成長する米国&世界に投資する最強のFIRE計画(プロジェクト)

バフェットの8回目の円債発行は、円高にならない自信を深めている証拠! 資源そのものより資源会社を買おう。バフェットは円を売って日本の商社を買っている

2024年4月12日公開(2024年4月12日更新)
ポール・サイ
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

バフェットの8回目の円債発行は、円高にならない自信を深めている証拠! 資源そのものより資源会社を買ったほうがいい

 元フィデリティ投信トップアナリストで、米国・シアトルからメルマガ&オンラインサロン「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしているポール・サイさんが、東京MX2で毎週月曜~金曜22時から放送されている、「WORLD MARKETZ」に電話でゲスト出演した。

ポール・サイさんプロフィール

 前回の放送では、最近マーケットで注目されているカカオ豆の暴騰とそれを利用した投資機会の話、バイデンとトランプのどちらが大統領になった方が、株が上がるのかという話などが展開された。
【※関連記事はこちら!】
バイデンよりトランプ大統領のほうが株が上がる! カカオ豆暴騰でチョコレート会社に投資のチャンスってどういうこと!? 

 今回の放送では、中東リスクが米大統領選に及ぼす影響や、ウォーレン・バフェットが米ドル/円が下がらないと自信を深めている理由、生産性を巡るゴールドとAIの話など、盛りだくさんの内容となったので、さっそくチェックしていこう。

ポールさんのカリブ海航海はアメリカ領バージン諸島で終わりを迎えた

 番組冒頭、アシスタントの木村カレンさんが、ポールさんは今回、カリブ海のアメリカ領バージン諸島のヨット上から出演していることを紹介した。

 すると、ポールさんは今、アメリカ領バージン諸島のセントトーマス島にいて、約600海里(約1100㎞)くらいのポールさんの航海がここで終わったことを教えてくれた。

(出所:WORLD MARKETZ)

 これから、ポールさんのヨットを貨物船に積んで、ポールさんが住んでいるシアトルに輸送し、ポールさん自身は飛行機でシアトルに帰るそうだ。

 ポールさんは1週間ごとに3回連続でカリブ海のヨット上から番組に出演したのだが、カリブ海航海も終わりを迎えるということで、木村カレンさんが「私たちも旅行へ行った気分で楽しみました」とコメントした。

 ここで、番組MCの渡部一実さんが、カリブ海からポールさんが出演した3回とも空が晴れていたことに言及すると、ポールさん曰く、カリブ海は今、雨季ではなく乾季で晴れの日が多く、雨が降っても長続きしないとのことだった。

イスラエルは戦場で勝っているものの、戦略的に負けている。大統領選でイスラエルの問題はバイデンにとって不利に働く

 続いては、中東リスクの話題に。

 イスラエルがシリアにあるイラン大使館を攻撃し、イランが報復する可能性があることから、金が買われたり、原油が上がったりしているけれど、中東リスク、中東の動きをポールさんはどう見ているのか、渡部さんが質問した。

 中東リスクは結構存在していて、むしろ大きくなっているかもしれないとポールさん。

 以前の出演でも少し触れたとおり、イスラエルは戦場では勝っているものの、戦略的には負けているように見えるのだという。
【※関連記事はこちら!】
元グーグルのエンジニアが作った中国のイーコマース会社「PDD」が、アリババの時価総額を抜くほど急成長! 世界株になって、いずれアマゾンのライバルに

 イスラエルの攻撃で、女性や子供の死者が出ていることもあり、同盟国からの支持がどんどん下がって孤立している状態なのだそう。

 それでもイスラエルは方針を変更しないため、反イスラエルの勢力がチャンスだと捉える可能性もあり、全体的に不安定になっているとのことだった。

 渡部さんは続けて、バイデン政権もイスラエルのネタニヤフ首相にやり過ぎるなと言っているようだが、アメリカとしてもイスラエルに困っている状況なのかとポールさんに聞いた。

 イスラエルのやり方は、特に民主党の支持者の中で、人道的、モラル的にやってはいけないと考えている人が多いとポールさん。

 昔のアメリカに対する変化も出てきているようで、今の民主党の支持者の中には中東系の人もいるし、キリスト教徒だけでもないため、昔のようにイスラエルへの支持が一辺倒というわけでもないようだ。

 バイデン大統領は昔の民主党の人で、わりとイスラエルを支持する半面、大統領選で再選もしたいため、今の民主党支持者の声を反映する必要もあり、イスラエルにいろいろ発言しているんだそう。

