今週は米エヌビディア決算/三井住友FGが好決算・キオクシア急反発/日経平均続落【今日の注目株＆日本株市場見通し】「デイリーZAi」11月17日号

◆今日の内容を10秒でチェック！
・日経平均は一時5万円割れも底堅い展開、AI関連株が好調
・好決算の三井住友FGが大幅高！ 訪日客減への懸念で小売が急落
・米エヌビディアや米小売大手が決算、出遅れ割安AI銘柄のメイコー

【1】今日の株式相場＆話題株 早わかり！
一時5万円割れも底堅い展開、AI関連株が好調

【今日の相場】

　日経平均株価は小幅続落！ 14日の米国市場で主要株価指数は高安まちまち。利下げ期待の後退や景気の不透明感などから、序盤は下落率が大きかったが、ハイテク株に押し目買いが入り、その後にやや持ち直した。日経平均株価は下落してはじまると、一時は4万9845.86円（－530.67円）まで下げ幅を広げた。大規模な経済対策を受けた財政不安を背景に、10年物国債利回りが17年半ぶりの高水準を付けたことも重石になったとみられる。一方、心理的な節目を下回った水準では押し目買いが入ったほか、為替市場での円安進行も支えとなり、5万円を回復した後は一進一退が続いた。

　キオクシアホールディングスが急反発するなど、半導体株や非鉄金属などのAI関連株が上昇したほか、電気・ガスや保険、食料品など内需系の一角が買われた。一方、中国政府による日本への渡航自粛要請を受け、小売や空運で下落が目立った。日経平均株価は5万円を下回る場面でこそ底堅さを見せるが、方向感に乏しい展開が続いている。今日のX（旧ツイッター）の音声チャット「スペース」配信では、今週の注目イベントや今後の相場見通し、決算発表一巡で注目したい好業績株などについて解説しているので、投資の参考にしてほしい。
【※Xスペース配信（11月17日）はコチラから】
⇒https://x.com/ZAiClub/status/1990267522202193954

【日経平均】50323.91円→（-52.62円）
【グロース250】698.53↓↓（-10.01）
【NYダウ】47147.48ドル↓（-309.74ドル、14日）
【ナスダック】22900.589→（+30.234、14日）

■日経平均株価チャート／日足・6カ月

（出典：SBI証券公式サイト）

【今日の話題株】

◆三井住友フィナンシャルグループ（8316）
4528円（＋198円）
　2026年3月期の上期（4～9月）の純利益は前年同期比28.7％増の9335億円と市場予想を大きく上回った。通期計画は1兆3000億円から1兆5000億円（前期比27.3％増）に上方修正し、1株あたり配当は136円から157円（中間配当は78円）へ増額。発行済み株式数に対する割合1.3％、1500億円を上限とする自社株買いも発表した。貸出金の増加や利ザヤ改善に加え、関税影響の縮小などが寄与した。決算を発表したメガバンク3行の中で最もポジティブな株価反応となった。

◆ニデック（6594）
2064円（－182円）
　2026年3月期の上期（4～9月）営業利益は前年同期比82.5％減の211億円だった。また、第1四半期（4～6月）の営業損益は速報値の614億円の黒字から264億円の赤字へと下方修正。車載製品において、契約損失引当金や非金融資産の減損損失の計上があった。第三者委員会の最終調査報告書を年内までに受領できない見通しや、報告書の内容次第ではさらなる減損があり得ることも示唆され、株価は大きく下落した。

◆FOOD＆LIFE COMPANIES（3563）
6763円（－1075円）
　「スシロー」を展開。高市早苗首相の台湾有事を巡る発言を受け、中国外務省が自国民に日本への渡航を当面控えるよう注意喚起した。訪日客（インバウンド）需要の減少や、中国店舗のボイコット影響への懸念などから、売りが広がった。良品計画や三越伊勢丹ホールディングスなども大きく下落した。

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【2】月曜コーナー「ザイアナリスト仲村幸浩『今週の焦点』」
米エヌビディアや米小売大手が決算、出遅れ割安AI銘柄のメイコー

　先週の日経平均株価は＋100.16円（＋0.20％）。政府機関の再開への期待などを背景に週後半まで上昇基調だったが、米利下げ期待の後退や一部のAI関連株の失速が重石になり、週末にそれまでの上げ幅をほぼ吐き出す格好となった。

　米国では、経済指標の集計・発表の遅れや精度に対する懸念に加え、複数の地区連銀総裁から利下げに慎重な発言が相次ぎ、景気・金融政策の不透明感が重石になっている。こうした中、今週は発表が遅れていた9月の雇用統計が20日（木）に公表される。直近の民間データは雇用状況の大きな変化を示唆していないが、過度に強いと利下げ期待が一段と後退し金利が上昇しかねない。反対に極端に弱いと景気懸念が強まりかねないため、結果を注視したい。投資家心理を反映し恐怖指数とも呼ばれるVIX指数は先週末、警戒水準とされる20を一時上回った。VIX指数の動向にも注意しておこう。

　19日（水）の米半導体大手エヌビディアの決算にも注目だ。好業績であることは間違いないが、来年以降のAI市場の期待をさらに高めるものとなるか、最高経営責任者（CEO）の発言なども重要となってくる。先日のキオクシアホールディングスと同様、決算の内容はさることながら、決算後の株価反応が重要だ。仮に売られてもすぐに下げ渋るようであれば、年末株高への期待を維持できそうだ。その他に、ウォルマートやターゲットなどの米小売企業の決算もある。景気動向を占う上で、雇用統計と合わせて内容を見極めたい。

　国内では19日の20年物国債入札に注意したい。大規模な経済対策を受けた財政不安から、足元で長期金利が17年半ぶりの水準にまで上昇している。入札不調でさらに金利が上昇し、円まで売られてしまうと、債券売り・円売りの日本売りのイメージを醸成してしまいかねない。

【仲村の今週の注目銘柄・テーマ】
メイコー（6787）「AI・データセンター」「出遅れ」
1万380円（＋500円）
　車載向け・スマホ向けを中心としたプリント配線基板大手。車載基板においては世界トップレベルを誇る。近年は、防衛関連として注目度が高まる衛星通信向けにも成長を遂げている。9月には急速拡大中のAIサーバー向けの市場参入を発表。上期決算では、AIサーバーについて、量産開始済みのメモリモジュール向け基板に加え、複数の回路基板領域（アクセラレーターボード、ストレージなど）で事業拡大の可能性があり、積極的に設備投資を行っていく方針が説明された。同社はベトナムに拠点を持っている。貿易摩擦や地政学リスクの観点から、非中国・非台湾の企業に供給先を広げる動きが追い風になっており、今後のポテンシャルは高い。一方、PERは15倍台と割安感がある。

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仲村幸浩
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会認定アナリスト（CMA）。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。

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