東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は反発となりました。81円高の38,033円で寄り付いた日経平均は直後にマイナスに転じましたが、67円安の37,883円で下げ渋ると持ち直し10時50分過ぎには456円高の38,408円まで上昇しました。
その後伸び悩むと後場に入り13時20分過ぎには7円高の37,959円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスに転じることなく踏み止まると持ち直し結局259円高の38,211円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
JT(2914)が一時2.6%高となりました。米国4位のたばこメーカーであるベクター・グループ[VGR]を3780億円で買収すると発表したことで収益の拡大を期待した買いが入りました。
西松屋チェーン(7545)も4.3%高となりました。気温の高い日が続き、夏物衣料の売上高が大きく伸びたことなどにより8月の既存店売上高が前年同月比で6.3%増となったことから買いが優勢となりました。
システム開発のシステナ(2317)も一時7.3%高となり年初来高値を更新しました。自己株式を除く発行済株式総数の1.37%にあたる500万株、20億円を上限とした自社株買いを発表したことに加え、発行済株式総数の 5.54%にあたる2500万株の自己株式を消却すると発表したこともあり大幅高となりました。
また、投資判断と目標株価の引き上げを受けてオムロン(6645)やIHI(7013)が高く、オムロンが一時5.1%高となり、IHIも一時7.9%高となりました。
さらに東証スタンダード市場では太陽光発電所の開発を手掛けるウエストホールディングス(1407)やダイレクトメール(DM)発送代行のディーエムソリューションズ(6549)が買われました。ウエストホールディングスは2024年8月期の期末配当を従来予想から10円積み増し、65円にすると発表したことで一時5.2%高となりました。
ディーエムソリューションズもDM発送代行サービスの受注が好調であることからDM作業のための大型機械を追加導入すると発表したことで一時6.7%高となっています。
一方で川崎重工業(7012)が一時3.4%安となりました。舶用エンジンの検査でデータを書き換える不正があったと発表したことで売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は259円高となりました。7月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて9月の利下げ観測が強まり、昨日の米国市場が反発となったことから買いが優勢となりました。朝方には小幅にマイナスとなる場面もありましたが、下げ渋ると持ち直し節目の38,000円を超えて上げ幅を広げ、一時は450円以上上昇する場面もありました。
しかし、買い一巡後に伸び悩むと後場に入り昨日の終値近辺まで上げ幅を縮め、38,000円を割り込む場面もありました。そのため38,000円を超えてくると戻り待ちの売りが出やすいといえそうで、38,000円で下値を固め、ここからさらに戻りを試せるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の21時30分に米新規失業保険申請件数が発表されるほか、22時45分には8月の米購買担当者景気指数(PMI)速報値が、そして23時には7月の米中古住宅販売件数が発表される予定です。また、明日は日銀の植田和男総裁が衆参両院の閉会中審査に出席する予定で、そこでの総裁の発言が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)
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