 ただ、イスラエルには完全に無視されている状態で、そこにバイデンのパワーのなさが表れていることから、大統領選でイスラエルの問題はバイデンにとって不利に働くようだ。

 そこを覆すため、これからバイデンがイスラエルに厳しい発言をしたり、発言以上の行動を取る可能性もあるとポールさんは見ている。

FRBは利下げしたいという姿勢に変わった。大変なインフレになることはなく、利下げは時間が少しずれるというだけの問題に

 次に、FRBの利下げの話題に。

 FOMCのドットチャートでは、今年3回の利下げになっている一方、地区連銀総裁が利下げは1回かもしれないとか、利下げはやるけど遅いかもしれないと言ったり、発言が拡散してきて読みづらくなってきていると渡部さん。FRBの利下げ方針はどうなっていくのか、ポールさんの見方を聞いた。

 「結論から言うと、FRBは利下げしたいという姿勢に変わった」とポールさん。

 以前のFRBは利上げしたい姿勢で、そのストーリーに合うようなデータの解釈をする傾向はあったけれど、今回の地区連銀総裁の発言などを見ると、少し利下げに寄りたい気持ちが感じられて、それに合うようなデータや裏付けを探っているようだ。

 原油の上昇はインフレの高まりにつながる一方、失業率が3.9%で、もともとの予想より少し弱かったこと、コロナの時期の貯蓄が少し取り崩されたため、消費が落ち着くこと、中国が不景気なことなどがデフレの圧力になるそう。

 いろんな要因が交差して、大変なインフレになることはないというのがFRBの姿勢で、利下げは時間が少しずれるだけの問題だとポールさんは見ている。

 また、政治的に大統領選もあり、トランプもバイデンも利下げはある程度望んでいて、特にバイデンは景気を良くするため、利下げは歓迎ムードなのだという。

バフェットが8回目の円債発行。円高にならない信念を強めていることに他ならない

 すると、渡部さんが為替について疑問に感じていることを切り出した。

 米10年債利回りは上がっているのに、米ドル/円はあまり上がらないし、下がりもしなくて微妙(※)だけれど、ポールさんはどう見ているのか気になるようだ。

(※放送日の4月9日時点で、米ドル/円は主に151円台で推移していたが、4月10日には153円台まで急伸した)

米ドル/円 日足 (出所:TradingView)

 最近の米ドル/円は日米金利差で動いているけれど、アメリカでびっくりするような利下げはないし、日銀もびっくりような利上げはできなくて、それは市場に織り込まれているとポールさん。

 例えば、日本の個人住宅ローンは9割が変動金利であること、今までずっと低金利だったのに、金利が上昇すると企業も耐えられないことなどから、日本の利上げは難しいようだ。

 日本政府が望んでいるのは、賃上げによって良いインフレの循環に入ることで、それはある程度効いているそう。賃金の上昇はインフレにまだ追いついていないけれど、最近の報道や統計を見ると、賃上げは過去最高で、インフレに追いつくのは時間の問題だけとのことだった。

 渡部さんの為替に関する質問はまだ続く。

 「ウォーレン・バフェットのバークシャーが日本の商社を買ったりしていますが、社債を円建てで発行している。ということは、為替がそんなに円高に振れないと彼は読んでるってことですよね」

 これに対してポールさんは、バフェットは公にそういう発言をしていないけれど、そういう考え方だと思うと答えた。

 バフェットは円の債券を発行して、それで日本のグローバル企業、主に商社を買っている。日本の商社が持っている資産は円より米ドルや外貨の方が大きいため、円を売って他の通貨を買っていることになるそう。

 もちろん商社という会社なので生産性の面もあるけれど、円で債券を発行するということは円を借りること、円を売ることであるため、バフェットは円高にならないと見ているという見方でいいようだ。

 為替はある程度動くものの、過去の100円、110円、120円といった円高はあり得ないとバフェットは見ていて、8回目の円債発行ということは、円高にならないという信念を強めていることに他ならないようだ。

ゴールドは好きじゃないのは、生産性がないから! 資源そのものを買うより資源会社を買ったほうがいい。生産性最強のAIは足の長い投資となる

 最後はゴールドとAIの話題に。

 中東の問題もあるのか、ゴールドがものすごく上がっていて、リスクオフや戦争となるとゴールドと言われるけれど、ゴールドを買うことについてポールさんはどう考えているのか、渡部さんが聞いた。

NY金先物 日足 (出所:TradingView)

 ポールさんは「ゴールドはそこまで好きじゃない」とバッサリ。そう言うのには理由があって、ゴールドは何も生まず生産性がないからだという。

 ゴールドには値段を裏付ける生産性がなく、人間の心理で値段が決まるため、短期的にはインフレヘッジになるかもしれないけれど、中長期になるとよくなさそうとのことだった。

