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トランプ勝利、上下院共和党ならさらにインフレに! 賭けサイトは異常な動きでトランプ圧勝に傾く。ハリス勝利なら、上下院ねじれで過激な政策はなさそう

2024年10月25日公開(2024年10月25日更新)
ポール・サイ
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トランプ勝利で上下院共和党なら、さらにインフレに! ハリス勝利なら上院共和党、下院民主党で過激な政策はなさそう

 元フィデリティ投信トップアナリストで、米国・シアトルからメルマガ&オンラインサロン「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしているポール・サイさんが、東京MX2で毎週月曜~金曜22時から放送されている、「WORLD MARKETZ」に電話でゲスト出演した。

ポール・サイさんプロフィール

 前回の放送では、中国が9月下旬に打ち出した景気刺激策が、2020年の刺激策と似たような規模の大きいもので、中国株は大きく上昇したけれど、2020年の株価上昇と比べると、まだ上昇余地があることを教えてくれたポールさん。
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中国の景気刺激策は大規模で、中国株も上昇したけれど、2020年の刺激策を受けた株価上昇と比べると、まだ上昇余地がある!

 今回の放送では、11月5日(火)に迫った米大統領選をピックアップ。シアトル在住のポールさんが米大統領選をめぐるアメリカ国内の事情をたっぷり語ってくれたので、さっそくチェックしていこう。

トランプを題材にした映画『アプレンティス』が米大統領選前に公開された

 番組は、米大統領選を2週間後に控えるなか、トランプ(氏、以下省略)を題材にした映画『アプレンティス』が公開され、ポールさんが見に行ったことを、アシスタントの木村カレンさんが紹介するところからスタートした。

(出所:WORLD MARKETZ)

 木村さんは、この映画が日本で年明けに公開されることを調べていて、興味がある様子。そんな木村さんにポールさんは「先週末見に行って、結構面白い映画だった」と答えた。

 この映画は、トランプオリジンストーリー(起源の物語)のようになっていて、トランプが若いときから直近までの話を取り上げ、ロイ・コーンという弁護士がトランプの人生に大きく影響したこと、トランプがなぜ今のような行動や戦略を取るようになったのかがよくわかる内容になっているとのことだった。
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 番組MCの渡部一実さんが「この映画が米大統領選の投票行動に及ぼす影響はありそうですか?」と質問すると、ポールさんは「トランプの支持者は大体何があっても変わらないけれど、無党派層の人がこの映画を見ると、トランプにとってマイナスかもしれない」と話した。

 というのも、トランプの基本戦略は「攻撃攻撃攻撃、否定否定否定、勝利を掴み、敗北は認めない」というコーン弁護士から伝承されたやり方だから。これをプラスと思う人もいれば、マイナスと思う人もいて、全体的に見ればややマイナスの影響が大きいようだ。

 そのため、トランプは司法の手段を使ってこの映画の上映を止めようとしたけれど、結局映画は制作、上映されてしまい、トランプの思惑どおりにはならなかったようだ。

米大統領選の世論調査はトランプが少し有利に変わった。ある賭けサイトでは異常な動きでトランプ圧勝に傾いている

 ポールさんが住んでいるシアトルはワシントン州で、米大統領選は郵便投票で行われる。番組前日に投票用紙が郵便で届き、ポールさんは書き込んだそう。

 ここで渡部さんが「ワシントン州はおそらく民主党の州でカマラ・ハリスがとると思うが、全体の情勢をどうご覧になられていますか」と聞いた。

 ポールさん曰く、米大統領選の情勢は若干変化があり、世論調査ではカマラ・ハリスが少し有利だったところが、トランプが少し有利に変わったそう。

 また、いくつかある賭けサイトのなかで、ポリマーケットというサイトに異常な動きがあり、ある口座が3000万ドルほどをトランプ勝利に賭けて、オッズがトランプ圧勝に傾いているそう。

(出所:WORLD MARKETZ)

