東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は6日ぶりに反落となりました。95円高の41,009円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分弱で186円高の41,100円まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと9時20分過ぎにマイナスに転じました。
しかし、98円安の40,815円で下げ渋ると持ち直し137円高の41,051円で前場を終えました。マイナスに転じ35円安の40,877円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに166円安の40,746円まで下落した後下げ渋ると大引けにかけて下げ幅を縮めましたが、戻し切れず結局1円安の40,912円とほぼ横ばいで取引を終えています。一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
上期決算を発表したキユーピー(2809)が一時10.5%高となり年初来高値を更新しました。市販用や業務用などのセグメントで売り上げが伸びていることや、それに伴う収益改善が当初想定を上回って推移していることなどから310億円とみていた2024年11月期の営業利益の見通しを340億円に上方修正したことで上げ幅を広げました。
ユーグレナ(2931)も一時14.4%高となりました。NTT(9432)との共同研究によって、中性子線を照射することでバイオ燃料の原料となる油脂の生成量を増やすことができる藻類の品種改良に世界で初めて成功したと発表したことを材料視した買いが入りました。
トーメンデバイス(2737)も一時6.5%高となり上場来高値を更新しました。韓国のサムスン電子が発表した決算速報で4-6月期の営業利益が前年同期比で15.5倍となったことからサムスン電子製品に特化した半導体商社であるトーメンデバイスに物色の矛先が向かいました。
また、三越伊勢丹ホールディングス(3099)が目標株価の引き上げを受けて一時8.5%高となり上場来高値を更新したほか、住友林業(1911)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時5.6%高となりました。
さらに東証スタンダード市場では衣料品ブランド「ニューヨーカー」を展開するダイドーリミテッド(3205)が15.9%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。2025年3月期の年間配当を1株あたり95円積み増し100円にすると発表したことに加え、2027年3月期までの3年間は年100円の配当を基本方針にするとしたことで買いを集めました。
一方でオンワードホールディングス(8016)が一時8.0%安となりました。在庫水準の適正化を進めたことによる利益率の低下に加え、ヨーロッパ事業の苦戦もあり第1四半期の営業利益が前年同期比で5.7%減となったことから大幅安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は1円安となりました。買いが先行すると節目の41,000円を超えて上げ幅を広げ一時は180円以上上昇する場面もありましたが、昨日までの5日間で1,500円以上も上げていたことや、6月の米雇用統計の発表を控えていることから伸び悩みほぼ横ばいで取引を終えました。その米雇用統計は日本時間の21時30分に発表となります。
米連邦準備制度理事会(FRB)の今後の金融政策を占ううえで関心の高い経済指標だけにマーケットの反応が注目されます。また、2月決算企業の第1四半期決算発表が続いています。本日も引け後には安川電機(6506)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)
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