過去最大の上げ幅を記録した日経平均株価は2営業日で3338円の下落
日経平均株価は2424円安となり、4万9073円まで大きく下落―。
11月5日(水)の日経平均は朝方から急落。寄付きこそ206円安の5万1291円で始まったが、11時半の前引け直前に2424円安(-4.7%)の4万9073円まで売られた。10月31日(金)には5万2411円と最高値を更新していただけに、わずか2営業日で3338円もの下落だ。もはや暴落に近い下げっぷりである。
10月は日本の株式市場にとってビッグ・イベントが目白押しだった。米連邦準備理事会(FRB)の2カ月連続での利下げ決定で本格的金融相場の色合いが濃くなっていたところに高市早苗政権が誕生。目覚ましい外交手腕を発揮したことから日経平均は月間で7478円高(+16.6%)という過去最大の上げ幅を記録した。「スピード違反」とも言える上昇が起これば、当然のことながら機関投資家によるリバランス売りや個人投資家の利食い売り、さらには相場の下落に賭けたヘッジファンドによる先物主導売りや個人投資家の信用売りが起こる流れになる。
日経平均の年初来上昇幅1万2516円の7割をSBGなど3銘柄で占める
とは言え2424円安の直接の引き金となった要因は米国にある。11月4日(火)の米国市場においてAI銘柄に対する2つのネガティブな事象が起こった。ひとつが「世紀の空売り」として知られる著名投資家マイケル・バーリ氏が率いるサイオン・アセット・マネジメントがパランティア・テクノロジーズやエヌビディアのプットオプション(売る権利)を取得していたこと、もうひとつがゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーのCEOが相次いで「今後マーケットが10%以上調整する可能性」に言及したことから、SOX指数やナスダック指数が大幅安となった。これを受けてソフトバンクグループ(SBG、9984)、アドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)といった日本の相場の牽引役が大幅に下落する展開となった。
これら3銘柄について知っておくべきことがある。昨年末の日経平均は3万9894円。最高値の5万2411円までの上昇幅1万2516円のうち、上昇寄与度の7割をたった3銘柄で占めるほど局所的な株価上昇が起こった。日本におけるマグニフィセント・スリーというわけだ。11月に入ってからの急落でこれら3銘柄の占有率が8割になっているのも納得できる。これはもちろん日経平均が単純株価ベースで指数が計算されているためだ。株価が単純に高い値嵩株が大きな影響を与える。一方、相場全体の動きを表すTOPIXは時価総額による加重平均だ。10月末時点における年初来のパフォーマンスは日経平均が+31.4%に対してTOPIXは+19.6%と1180bpもの差があるが、今後は物色対象の裾野がもっと広がることを期待したい。
短期間の急落劇や急騰劇で取るべき投資行動とは?
さて、話を11月5日に戻す。前場は2424円と急落したが、後場に入り下げ幅を縮小して終値は1284円安の5万212円となった。後場だけ見れば1140円高となっており急落の半値戻しが起こったことになる。そして11月6日(木)は朝方から買いが殺到する形となり1036円高の5万1248円を付ける場面があった。この原稿を書いているのは、まさにそのタイミングである。
短期間のうちに起きた急落劇と急騰劇。あなたの投資行動は次のどれだろうか?
