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◆今日の内容を10秒でチェック！
・貿易交渉や参院選を巡る不透明感から、日経平均は3日続落
・決算発表の良品計画＆ジンズHDともに下落も、計画は保守的か
・今週は国内長期金利に注意、米金融大手やTSMC・ASML、東宝が決算
【1】今日の株式相場＆話題株 早わかり！
3日ぶり反落、貿易協議の不透明感や財政懸念が重石
【今日の相場】
日経平均株価は3日続落！ 11日の米国市場で主要株価指数はそろって下落した。トランプ政権がカナダに8月1日から35％の関税を課すと表明したほか、まだ通知をしていない貿易相手国の関税率を15％ないし20％へと、10％から引き上げることを示唆し、警戒感が高まった。また、1日から欧州連合（EU）に対して30％の関税を課すと表明したこともあり、週明けの日経平均株価は下落スタートを切ると、一時は280円安まで下げ幅を広げた。一方、1ドル＝147円台まで円安・ドル高が進んだことが下支えし、昼過ぎには上昇に転じる場面もあった。ただ、20日投開票の参議院議員選挙を巡る不透明感から積極的な買いは手控えられ、その後はもみ合いが続いた。
参院選の中盤情勢が伝わり、日本の長期金利が急上昇（債券価格は下落）した。参院選や日米関税交渉をめぐり株式相場はどうなるのか…この後の月曜コーナー『今週の焦点』や、X（旧ツイッター）の音声チャット「スペース」での解説を参考にしてほしい。
【※Xスペース配信（7月14日）はコチラから】
⇒https://x.com/ZAiClub/status/1944603981600182494
【日経平均】39459.62円↓（-110.06円）
【グロース250】747.50→（-0.98）
【NYダウ】44371.51ドル↓（-279.13ドル、11日）
【ナスダック】20585.527↓（-45.138、11日）
■日経平均株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）
【今日の話題株】
◆良品計画（7453）
6920円（－59円）
2025年8月期第3四半期（9～5月）営業利益は前年同期比39.9％増の594億円。通期計画は670億円→700億円（前期比24.7％増）に上方修正した。高値圏にあった株価は材料出尽くし感から下落したが、実績は市場予想を上回ったほか、月次動向から計画は保守的とみられる。8月末を基準日とした1→2の株式分割や実質的な株主優待の拡充も評価され、株価は上昇する場面があった。
◆ジンズホールディングス（3046）
7930円（－930円）
2025年8月期第3四半期（9～5月）営業利益は75.7％増の88億9200万円。4月の上期決算時に上方修正した通期計画に対する進捗率は82.3％に及ぶが、計画が据え置かれたことが失望感を誘ったようだ。ただ、好調な月次動向と比較して計画は保守的とみられている。また、来期に予定している施策の前倒し実施なども影響しているようで、過度な悲観は不要との声も聞かれる。
◆NITTOKU（6145）
1976円（＋82円）
11日、旧村上ファンド系とされ、「物言う株主（アクティビスト）」としても知られる投資会社シティインデックスイレブンスの保有割合が5.24％→6.48％に上昇したことがわかった。7日に大量保有が判明したばかりでもあり、株主還元強化などへの期待が高まっている。
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【2】月曜コーナー「ザイアナリスト仲村幸浩『今週の焦点』」
国内長期金利に注意、米金融大手やTSMC・ASML、東宝が決算
先週の日経平均株価は－241.2円（－0.61％）。トランプ米大統領は日本に対して相互関税率を引き上げた一方、交渉期限を8月1日まで延期する大統領令に署名した。悲観と楽観が交錯する中、20日に投開票を控える参議院議員選挙を巡る不透明感も重石になった。
参院選の投開票を前に、様子見ムードが広がりやすく、上値の重い展開となりそうだ。与党が苦戦していて、過半数割れの可能性が高まっているとも伝わっている。減税政策を主張する野党が政権運営の決定権を握ることになれば、財政懸念から、すでに大きく上昇している長期金利が一段高となる恐れがある。短期的には財政政策による景気浮揚が期待されるものの、「円売り・債券売り・株売り」の日本版トリプル安が起こる可能性も捨てきれず注意しておきたい。
米国でも長期金利が高止まりしている。先週の国債入札を無難に消化したことで警戒感は後退しているが、トランプ政権が、交渉のまとまりが期待されつつあった欧州連合（EU）に対しても8月1日から30％の関税を課すことを表明し、関税によるインフレ懸念が再燃している。関税前に仕入れた在庫がまだ残っているほか、企業が価格転嫁をためらっていることから、今週発表される6月の消費者物価指数（CPI）や小売売上高に悪影響が顕在化する可能性は高くないが、市場予想との比較で「物価上振れ・消費下振れ」が確認された場合には、株価の重石になりそうだ。
米国ではJPモルガン・チェースなどの大手金融機関が4～6月期決算を発表する。M＆A（合併＆買収）などの投資銀行業務が回復してきているようで、好業績が期待される。足元で株価好調の半導体関連については、海外で、台湾積体電路製造（TSMC）や蘭ASMLホールディングが、国内ではディスコが決算を発表する。先行き不透明感が強い中、長期的に旺盛な需要が期待される生成AI（人工知能）・ハイテク株はディフェンシブ銘柄としても注目されつつあるようだ。相場への影響力も大きく、決算後の株価反応を見極めたい。
国内では、東宝やベイカレントの決算にも注目。東宝は6月公開の『国宝』が大ヒットし、月次業績が絶好調。7月18日からは『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』の第一章も公開され、業績上振れ期待が高まりそうだ。企業のIT投資意欲が旺盛で、ITコンサルティングのベイカレントなども好決算が期待される。関税影響から外需系セクターが敬遠されやすいため、情報・通信セクターや新興株には引き続き注目したい。
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仲村幸浩
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会認定アナリスト（CMA）。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。
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