成長する米国&世界に投資する最強のFIRE計画(プロジェクト)

日銀の誤った利上げで金融市場がパニックに! いい会社が安くなったと喜ぶべき。米大統領選はトランプの迷走で、若くエネルギッシュなハリスが有利に!

2024年8月16日公開(2024年8月16日更新)
ポール・サイ
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

日銀の誤った利上げで金融市場がパニックに! トランプの迷走で、若くエネルギーがあるハリスが有利に

 元フィデリティ投信トップアナリストで、米国・シアトルからメルマガ&オンラインサロン「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしているポール・サイさんが、東京MX2で毎週月曜~金曜22時から放送されている、「WORLD MARKETZ」に電話でゲスト出演した。

ポール・サイさんプロフィール

 前回の放送では、バイデン大統領が大統領選から撤退し、カマラ・ハリス副大統領が立候補したことで、大統領選の行方に変化があったことをポールさんが解説。足もとのテクノロジー株の調整は、長期的に追加投資のチャンスとなるとのアドバイスをいただいた。
【※関連記事はこちら!】
テクノロジー株の調整は、追加投資のチャンス! AIへの重すぎる投資は長期的に正しい投資。短期の見方で株が売られれば、ピックアップできる

 今回の放送では、日銀の利上げをきっかけに、金融市場がパニックに陥ったことを取り上げ、マーケットの暴落時、個人投資家はどういうメンタルで相場に臨めばいいのかをポールさんが解説。米大統領選はトランプ(以下、氏省略)の迷走で、一転してハリスが有利となりました。

日銀の間違えた利上げが金融市場をパニックにさせた根本の原因! コミュニケーション不足で、日銀は利上げでパニックになるとわからなかった

 番組は、ここ数週間の日本株、アメリカ株、為替が大きく動いていることをポールさんがどう見ているのか、アシスタントの木村カレンさんが質問するところからスタートした。

日経平均&S&P500 日足 (出所:TradingView)

 「日銀が間違えて、利上げ方向に転じたことが根本的な原因でした」とポールさん。為替が乱高下したことが日本株、ひいては米国株や世界株の乱高下につながったのだという。
【※関連記事はこちら!】
日本株暴落! 日経平均の下落幅歴代1位! 暴落の要因は円高にあり! 日本経済は脆弱で日銀は利上げをやめるべきだ。投資家がここから取るべき道は

米ドル/円 日足 (出所:TradingView)

 すると、番組MCの渡部一実さんが「日銀の間違いとはどういうことですか?」と切り返した。

 ポールさんは、日銀は市場とのコミュニケーションが足りなかったと思いますとコメント。以前も番組で話したように、日本経済はまだ脆弱で、高い金利に耐えられない状態のようだ。GDP成長はまだ1%前後、インフレは4%くらいをピークに直近は2%まで順調に低下していて、今利上げするタイミングではなかったとのこと。

 また、日銀は0.25%だけ利上げしたけれど、追加利上げするというコミュニケーションだったことで、金融市場がパニックになったようだ。

 続けて、渡部さんが「日銀はコミュニケーションが足りないのか、利上げする方向性ではないのか、どちらでしょうか」とポールさんに聞くと、日銀はそもそも利上げする必要はなかったと、ポールさんは即答した。

 日銀の利上げで市場がパニックになると、最初から日銀が分かっていれば、利上げはしなかったとポールさんは考えている。

 それは、マーケットの反応を見た日銀が態度を修正して「悪かった、間違えた」という感じのメッセージを出したことからもわかることだという。

 今までも日銀は誤りが多く、バブル崩壊後の引き締めで不況を深刻化させたり、利上げのタイミングがよくなかった歴史があるそう。

 ポールさんは、日銀に誤りが多い背景として、日銀総裁になる人が市場経験者や財務省経験者より、学者が多いことを挙げている。

 また、ポールさんがフィデリティ投信にいた時代も、日銀の人と話すことはあったけれど、金融規制やもっと大まかな話をすることが多く、金融政策のことは話しづらいという経験をしたそうだ。

暴落でやってはいけないのはパニック売り! 信用取引は必要なく、一番大事なのはコツコツ複利効果でお金を稼ぐこと

 続いては、思ってもみない暴落時に、個人投資家がどういうメンタルを保てばいいのかという話題。

 暴落の際にまずやってはいけないのは、パニック売りだとポールさんは指摘した。

 パニックになるというメンタルがそもそも間違いで、本当は物が安くなると喜ぶべきなのだという。それは、買いたいものがセールになっていれば、買いに行きたいのと同じで、株でもいい会社が安くなっていれば、買いたいと思ったほうがいいようだ。

 特に、マクロで暴落するときに、いい会社が安くなることが多く、今回は国内経済が大きな不況に陥るということで、一番下落したのは銀行、国内系だった。

 これに対し、渡部さんは「現物をやっている人にとって、今回の暴落はいい買い場だったけれど、信用取引をやっている個人は慌ててパンクすることになった」と話し、個人が信用取引をやることをどう見ているのか、ポールさんに聞いた。

 ポールさんは「個人は基本的に信用取引をやる必要はない」とキッパリ。

 株はもともとボラティリティがあるため、それを拡大するために信用取引をやる必要はないし、信用取引をやると投資より投機になってしまい、やり方によってはリスクもかなり大きくなるようだ。

 ここで、ポールさんが紹介してくれたのが「0にどんなに大きな数字をかけても0」という格言だ。これはギャンブルの数学や、ウォーレン・バフェットなど有名な投資家が言っている考え方で、信用取引は0になる可能性がある一方、現物株は上下があっても0にならないから、まだ未来があるということなのだそう。