 3000万ドルというのは割と大きな賭けだけれど、イーロン・マスクやお金持ちのトランプ支持者であれば、そこまで大きな金額ではないし、オッズがトランプ寄りだと報道されれば宣伝効果も期待できるため、それを狙っているのではと噂されているとのこと。疑わしいし怪しいものの、ポールさん自身は少しトランプが有利かもしれないと考えるようになったそうだ。

上院が共和党は基本路線。トランプが勝利して下院も共和党になれば、トランプの政策が簡単に通り、さらにインフレに

 渡部さんは続けて「大統領と一緒に、上院は3分の1、下院は全員入れ替わる総選挙も行われる。上院は共和党有利と見られているが、上下両院の選挙をポールさんはどう見ていますか」と質問した。

 ポールさんは、米大統領選と上下両院の結果次第でシナリオが異なるとして、説明を始めた。
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 上院が共和党となるのは基本路線で、もしトランプが勝利して、下院も共和党になると、トランプの政策が簡単に通ることになり、さらにインフレになるようだ。トランプはバラマキ政策や減税、関税の相当な引き上げを約束しており、地政学リスクも出てくるため、インフレになりがちで、利下げが先送りされれば米ドル高・円安になりやすく、株式市場はインフレの深刻さや企業減税によって上昇するとのこと。短期中期は市場にとってプラスで、現金を持つほうがマイナスになってくるようだ。

 一方で、下院が民主党になると、トランプが勝ってもそこまで極端な政策は通らないそう。

 ハリスが勝った場合、おそらく上院は共和党、下院は民主党だから、いろんな優遇策を取ると約束しているけれど、ある程度制限がかかりそうな政権になるようだ。

 ハリスが勝ったら、内閣に共和党の人を入れると発言していることを考えると、過激な政策にはならず、市場の大きな下落もなさそうだけれど、今の状況が続きそうとポールさんは考えている。

共和党支持の赤い州で見ると、普通の婦人科の医者が少なくなって診察が困難に

 最後は、米大統領選で論点になっている中絶の話に。大統領がトランプとハリスのどちらかになるかで、中絶をめぐって医療株や保険株に影響は出るのか、渡部さんは知りたいようだ。

 ポールさんはまず、中絶は大きな話で、すでに今は最高裁の判決により、州に方針を任せることになっていることを教えてくれた。

 州によっては中絶禁止、避妊治療禁止になったり、共和党支持の赤い州で見ると、普通の婦人科の医者が少なくなって診察が困難になったりと、日々の生活に影響が出てきているそうだ。

 また、赤い州から民主党支持の青い州に医者が移動してきており、青い州の医療水準が上がる半面、赤い州は下がっているとのこと。貧富の差を含めた推定寿命も、特に南部の赤い州だと70歳台しかない一方、青い州の1つであるワシントン州は80歳で、これからもっと格差が拡大する可能性があるとのことだった。

 アメリカの格差拡大は医療だけにとどまらないとポールさん。トランプの減税策を受けられる人はいいけれど、受けられない人は大変だし、低収入だとインフレで懐が痛み、株が上がるとお金持ちがもっと大金持ちになるため、この根本的な問題は米大統領選で解決しそうになく、アメリカ国内の不安定な状態はまだ続くだろうと結論づけた。

 ここまで、10月22日(火)放送の「WORLD MARKETZ」に出演した、ポールさんのマーケット解説を中心にお届けした。

※冒頭でも紹介したとおり、ポールさんはメルマガ&オンラインサロン「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている。登録後10日間は無料だ。米国株投資をしてみたい、すでにしているけどもっと現地からの情報が欲しい、ポールさんが推奨する個別銘柄やポートフォリオ(直近1年で50%以上の上昇)を見てみたいという人は、こちらをぜひ登録してみてほしい。また、11/18(月)20時~ 初のライブセミナーの開催を予定。無料期間でも参加できるのでこの機会にぜひご登録を。

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