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【1】今日の株式相場早わかり!
米つなぎ予算成立で朝方急伸も、なお先行きに慎重
日経平均株価は3日続落! 9月29日の米国市場ではNYダウが150ドル超下落した。しかし、翌30日につなぎ予算が成立し、政府機関の閉鎖を土壇場で回避。週明けの東京市場では株価指数先物を売り持ちしていた海外勢の買い戻しが入り、日経平均株価は反発してスタートした。日銀が発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)で大企業製造業の景況感が改善したこともあり、朝方には上げ幅を500円超に広げる場面があった。売買代金上位ではレーザーテック、三菱UFJフィナンシャル・グループなどが堅調。決算とともに、業績上方修正や増配を発表したアダストリアは急伸した。
ただ、米国ではなお政治・経済の先行きを警戒する声があり、日経平均株価も後場になるとマイナスへ沈んだ。今晩のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言機会や、週末6日に発表される9月の米雇用統計などが注目されているようだ。今週の予定はこの後のコラムコーナーで確認してほしい。
【日経平均】31759.88円↓(-97.74円)
【マザーズ指数】717.03↓↓(-12.61)
【NYダウ】33507.50ドル↓(-158.84ドル、9月29日)
【ナスダック】13219.322→(+18.045、9月29日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
経済正常化でアダストリアなど好調、ケーヨーにTOB
今月下旬から7~9月期の決算発表が本格化するのに先立ち、来週にかけて小売企業などが6~8月期決算を発表する。インフレによる消費減速への懸念がくすぶる上、足元の円安や原油高によるコスト増も気がかり。ただ、先週末の9月29日に決算発表したアパレルのアダストリアは株価急伸しており、好不調をよく見極めて投資に臨みたいところだ。29日に決算や業績修正を発表した主な企業を下表にまとめた。中小型株が中心となっているが、来たる決算発表シーズンに向けての参考にもなるだろう。
アダストリアの2024年2月期の上期(3~8月)営業利益は前年同期比85.1%増の103億円。また、通期の営業利益予想を従来の140億円から180億円(前期比56.3%増)に上方修正し、配当予想も1株あたり65円から80円(中間35円、期末45円)に増額した。コロナ禍からの経済の正常化が追い風となった上、企業努力も奏功して「グローバルワーク」「ラコレ」といったブランドが好調。上期として過去最高の売上・利益を達成した。株主還元は配当性向30%を基準に実施する方針としており、利益拡大に伴う増配も好印象だ。
沖縄の小売大手であるサンエーも業績予想を上方修正しており、やはり外出・観光需要の回復による恩恵が大きい企業は有望と言えそう。一方、ホームセンター業界ではDCMホールディングスが持分法適用会社のケーヨーを株式公開買付け(TOB)で完全子会社化すると発表。直近ではセブン&アイ・ホールディングスによるそごう・西武の売却が話題となったが、コロナ禍やインフレによる事業環境の変化を受け、小売業界の再編が進むことも投資機会となりそうだ。
■アダストリア株価チャート/日足・6カ月
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【3】月曜連載「ザイアナリスト小林大純『今週の焦点』」
米FRB議長発言や雇用統計、安川電機決算など
先週の日経平均株価は-544.79円(-1.68%)。9月末の配当落ちの影響が220円あまりあるが、それを考慮しても国内外の金利上昇で軟調だった。米国では予算未成立による政府機関の閉鎖や、自動車業界のストライキ長期化などが懸念材料。ただ、29日(金)に発表された8月の個人消費支出(PCE)価格指数はインフレ鈍化を示すものと受け止められ、翌30日(土)にはつなぎ予算が成立して政府機関の閉鎖を回避した。
米政府機関の閉鎖リスクはいったん後退したが、今日の日経平均株価の動きを見ると、売り持ちしていた海外短期勢の買い戻しにとどまったという印象だ。11月半ばまで猶予が与えられた米予算をめぐる与野党の攻防も気になるところだが、次の焦点になりそうなのは次回10月31日(火)~11月1日(水)の米連邦公開市場委員会(FOMC)。今週は2日(月)にパウエルFRB議長がイベントでの発言を予定しており、週末6日(金)には9月の米雇用統計が発表される。PCE価格指数の伸び鈍化などで利上げ打ち止め期待が高まっているようだが、それを後押しする内容となるか注視したい。
米国ではサプライマネジメント協会(ISM)が発表する景況感指数にも注目。日本では消費減速への懸念がくすぶり、6日に発表される8月の家計調査や毎月勤労統計を注視したい。また同じ6日には、主力輸出企業の前哨戦に位置付けられる安川電機の決算発表がある。物色意欲を刺激しそうなのはノーベル賞の発表。生理学・医学賞や化学賞を中心に、日本人の受賞期待もあるようだ。
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(現経営管理研究科)修了(MBA)。金融情報サービス会社のフィスコなどを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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