邦準備理事会（FRB）のパウエル議長も上院証言で年内あと1～2回の利上げを示唆。インフレ・利上げ圧力の強さが改めて意識されたが、アマゾン・ドット・コムなどの主力ハイテク株に買いが入った。また、一時1ドル＝143円台まで円安が進んだこともあり、今日の日経平均株価は上昇してスタート。しかし、寄り付き直後をこの日の高値に大きく値を崩した。前日ストップ安のソシオネクストが荒い値動きとなり、三菱商事など商社株の下げが目立った。
月末にかけて資産配分の調整（リバランス）を目的とした売りが出るとの観測や、7月上旬に上場投資信託（ETF）の分配金捻出に絡んだ売り需要が発生することなどが話題となった。海外では今日、S＆Pグローバルが米国などの購買担当者景気指数（PMI）を発表する。
【日経平均】32781.54円↓↓（-483.34円）
【マザーズ指数】830.29↓↓（-14.98）
【NYダウ】 33946.71ドル→（-4.81ドル、22日）
【ナスダック】13630.609↑（+128.410、22日）
■日経平均株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
【2】今日の注目株！
株主優待の新設・拡充は継続！ ふくおかFGなど
機関投資家からの批判で株主優待を廃止する企業が増えているのか？ と気を揉む個人投資家は少なくないようだが（5月10日号参照）、この6月も新設・拡充の発表が相次いでおり、杞憂と言えそうだ。それらの発表内容を確認してみよう。
ふくおかフィナンシャルグループの優待内容は従来、傘下銀行・証券のサービスにかかるものだったが、「地域特産品コース」を新設。福岡県・熊本県・長崎県の特産品6品のうち好きなもの1品をもらえる。居住地などを問わず利用しやすくなったと言えそうだ。3月末時点で200株以上を1年以上継続して保有している株主が対象となる。
新設されたものとしては、化粧品のプレミアアンチエイジングが自社製品（4000円相当）、カラダノートがミネラルウォーター（3974円相当分）を贈呈（ともに100株以上）。また、エンバイオ・ホールディングスやHEROZはウィルズの提供する「プレミアム優待倶楽部」を導入した。保有株数に応じポイントが贈呈され、食品や電化製品などと交換できる。
来年の新NISA（少額投資非課税制度）開始などをにらんで株式分割の実施も相次ぐが（5月30日号参照）、ラーメン店のギフトホールディングスは分割後100株以上200株未満の区分を追加。FPパートナーは分割後も100株以上という贈呈条件を維持する。
■ふくおかフィナンシャルグループ株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
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【3】金曜連載「ザイアナリスト小林大純『IPO株ココだけの話』」
ABEJA皮切りに軒並み初値高騰、過熱感には注意
13日のABEJA上場を皮切りにIPO（新規株式公開）が再開され、足元では6月後半のIPOラッシュが進行中だ。
ABEJAは公開価格1550円の3.2倍となる4980円で初値を付け、その後22日には一時1万300円まで上昇。米グーグルが出資し、米エヌビディアとも提携するAI（人工知能）ベンチャーとして期待は高かったが、想定以上に強い値動きを見せた。こうしたABEJAの好調な滑り出しに加え、6月後半に入り新興株に物色の矛先が向き始めたことから、今週のIPOも取引開始から積極的な買いが入った。公募・売出規模が140億円あまりとかなり大きかった（＝換金売りが出やすい）21日のシーユーシーが、公開価格の2.3倍まで初値を伸ばしたのは異例。22日のアイデミーの初値は公開価格の5.3倍となり、今日上場のARアドバンストテクノロジは買い気配のまま初値持ち越しとなっている。
ただ、それだけに初値の過熱感も強い。シーユーシーは上場2日目から大きく値を崩し、22日に上場したリアルゲイトは公開価格の2.1倍で初値を付けるも、一転ストップ安で初日の取引を終えた。初値後の値動きの荒さが目立ち始めており、慎重に取引参加する必要がありそうだ。
来週は11社が上場予定。上述した理由で株式需給（売りと買いのバランス）が引き締まりやすい小型IPOで、成長イメージや話題性もあることから、26日のブリッジコンサルティンググループ、28日のプロディライト、29日のWTOKYOなどは初値期待が高いようだ。iPS細胞を使った心筋細胞シートを開発する27日のクオリプス、フードロス削減に貢献する30日のクラダシなども注目される。
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科（現経営管理研究科）修了（MBA）。金融情報サービス会社のフィスコなどを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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