・「すでにバブルだ」「暴落する」との言葉に恐れおののいて、慌てて売った
・今、押し目のチャンスとみて買った
・何もせず、毎日不安な日々を過ごしている
・何もせず、泰然自若で眺めている
・もう株式投資はヤメる
投資家である限り大きな下落は避けられない。しかも、急落を演出するのは投機的トレードが主体であり、その主役はヘッジファンドである。グローバル・マクロ、商品投資顧問(CTA)といった顔馴染みに加え、イベント・ドリブン型の投機家たちがここぞとばかりに高速取引で利ザヤを稼ぐ投資手法を繰り出す。私が常々言っている「日々の価格の動きはノイズ」「ノイズを生み出しているのは“うる星★やつら”ならぬ“うぜぇ★やつら”」である。「価格の変動こそ収益の機会」との前提に立って大量マネーやレバレッジの力を借りて自ら価格変動を作り上げ、それに追随する投機家たちをダシにして一本取ろう、というのが彼らの戦略である。日本市場では日経平均先物を使った取引が主戦場となっている。
軸がぶれない投資で「勝者のポートフォリオ」はマーケット指標を圧倒
『投機的トレードが相場を揺さぶる。あなたの投資スキルが試されるマーケット』というのが今回のコラムのテーマである。投資スキルがなく感情のままに短期売買している投資家たちは、過熱局面で調子に乗って買い、今回のような急落局面で売らされているのではないか。太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行う「勝者のポートフォリオ」は泰然自若である。久々のパニック売りを見ながら「ピンチはチャンス」「チャンスはピンチの顔をしてやって来る」との発想をしている。10月末での累計パフォーマンスは+137.5%と最高値を更新。昨年来+85.0%、年初来+40.1%といずれの期間でもマーケットを圧倒して快進撃を続けている。マーケット分析力と個別銘柄選択力で「市場に打ち克つ」を実践している成果が大きく出ているものと自負している。2025年の目標+100%を7月に突破。次の目標として+150%を掲げているが、早々にも達成しそうな勢いだ。
「勝者のポートフォリオ」の設定来パフォーマンスの推移と主要指数との比較
金融相場はバリエーション拡大を見極めるのが大事。頻繁な売買は不要
そうした中、個人投資家の方から質問を頂いた。「太田先生は常日頃から“含み益は幻”とおっしゃっていますが、今のマーケットで膨れ上がった含み益の銘柄はいつ売るのでしょうか?」
いい質問だ。今は金融相場、すなわち株価が最も上昇する相場だ。前回のコラムで私は述べた。「今の相場での大事なポイントは、株価上昇のエンジンであるバリュエーション拡大を楽しむ」ことである。したがって今売るのは得策ではない。そして「バリュエーションの拡大がどこまで進むか見極める」ことが大事だ。来たるべき業績相場に向けての対処法となる。頻繁に売買するのではなく、じっくり腰を据えて資産運用をすることが大事だと思う。
「勝者のポートフォリオ」は日本株を中心とした個人投資家向けの投資助言サービスで、毎週のマーケット解説・投資戦略のメルマガ配信に加え、毎月恒例のWebセミナーの開催とスキルアップを目的とするスペシャル講義を提供している。
WebセミナーではFRBや日銀の金融政策、日米の景気動向、あるいは最近ではトランプ関税政策といったホットな話題を取り上げながら現状の投資戦略やこれから期待できる個別銘柄の話、さらには参加者からのすべての質問に答えるQ&Aコーナーを設けて毎回2時間半ものロングランとなっている。毎回300名を超える参加者で盛り上がり、投資のヒントが満載である。
セミナーは今週12日(水)20時開催。日経平均上昇シナリオを徹底解説
次回セミナーは今週の11月12日(水)20時より開催する。テーマは『高市政権が本格スタート、現実味を帯びる日経平均7万円達成シナリオ』を予定している。株式市場は上昇しているのに資産運用がうまくいっていない個人投資家が多いとの印象を受ける。「どうすれば資産運用がうまくいくのか」を知りたい方はご参加願いたい。10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加が可能である。
スペシャル講義は投資スキルを身につける場として62本もの講義動画をリリースしている。個人投資家にとって必須のリスク管理、運用力を上げるためのマーケットサイクル投資法、恐怖指数の活用、システマティックリスクの対処法、ヘッジファンドの実態などを詳しく解説している。ぜひとも参考にしていただきたい。
●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供による「勝者のポートフォリオ」メルマガ配信などで活躍。
国内外で6年連続アナリストランキング1位を獲得した、
トップアナリスト&ファンドマネジャーが
個人投資家だからこそ勝てる
「勝者のポートフォリオ」を提示する、
資産運用メルマガ&サロンが登場!
老後を不安なく過ごすための資産を自助努力で作らざるを得ない時代には資産運用の知識は不可欠。「勝者のポートフォリオ」は、投資の考え方とポートフォリオの提案を行なうメルマガ&会員サービス。週1回程度のメルマガ配信+ポートフォリオ提案とQ&Aも。登録後10日間は無料!
























