過去最長を記録した米国政府機関の閉鎖が11月12日にようやく終了
米国政府機関の閉鎖が最長記録を更新、全米で大きな混乱に―。
米連邦政府は10月1日午前0時に予算の失効を迎えた。連邦議会の上院において9月30日夜につなぎ予算案を否決。これにより政府機関の一部閉鎖に追い込まれた。我々日本人にとっては政府機関閉鎖は驚きだが、米国では1980年以降実に14回もの政府閉鎖が起きている。前回の政府閉鎖は2018年12月~2019年1月までの35日間で奇しくも第1次トランプ政権時のもの。ところが、今回の第2次トランプ政権ではその記録を塗り替え、43日間を記録した11月12日に上下両院でつなぎ予算案が可決され、
未払いとなっていた連邦職員の給与は遡って支払われ、空港の減便や遅延の原因の管制官不足は旅行シーズンの感謝祭前には解消に向かう見通しだ。生活保護にあたる補助的栄養支援プログラム(SNAP)も通年の予算が確保される。9月の雇用統計は1カ月半遅れで発表される公算が大きいが、10月の消費者物価指数や雇用統計は集計作業そのものが停止していたため公表されない可能性が高いと報じられている。毎度毎度の与野党による政治的な駆け引き。勝者なき政治闘争は米国に110億ドル(1.7兆円)規模のダメージを与えることとなった。
株価は軟調だが、典型的なシステマティックリスクの動きで心配不要
政府閉鎖解除に向けて断続的に買いが入り、11月12日にNYダウは史上最高値の4万8254ドルを付けたが、翌日は材料出尽くしと12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ後退観測から797ドル安。ナスダック指数は2.3%安、SOX指数は3.7%安となった。今、本原稿を執筆しているのは11月14日の午前だが日経平均は1000円安の5万200円台で推移している。典型的なシステマティックリスクの動きだ。金融相場におけるこうした下落に惑わされてはいけない。泰然自若が重要である。「市場全体の動きに巻き込まれて大きく下落した銘柄は買いのチャンス」と私なら考える。
さて、日本企業の決算がたけなわである。2025年4〜9月期の業績は市場予想を上回るケースが目立っている。11月7日の時点で東証に上場する3月期決算の企業の全体の6割がマーケットコンセンサスを上回る純利益を叩き出している。その筆頭がトヨタ(7203)だ。純利益は1兆7734億円となり1309億円上回った。2位が日本製鉄(5401)の1262億円上振れ(純利益は1133億円の赤字)、3位が富士通(6702)の945億円上振れ(純利益2620億円)となっている。また、期初予想に対する業績修正という面でも上方修正した企業数は下方修正した企業を2対1の比率で上回り、上方修正した企業は製造業と非製造業で均等に見られる。決算発表後に大きく上昇した企業はたくさんあるが、アドバンテスト(6857)やレーザーテック(6920)といった半導体関連や任天堂(7974)などが大きく上昇。一方、下方修正ではデンソー(6902)、オリエンタルランド(4661)、第一三共(4568)、味の素(2802)などが大きく下落した。
上方修正が目立つ2025年4~9月期決算。決算プレイに惑わされるな
とは言え、決算発表後の需給だけを見て売買される決算プレイも散見される。日本一の時価総額を誇るトヨタはザラ場中に上方修正した直後はドスンと売られる形となったが、翌日には大幅上昇の変幻ぶりだ。ファンダメンタルズを一切度外視して「今日儲かるかどうか」「今この瞬間に儲かるかどうか」「売り板、買い板の多い方に注文を出して勝負だ!」という一発野郎が株価をおもちゃにしている。私は彼らのことを「ノイズトレーダー」、株価の動きを「ノイズ」と呼んでいる。ホント、どうでもいい動きで、鬱陶しく、迷惑する。だが、こうしたノイズに巻き込まれて間違った売買をさせられている個人投資家が多い。あなたは大丈夫だろうか?
