東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に反落となりました。前日の米国ハイテク株高の流れを引き継ぎ、61円高で取引を開始した日経平均は、朝方には106円高まで上げ幅を拡大しましたが、10時前後からは売りが優勢となり、その後は軟調な展開となりました。
前場を172円安の38,242円で終えると、後場に入ってからも下げ幅を広げ、13時頃には本日の安値となる234円安の38,180円を記録しました。安値を付けた後は下げ幅を縮めたものの、ウクライナとロシア情勢を巡る地政学リスクの高まりやエヌビディア[NVDA]の決算を目前に控える中でプラスに転じるまでには至らず、結局62円安の38,352円で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース250指数は前日比-0.05ポイントと小幅に反落となりました。
2.個別銘柄等
セブン&アイ・ホールディングス(3382)は、一時10.9%高となり、株式分割考慮後の上場来高値を更新しました。創業家を中心に設立する特別目的会社が8兆円超の資金を調達し、今年度中にTOB(株式公開買い付け)を通じて買収を完了させる案を軸に調整を進めているとの19日の報道を受け、史上最大規模のMBO(経営陣が参加する買収)実現への期待感から買いが集まりました。
ソニーグループ(6758)は一時5%超上昇しました。昨日19日、KADOKAWA(9468)の買収に向けて協議を始めたと報じられたことで、TOBを実施するとの思惑が高まり買いを集めました。また、この報道を受けKADOKAWAは一時ストップ高水準となる前日比700円(18,7%)高の4,445円まで上昇し、上場来高値を更新しています。一方で、KADOKAWAとゲーム分野で連携していたバンダイナムコホールディングス(7832)は一時3%近く下落となっています。
11月19日に決算を発表した損害保険大手3社の株価は、決算内容を受けて明暗が分かれました。SOMPOホールディングス(8630)は、一時13.7%高となり、株式分割を考慮した上場来高値を更新しました。同社は四半期決算で、今期業績の上方修正や政策保有株削減目標の引き上げを発表しました。さらに、年間配当の増額と、発行済み株式総数の7.44%に相当する7,200万株、1,550億円を上限とした自社株買いの実施も明らかにし、これらが好感されて買いが集まりました。一方、東京海上ホールディングス(8766)は一時7.5%安、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)は一時5.5%安となりました。両社は通期純利益見通しを上方修正したものの、市場コンセンサスには至らず売りに押されました。
エヌビディア[NVDA]の決算発表を前に半導体関連銘柄では売りが目立ちました。KOKUSAI ELECTRIC(6525)は2%超下落し年初来安値を更新しました。SCREENホールディングス(7735)と信越化学工業(4063)は1%以上下落、東京エレクトロン(8035)やディスコ(6146)、ルネサスエレクトロニクス(6723)は1%未満の下げとなりました。一方で、アドバンテスト(6857)は1%超上昇、レーザーテック(6920)は0.2%上昇の小幅高となっています。
自動車銘柄も下げており、本田技研工業(7267)やマツダ(7261)、日産自動車(7201)は2%以上下落、トヨタ自動車(7203)とSUBARU(7270)は1%以上下落、三菱自動車工業(7211)は1%近く下落となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
相場を押し上げるような材料に欠けるなか、本日の日経平均は膠着感の強い展開が続き反落となりました。今後の相場の方向性を決める材料となるエヌビディアの決算は、米国株式市場の取引終了後、日本時間の21日午前6時以降に発表される予定です。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)
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