 個人投資家が副業で目指すリターンは通常、5~10%。10%以上のリターンを目指すと、相当勉強して時間をかけないと達成できないし、それを達成するために信用取引をするのはオススメできないとのことだった。

 元フィデリティ投信のポールさん自身も、信用取引は使っていないそう。会社が借金している時点で、信用の部分をある意味利用しているし、個人投資家がそのリスクを取る必要はないようだ。

 個人投資家にとって一番大事なのは、長期の複利効果を利用してコツコツお金を稼ぐこと。これがリスクを最小限に抑える戦略で、そうするべきだとポールさんは太鼓判を押した。
【※関連記事はこちら!】
短期的な株価下落に恐怖して株を売ってはいけない。長期投資で「複利の力」を最大限に活かし、雪だるま式に資産を増加させるために必要なことは?

 1年で100万円を1億円にするような、宝くじみたいなやり方で成功する人もいるにはいるけれど、それは決していい戦略とは言えないようだ。

トランプの迷走で、若くてエネルギーがあるハリスが有利に! 一番心配なのは大統領選の結果が僅差になったとき

 最後はアメリカの大統領選の話題に。

 前回の放送時点では、トランプが有利だったけれど、そこから一転してハリスが有利になったことについて、渡部さんに聞かれたポールさん。

 トランプの戦略が方向性を失っていて、路線修正できないとトランプは負けるかもしれないと思うようになったようだ。

 ハリス自身には実績や目玉政策がないものの、老人ではなく若くてエネルギーもあり、政治家にとって重要な見た目も、笑顔もある意味よくて、民主党は今、エネルギーをアピールしているとのこと。

 一方、トランプは最近、戦略的にわからなくなっていて、絶対勝たなければいけない州であるジョージア州の、すごく人気が高い知事を攻撃したり、バンスを副大統領候補にしたら、女性蔑視の発言が蒸し返されて、トランプの逆風になったりしているそう。

 そして、ポールさんが一番心配しているのは、大統領選の結果が僅差になること。そうなると、アメリカで暴動が起きたり、負けた方が再集計を要求して、結局ハッキリしたことが決まらず、来年1月の議会までもつれ込んでしまうと、マーケットにとってはまずい展開になるという。

 もっとも、これでアメリカが崩壊するわけでもないため、その数カ月間は様子を見つつ、株が下がれば、今回の日銀の利上げと同じように、いい銘柄をピックアップするチャンスになるし、様子見を決め込んで、時間が経ったら戻ってくるという戦略もアリとのことだった。

 ここまで、8月13日(火)放送の「WORLD MARKETZ」に出演した、ポールさんのマーケット解説を中心にお届けした。

 冒頭でも紹介したとおり、ポールさんはメルマガ&オンラインサロン「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている。登録後10日間は無料だ。米国株投資をしてみたい、すでにしているけどもっと現地からの情報が欲しい、ポールさんが推奨する個別銘柄やポートフォリオ(直近1年で50%以上の上昇)を見てみたいという人は、こちらをぜひ登録してみてほしい。


ダイヤモンド・ザイ 2024年11月号好評発売中!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

人気の株500
米国株150激辛診断
最新理論株価

11月号9月20日発売
定価780円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[人気の株500&米国株150激辛診断]
◎巻頭企画
植田ショック後の日本株の狙い目!

◎第1特集
「買い」「強気」の高配当株は95!暴落に強い株も判明!
人気の株500+Jリート14激辛診断

●儲かる株の見つけ方<1>旬の3大テーマ
第1四半期の利益が高進捗/株価挽回期待/円高追い風
●儲かる株の見つけ方<2>5大ランキング
通期計画を上方修正した株/“稼ぐ力”が強い高ROEの株/配当利回りが高い株
初心者必見の少額で買える株/理論株価よりも割安な株

●儲かる株の見つけ方<3>セクター別平均
配当利回りトップは海運に!
●2024年秋のイチオシ株
10万円株/高配当株/株主優待株/Jリート
●気になる人気株
大型株/新興株/Jリート


◎第2特集
ITはもちろん高配当株や割安株も上がる!
人気の米国株150診断

●米国株大予測!
S&P500指数の今後を予想!
米国経済&業績はどうなる?/利下げでどんな株が上がる?
●Big8を定点観測
●買いのオススメ株
●人気の124銘柄を徹底診断


【別冊付録】
全上場3914社の最新理論株価
理論株価より割安な株は2645銘柄!


◎第3特集
利子で儲ける!
あつまれ!元本確保型商品

●定期預金/個人向け国債/新窓販国債/地方債/社債

 

◎第4特集
攻めと守りで考える!
NISA「オルカン」「S&P500」の次の一手!

●あなたに最適な投資信託を診断!
●攻めの投信:半導体・AI株/インド株/日本の成長株
●攻め&守りの投信:安定株
●守りの投信:金(ゴールド)

 

◎連載も充実!

◆NEWS:桐谷さんなど5人の株の達人から学ぶ暴落相場の必勝法!
◆連載2回目:ZAi編集部の新人・ザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人
「社会保険って何で払うの? 5つの社会保険でもらえるお金を知ろう!」
◆おカネの本音:鈴木おさむさん(エンジェル投資家&元放送作家)
「51歳で放送作家を引退。投資ファンドをつくり革新的企業を生み出す」
◆マンガ恋する株式相場「大暴落!キモチも株価も乱高下」
◆マンガ「経済データの基本GDPって何?」
◆人気毎月分配型投信100本の「分配金」速報データ!


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報