【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 43,870.35 △461.88 (11/21)
NASDAQ: 18,972.42 △6.28 (11/21)
1.概況
昨日の米国市場は、主要3指数が揃って上昇となりました。130ドル高で取引を開始したダウ平均は、早々に前日の終値を割り込む場面が見られるも、新規失業保険申請件数が前週比で減少したこと等、米国経済の底堅さが意識されたことでその後は堅調に推移しました。中盤には611ドル高の44,020ドルをつけ本日の高値を更新するも、高値圏では売りに押され、後半は上値の重い展開となりました。最終的には高値から150ドルほど安い43,870ドルで取引を終えました。S&P500株価指数は31ポイント高の5,948ポイントで小幅に上昇、ハイテク株比率の大きいナスダック総合指数は大型テック株が売られる中で半導体やソフトウェアに買いが入り6ポイント高の18,972ポイントとかろうじて反発となりました。
2.経済指標等
米国新規失業保険申請件数は、21万3,000件と前週から6,000件減少し、また市場予想の21万9,000件も下回る内容となり、米国労働市場の底堅さが示されました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち9業種が上昇しました。公益事業、金融、生活必需品、資本財・サービス、素材の5業種が1%以上上昇しています。一方で、コミュニケーション・サービスが1%以上下落となりました。
4.個別銘柄動向
米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中22銘柄が上昇となりました。アイビーエム[IBM]、シャーウィンウィリアムズ[SHW]、セールスフォース[CRM]の3社が3%以上上昇し、指数を牽引しました。またホームデポ[HD]やメルク[MRK]、ゴールドマン・サックス[GS]等、計5銘柄が2%以上上昇しました。一方でアマゾン・ドットコム[AMZN]が2%以上下落しダウ平均構成銘柄で下落トップとなり、ボーイング[BA]が1%後半の下落となり続いています。
ダウ平均構成銘柄以外では、農機具メーカーであるディア[DE]が8%上昇し大幅高となりました。2025年10月期の利益見通しは市場予想を下回るガイダンスであったものの在庫調整が進んでいるといったポジティブな面が評価されました。一方で、アルファベット[GOOGL]が4%以上下落する大幅安となりました。独占解消の是正案として米国司法省がインターネットブラウザである「クローム」事業の売却を要求したことが重荷となりました。その他の銘柄では、ネットフリックス[NFLX]が1%以上上昇し4日続伸、上場来高値を更新しました。半導体製造装置は買いが優勢で、アプライド・マテリアルズ[AMAT]は3%高、ラムリサーチ[LRCX]は4%以上上昇しました。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い4.42%となりました。ドル円は、154円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は、米国株高を受けて反発が予想されます。米国市場では、大型テック株の下落が目立つ内容となりましたが、S&P500株価指数の構成銘柄の8割以上が上昇となりました。足元調整が続いていた日本市場でも景気敏感株を含め全般に買いが入ることが見込まれます。また決算を終えたエヌビディア[NVDA]の目標株価も引き上げられ、半導体関連全般が上昇しており、日本市場も流れを引き継ぐ可能性が高いでしょう。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
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