 ポールさんは生産性があるものの方が好きで、例えば株とか、生産性のある事業、不動産がいいようだ。

 例えば、石油を買うとすると、石油そのものを買うより、生産性のある石油会社を買った方がいいという考え方だ。

 また、生産性がないという意味では、通貨もゴールドや石油と同様で、国が裏付けているだけだとのこと。国がダメになったらその国の通貨もダメになるけれど、ビジネスを所有していれば、国がなくなっても、ビジネスが没収されなければ、富が生まれ続ける価値を持ち続けることができるとのことだった。

 それは、円を借りて日本の商社などグローバル企業に投資しているバフェットがまさに体現していて、バフェットもゴールドが嫌いなのだそうだ。

 ここで渡部さんが、ポールさんが言うところの生産性とAIの話を絡めて、「ジェームズ・ダイモン(JPモルガンCEO)がAIは蒸気機関以来の発明だと言っていて、生産性の面でもAIは最強ということでしょうか」と質問した。

 ポールさんは「そうだと思う」と同意。AIで世界はかなり変わるため、足の長い投資だと見ていいようだ。アメリカのAI関連のテーマ物色はある程度進んで、高くなっているけれど、今は他のところでAI関連の銘柄を探している状態なのだそう。例えば、日本だと半導体関係のものとか、台湾のTSMCとか、そういうところも関連して上がっており、他にも探せるところはまだあるようだ。

TSMC 日足 (出所:TradingView)

 また、最近の市場の特徴としてテクノロジーのほかに、資源がテーマになっているとのこと。インフレ対策や地政学問題として、資源の会社に投資すると恩恵を受けられるとのことだった。

 番組終了間際、ヨットの上からカリブ海の景色をぐるっと1周見せてほしいと渡部さんに頼まれたポールさん。

 綺麗な海やコテージ、ヨットが係留されている様子に、渡部さんも木村さんも「きれいだね~」と魅了されていた。

セントトーマスヨットクラブやウィークリーマンションの様子(出所:WORLD MARKETZ)

 ここまで、4月9日(火)放送の「WORLD MARKETZ」に出演した、ポールさんのマーケット解説を中心にお届けした。

 冒頭でも紹介したとおり、ポールさんはメルマガ&オンラインサロン「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている。登録後10日間は無料だ。米国株投資をしてみたい、すでにしているけどもっと現地からの情報が欲しい、ポールさんが推奨する個別銘柄やポートフォリオ(直近1年で50%以上の上昇)を見てみたいという人は、こちらをぜひ登録してみてほしい。


【ザイ投信グランプリ2024】を発表!本当にいい投資信託だけを表彰
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

「株」全予測
人気株500激辛診断
優待年末年始

2月号12月20日発売
定価780円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[「株」全予測/人気株500激辛診断]
◎新春特別企画
2024年に儲けた株&損した株も大公開!
桐谷さんのゆく年くる年

2025年も全力優待ライフ
◎第1特集
2年目NISAの必勝法!
112人のプロに聞いた!
2025年「株」全予測&儲け方

●日経平均は5万円へ!日本株の高値・安値予測
●生成AIブームも半導体は苦戦!
上がる株・下がる株
●国内利上げで銀行・金融が有望!
上がる業種&テーマ
●中央銀行の買いが継続!金(ゴールド)
●トランプ政権下でも下落傾向!原油
●ドル円は年後半に140円台に!為替
●オルカンの次に買う1本も!投資信託

◎第2特集
買っていい10万円株は97銘柄!
<2025新春>人気の株500+
Jリート14激辛診断

●投資判断に異変アリ!
買いに躍進!》トヨタ自動車、ホンダ…など
強気に転換!》ソニーグループ…など
●儲かる株の見つけ方[1]旬の3大テーマ
通期で上ブレ期待/AI関連で恩恵他
●儲かる株の見つけ方[2]5大ランキング
PBRが低く改善に期待の株/アナリストが強気な株/配当利回りが高い株
●2025年新春のイチオシ株
10万円株/高配当株/株主優待株/Jリート
●気になる人気株
大型株/新興株/Jリート

【別冊付録】
増益割安株は1178銘柄
上場全3916社の最新理論株価

◎第3特集
トランプ政権下でどうなる!?
人気の米国株150診断
●S&P500指数をプロが大予測

●Big8を定点観測!GAFAM+αを分析!
●買いのオススメ株
トランプ株/高配当株
●人気の124銘柄を徹底診断
ナスダック/ニューヨーク証券取引所

◎第4特集
ザイクラブ拡大版!2024年はどうだった?
ザイ読者の悲喜こもごも&2025年の投資戦略
ザイ編集部員のプチ反省&自慢大会も!


◎連載も充実!

◆目指せ!お金名人
◆10倍株を探せ!IPO株研究所2024年10月編
◆おカネの本音!VOL.29兒玉遥さん
◆株入門マンガ恋する株式相場!
◆マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
◆人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ!


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報