決算の話に戻る。期初時点ではトランプ関税など不透明要因満載だったため今期の純利益予想は7%の減益だ。1Q時点ではこの予想は据え置かれていたが、今後どんどん上方修正される。ファンダメンタルズ的な「伸びしろ」は大きい、というのが2026年3月期の決算模様である。
東京きらぼしFG(7173)の株価が取得後5倍になるファイブバガーを達成
そうした中、「勝者のポートフォリオ」ではファイブバガー銘柄が誕生した。2021年10月1日に1520円で投資をスタートした東京きらぼしフィナンシャルグループ(7173)の株価が7600円を突破し、取得後から5倍以上になった。「東京地域で唯一の地銀で強力な営業地盤で急成長」「2022年3月期の会社予想ベースのPERは4.7倍、PBRはわずか0.18倍の激安」「今後の金利上昇メリットを受ける銘柄」という切り口だった。実際、当社の経常利益は2020年3月期は23億円、2021年3月期は82億円、2022年3月期は150億円と凄まじく伸びており、中期経営計画の純利益は2024年3月期に200億円と示されていた。銀行セクターの中で最も急成長、最も割安と判断。ポートフォリオに2%組み入れてスタートした。
東京きらぼしフィナンシャルグループ(7173)の株価の取得後推移
その後、好業績を確認する度に買い増しをおこなって投資ウェートを6%まで引き上げて現在に至っている。株価急騰で時価ウェートは10.6%にも達した。先日のコラムにおいて440円で投資をした三菱重工業(7011)が4400円を突破してテンバガーになったことをご紹介したが、東京きらぼしも「勝者のポートフォリオ」における稼ぎ頭の中核銘柄となっている。株価5倍の理由は「利益成長×PERの上昇」である。現在の株価は5.1倍だが、これを分解すると「利益3.1倍(経常利益150億円→470億円)×PER1.5倍(4.7倍→7.0倍)」となる。
株式投資で大事なのは複利運用。株価もインカムゲインも桁違いに増加
大事なのは複利運用だ。多くの個人投資家は短期売買を繰り返し、複利運用のメリットを享受していない。東京きらぼしの現在のPERは7.0倍、PBRも0.67倍といまだに激安だ。2026年3月期の経常利益予想は470億円。利益が急増しているからこうなっている。今、東京きらぼしに気付いて「今後株価が2倍になる!」との想定で買う個人投資家Aさんがいるとしよう。実際に2倍になったと仮定すれば、Aさんは株価2倍だが「勝者のポートフォリオ」の株価は10倍になる。片や2倍、片や10倍。この差はあまりにも大きい。
さらにインカムゲインの話をしよう。現在の株価7710円における配当利回りは2.2%だが、株価1520円の配当利回りは実に11.2%である。片や2.2%、片や11.2%。これだけの差が複利運用で出るわけである。「ちょっと上がったらすぐ売る」はもったいない。株価が上がる銘柄を育て上げて複利運用を行うことの大切さを今一度、噛みしめていただきたい。
複利運用を享受し、勝者のポートフォリオも設定来137.5%と最高値更新
さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行う「勝者のポートフォリオ」。おかげさまで快進撃を続けており、連日での最高値更新となっている。2021年10月のサービス開始以来5年目に突入したが、10月31日時点での累計パフォーマンスは+137.5%と最高値を更新。昨年来+85.8%、年初来+40.7%といずれの期間でもマーケットの主要指標を圧倒して快進撃を続けている。マーケット分析力と個別銘柄選択力で「市場に打ち克つ」を実践している成果が大きく出ているものと自負している。2025年の目標+100%を7月に突破。次の目標として+150%を掲げているが、早々にも達成しそうな勢いだ。
「勝者のポートフォリオ」の設定来パフォーマンスの推移と主要指数との比較
11月12日セミナーは録画視聴可能、年内ラストセミナーは12月17日開催
「勝者のポートフォリオ」は日本株を中心とした個人投資家向けの投資助言サービスであり、毎週のマーケット解説・投資戦略のメルマガ配信に加え、毎月恒例のWebセミナーの開催とスキルアップを目的とするスペシャル講義を提供している。Webセミナーでは米連邦準備理事会(FRB)や日銀の金融政策、日米の景気動向、あるいは最近ではトランプ関税政策といったホットな話題を取り上げながら現状の投資戦略や株価上昇が今後期待できる個別銘柄の話、さらには参加者から全ての質問に答えるQ&Aコーナーを設けて毎回2時間半ものロングランとなっている。毎回300名を超える参加者で盛り上がり、投資のヒントが満載である。
11月12日(水)20時より開催したWebセミナーのテーマは『高市政権が本格スタート、現実味を帯びる日経平均7万円達成シナリオ』。株式市場は上昇しているにも関わらず、資産運用がうまくいっていない個人投資家が多いとの印象を受ける。「どうすれば資産運用がうまくいくのか」を知りたい方々にもたくさんご参加いただいた。すでにセミナー動画は会員ページのアーカイブに公開済みである。次回の開催は12月17日(水)20時からを予定している。10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加可能だ。
スペシャル講義は投資スキルを身につける場として62本もの講義動画をリリースしている。個人投資家にとって必須のリスク管理、運用力を上げるためのマーケットサイクル投資法、恐怖指数の活用、システマティックリスクの対処法、ヘッジファンドの実態などを詳しく解説している。ぜひとも参考にしていただきたい。
●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供による「勝者のポートフォリオ」メルマガ配信などで活躍。
国内外で6年連続アナリストランキング1位を獲得した、
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