【1】今日の株式相場早わかり!
週末に米経済指標や仏選挙、一時4万円接近も失速
日経平均株価は小幅続伸! 6月28日の米国市場では主要株価指数がそろって反落した。5月の個人消費支出(PCE)価格指数は食品・エネルギーを除くコアベースで伸びが鈍化する一方、6月のミシガン大学消費者態度指数(確報値)が速報値から上方修正された。長期金利が大きく上昇した上、ナイキが決算を受けて急落したことも相場の重石となった。一方、6月30日に行われたフランス総選挙の第1回投票では、極右勢力が最多票を獲得する見通しだが、反対勢力の協調に期待する向きなどもあるようだ。週明けの日経平均株価は続伸スタートすると、朝方には一時3万9942.69円(+359.61円)まで上昇。ただ、節目の4万円に接近すると利益確定売りが出て、マイナスに転じる場面もあった。
売買代金上位では、最高財務責任者(CFO)交代を発表したレーザーテックが軟調。決算発表銘柄ではJ.フロント リテイリングや高島屋が急伸する一方、アダストリアが急落した。今週の重要イベントもコラムコーナーで確認しておこう。
【日経平均】39631.06円→(+47.98円)
【グロース250】649.20↓↓(-12.04)
【NYダウ】39118.86ドル→(-45.20ドル、6月28日)
【ナスダック】17732.603↓(-126.081、6月28日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
6月はGENDAが優待新設、JMHD・テンポス拡充
今日は6月に発表された株主優待の変更を確認しよう。今回はここ数カ月のように大企業の新設・拡充が見られるわけでないが、中小型・新興企業まで目を向けると、注目しておきたいものが多い。
4月に経営統合で誕生した半導体商社のリョーサン菱洋ホールディングスに加え、アミューズメント施設「GiGO」運営のGENDAや建築資材商社のナイスが優待新設を発表。GENDAは2025年1月期の第1四半期(2~4月)決算が良好な内容だった上、優待新設も好感されて買いが入った。また、6月27日にはカラオケ機器の音通などを買収すると発表。これまでM&A(企業の合併・買収)で急拡大してきただけに、今後の成長に期待がかかる。ゲームセンターやカラオケが好きな投資家なら、成長期待の長期投資で優待も楽しめそうだ。
また、従来人気が高かったところでは、スーパー「肉のハナマサ」などを展開するJMホールディングスが優待内容を変更。従来の精肉関連商品に加え、南魚沼産こしひかり、グループ商品券の中から1つを選択する形となる(100株保有で2500円相当、保有株数に応じ増額、1年以上の保有が条件)。使い勝手が一段と良くなったと言えそうだ。厨房機器のテンポスホールディングスは4月期末に食事券8000円分を贈呈しているが、11月中間期末も抽選で食事券を贈呈することになった。婦人靴のダブルエーは優待が1月末の年1回から1月末・7月末の年2回に増えたのがうれしい。
表外の小型株(時価総額200億円未満)では、メディア工房やクラダシの新設なども注目されたので、気になった人は見てみよう。
(ザイ優待アナリスト 小林大純)
■GENDA株価チャート/日足・6カ月
【3】月曜連載「ザイアナリスト仲村幸浩『今週の焦点』」
金利に影響及ぼす重要イベント多数
先週の日経平均株価は+986.61円(+2.56%)。週後半に1ドル=161円台に乗せ、38年ぶりの水準にまで円安が加速する中、輸出関連株など相対的に出遅れ感のある景気敏感株に買いが入った。また、日銀の利上げ観測の高まりを背景に銀行株や保険株にも強い動きが見られた。
先週末に発表された米国の5月PCE(個人消費支出)価格指数の伸びは鈍化。発表直後に低下した金利は、結局は長い年限を中心に上昇に転じるなど荒い動きとなった。今週も金利に影響を及ぼす経済指標が多く発表される。特に注目度の高い6月雇用統計が発表される週末までは様子見ムードが予想される。雇用統計では雇用者数と平均時給の伸びがともに前月を下回る予想で、利下げ期待が高まる結果に期待したい。欧州中央銀行(ECB)年次フォーラムでは、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長が利下げ期待を高める発言をするかどうかに注目。連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(6月分)も利下げスケジュールの手掛かり材料として注目だ。
フランスの下院議会選挙の第1回投票では極右政党が得票率で首位になったようだが、事前予想より他政党との差は小幅になる見通し。7月7日の決選投票で極右政党が絶対多数を確保する可能性は低くなり、この点は株式相場にとって安心材料となろう。
国内では週末の安川電機の決算に注目。3月期製造業決算の前哨戦と位置付けられており、良好な出足となれば、3月期製造業の業績上振れ期待につながり、保守的な会社計画の発表によって沈静化していた海外投資家の日本株買いを復活させる一助になり得る。一方、来週に予定されている指数連動型上場投資信託(ETF)の分配金捻出に伴う売り需要の発生を前に、今週からこれを意識した先回り的な売りが出る可能性には注意しておきたい。
仲村幸浩
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。
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