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アメリカではテクノロジーセクターのパフォーマンスが3年連続トップ! 2026年は利益成長が低いと下がる可能性があるが、AIが浸透すれば無理でもない

2025年12月26日公開
ポール・サイ
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 2025年12月24日(水)、米国・シアトルからザイ投資戦略メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている元フィデリティ投信トップアナリストのポール・サイさんが、ストックボイス社が手掛ける経済・マーケット番組「WORLD MARKETZ」(TOKYO MX 月~金 22時~23時)に生出演した

ポール・サイさんプロフィール

 今回はクリスマスイブの放送とあって、キャスター陣がクリスマスの帽子をかぶって登場。年内最終回とあって2025年のアメリカ、日本、世界のセクター別パフォーマンスをポールさんが振り返り、2026年の株式展望を語ってくれたので、さっそくチェックしていこう。

株でリスクを取っているポールさんは、ラスベガスでカジノをやらない

 番組は、クリスマスの帽子をかぶったアシスタントの新宮志保さんが、ポールさんにクリスマスや年末年始の予定を聞くところから始まった。

 ポールさんは先週末、お子さんたちとラスベガスのショーを見に行き、友人の娘さんが出演するマイケル・ジャクソンのショーを楽しんだそう。

 すると番組MCの渡部一実さんが、ポールさんが初著書『台湾系アメリカ人が教える米国株で一生安心のお金をつくる方法』のなかで、キャバクラで豪遊したりしないと書いていたことを引き合いに出し、「ラスベガスでカジノは行きましたか? アメリカにキャバクラはあるんでしょうか」と質問すると、新宮さんが「何言っているんですか?」と素早くツッコミ。

(出所:WORLD MARKETZ)

 ポールさんは、株でリスクを取っているのでカジノはやらないこと、アメリカにキャバクラはなく、似たような業態はあるかもしれないけれど、日本ほど盛んではないことを教えてくれた。

アメリカではテクノロジーセクターが3年連続でトップ。来年の利益成長が低いと株価は下がる可能性はあるが、AIが浸透すれば無理でもない

 続いては、2025年のセクター別のパフォーマンスをアメリカ、日本、世界の順に見ていくことに。

 金融データ&分析プラットフォームのKoyfinで、セクターを代表するETFのパフォーマンスを見ると、アメリカではテクノロジーセクターのXLKやコミュニケーションセクターのXLCが年初来で一番上昇したことがわかる。

(出所:WORLD MARKETZ)

 XLCはコミュニケーションだけれどメタやアルファベット、ネットフリックスが入っていることから、XLKとXLCの2つをテクノロジーの代表として見ればいいそう。

 XLKとXLCは2023年、2024年に続いて3年連続トップで、AIのサイクルが続いていることがわかり、来年もAIへの投資が続くなかで、テクノロジーがリードしそうとポールさんは考えている。

 S&P500は今年、18%ほどのパフォーマンスだったけれど、2002年からのブルマーケットではインフレ込みで91%ほど、2009年から5、6年続いたブルマーケットでは147%ほど上昇したことを考えると、今回のS&P500の上昇は、過去と比べてそこまで過剰ではなく、上昇余地もまだあるようだ。

 また、S&P500はこの数年間、バリュエーションの拡大がドライバーだったけれど、ここからは利益成長が重要になってくるとのこと。

 S&P500の来年の利益成長は12%がコンセンサスで、従来の7%より高く見込まれており、12%より利益が低いと株価は下がるかもしれないけれど、AIが浸透していくこと考えれば、12%が無理なわけでもないようだ。
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日本株が上昇したのは円安やデフレからインフレなど、金融の情勢変化が要因。自動車やITが弱く、実体経済が伸びていない

 次は、日本の2025年のセクター別パフォーマンスの話題に。

 日本で伸びたのは銀行や建設資材、金属、非鉄、不動産などで、自動車やITなどは伸びていないようだ。

(出所:WORLD MARKETZ)

 これを見てわかるのは、日本株上昇の要因は円安や、デフレからインフレというテーマが大きいことだとポールさん。金融の情勢変化で株価が上昇しており、実際の生産性の改善より、改善への期待で上がったようだ。

 すると、渡部さんが「日本の1位は金属セクターで67%上げており、金や銀、プラチナが上昇するなかで、住友鉱山や三菱マテリアルが買われたと思うが、ずっと金属セクターが引っ張っていくイメージはない」とコメントした。

 ポールさんは銀行に着目し、日本経済が今後も伸びれば、銀行は1つの経済の代表になるけれど、現在の銀行株の上昇は期待によるもので、その後の利益が伴わなければ伸び続けることは難しいとのこと。

 日本では自動車やITなど実体経済が伸びていない一方、テクノロジーが上昇しているアメリカのほうが、実体経済の中身があるように見えるとポールさん。

 日本経済の大きなドライバーである自動車は、中国の電気自動車との競争が激しいことが懸念で、それはアメリカの自動車にも同じことが言えるようだ。

年間パフォーマンスで一番良かったセクターが下がり、一番悪かったセクターが戻るかもしれないと頭に入れておく

 最後は、世界の2025年のセクター別パフォーマンスの話題に。

 世界で見ると、2025年は原子力関連のETFが73%上昇、続いてゴールド、新興国となっており、ここから何が読み取れそうか、渡部さんがポールさんに質問した。

(出所:WORLD MARKETZ)

 ゴールドが上昇しているのは、インフレへの心配や地政学的な問題が主な理由で、原子力はAIが電気を使う影響から、AI関連株とも言えるそう。新興国の中身は主に中国で、中国は単独でも5位。アメリカが利下げサイクルに入っていることが上昇の理由のようだ。

 4位の「Hedged Japan」は為替ヘッジで円安効果が消された日本株のこと。こちらも上昇していることから、日本株自体もそこまで悪いわけではなかったそう。

 そして、年間パフォーマンスを見るうえで、頭に入れておいたほうがいいのが、一番良かったセクターを心配して、一番悪かったセクターが戻るかもしれないことだとポールさん。

 今年はアメリカで不動産が弱かったため、来年は利下げサイクルの中でREITの配当利回りが魅力的になるし、利下げは借り入れが多い不動産会社にとっては追い風になるそう。一方で、AIによってオフィス空室率が圧迫される懸念もあるようだ。債券も今年は弱く、来年は利下げで回復する見込みがあるとのことだった。

 初の著書『台湾系アメリカ人が教える米国株で一生安心のお金をつくる方法』を11月12日(水)に出版したばかりのポールさんは、冒頭でも触れたとおり、ザイ投資戦略メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている。登録後10日間は無料だ。米国株投資をしてみたい、すでにしているけどもっと現地からの情報が欲しい、ポールさんが推奨する個別銘柄やポートフォリオ(直近2年半で140%上昇)を見てみたいという人は、こちらをぜひ登録してみてほしい。

●ポール・サイ  ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。


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