今日の注目株&相場見通し

【11月6日の注目株&日本株市場見通し】三菱重など好決算、海運株は軟調/短期株高?金利に注意/日経平均急伸 「デイリーZAi」11/6号

2023年11月6日公開(2023年11月6日更新)
ザイ編集部
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【1】今日の株式相場早わかり!
日米株とも大幅高! 米利下げ転換に期待

 日経平均株価は大幅に4日続伸! 上げ幅は今年最大となり、終値としては9月20日(3万3023.78円)以来の高値となった。日本の連休中、米国市場ではNYダウが2~3日に800ドル近く上昇10月の雇用統計などが経済の減速を示すものと受け止められ、利上げ停止と利下げ転換への期待が強まったことで金利が急低下(債券価格は上昇)した。連休明けの東京市場でも米株高を受けて投資家心理が上向き、朝方から買いが先行。日経平均株価は上げ幅を広げ、一時800円を超える上昇となった。今日から名称変更された東証グロース市場250指数」は4%超上昇した。

 売買代金上位ではアドバンテストが大幅続伸。トヨタ自動車も4日続伸したが、三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀行株が軟調だった。決算発表銘柄の騰落はこの後の注目株コーナーで、また今週の予定と相場見通しはコラムコーナーで確認してほしい。日米の金利低下と株高が続くか気になるところだ。

日経平均】32708.48円↑↑(+758.59円)
グロース250】692.94↑↑(+29.08)
NYダウ】34061.32ドル(+222.24ドル、3日)
ナスダック】13478.283↑↑(+184.092、3日)
※6日に「東証マザーズ指数」は「東証グロース市場250指数」に変更

■日経平均株価チャート/日足・6カ月

日経平均株価チャート(出典:SBI証券公式サイト)※画像をタップで最新データに飛びます

【2】今日の注目株!
海運株が決算受け大幅安、三菱重やKDDIは好調!

 今週も7~9月期の決算発表が相次ぐが、特に2日の取引終了後から6日の取引時間中にかけては注目企業が多く登場した。またこれまでの発表銘柄と同様、決算に対する反応も大きく、しっかり確認しておく必要がありそうだ。

2日取引終了後~6日取引時間中の主な決算発表銘柄

 海運大手では2日の取引終了後に川崎汽船、6日昼に日本郵船が決算を発表。ともに株価は大きく下落し、川崎船にいたっては東証プライムの値下がり率2位となった。「自動車船事業が堅調」な一方、海運大手が共同出資するコンテナ船事業は「想定以上の市況悪化が見込まれる」という(川崎船)。配当の増額や自社株買いの実施といった追加の株主還元が発表されなかったことも、売りにつながった可能性がありそうだ。

 ただ、その他の決算発表銘柄の株価はおおむね堅調。成長期待が根強い三菱重工業9月27日号コラム参照)は好調を維持し、特に2024年3月期の受注高見通しを従来予想より1兆円多い5兆6000億円に上方修正した点がポジティブ視されたようだ。KDDIの2024年3月期上期(4~9月)営業利益は前年同期並みだが、7~9月のみ見ると主要事業の堅調ぶりが際立った。人流の活発化が追い風となっているサンリオ今期2度目の業績上方修正ミネベアミツミは業績下方修正にもかかわらず悪材料出尽くしと受け止められ、パワー半導体領域での事業拡大への期待も株価を後押ししたようだ。

■三菱重工業株価チャート/日足・6カ月

三菱重工業株価チャート(出典:SBI証券公式サイト)※画像をタップで最新データに飛びます
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【3】月曜連載「ザイアナリスト仲村幸浩『今週の焦点』」
短期株高に期待も、金利動向には引き続き要注意

 先週の日経平均株価は+958.20円(+3.09%)。日銀は金融政策決定会合で政策を微修正したが、依然として金融緩和的であるとの見方から株式は反発に転じた。その後も、約1年ぶりに一時1ドル=151円台まで円安が進んだことを追い風に続伸。また、米財務省の四半期入札計画において中長期債の発行増額が予想よりも小規模だったことで、金利上昇(債券価格の下落)に対する警戒感が和らいだ。さらに、雇用指標が予想を下回ったことや、米連邦公開市場委員会(FOMC)において2会合連続で利上げが見送られたことを背景に米金利が低下すると、週末まで株高が続いた。

 今週も引き続き金利動向には注意が必要だ。先週末に発表された米雇用統計が労働市場の逼迫緩和を示唆し、金利が一段と低下していることは株価の支援材料になるだろう。また、東京市場では週末に11月物オプション取引の特別清算指数(SQ)算出を迎える一方、足元で米株の予想変動率を示し、「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数および日本株の同種の指数(日経平均ボラティリティー・インデックス)は低下してきている。株価の下落を予想して売り持ち高を保持している投資家は、金利低下の追い風が続くようであれば、SQに向けて買い戻しを迫られそうだ東京市場では企業決算の発表がピークを迎えるため、旺盛な個別株物色が相場全体を下支えすることも期待される。

 一方、米国では連日にわたって国債入札が予定されていることに加え、つなぎ予算が17日に期限切れとなる。国債入札で需要の低調さが確認されるか、政府機関閉鎖リスクに対する懸念が強まれば、再び金利が上昇する可能性もあるため、留意しておきたい。

今週の経済スケジュール

仲村幸浩
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。

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