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トランプ大統領が11月の中間選挙に向けてポピュリズムに走っても、一喜一憂せず長期投資を。テクノロジーとエネルギーを両端の重りにするバーベル戦略を進めよう!

2026年1月16日公開(2026年1月16日更新)
ポール・サイ
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 元フィデリティ投信トップアナリストで、米国・シアトルからザイ投資戦略メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしているポール・サイさんが、東京MX2で毎週月曜~金曜22時から放送されている、「WORLD MARKETZ」にゲスト出演した。

ポール・サイさんプロフィール

 今回の放送では、シアトル在住のポールさんが来日して2度目のスタジオ出演を果たした。トランプ米大統領が11月の中間選挙に向けてポピュリズムに走っても、一喜一憂せず、テクノロジーとエネルギーを両端の重りにするバーベル戦略を進めることがおすすめのようなので、さっそくチェックしていこう。

FRBの独立性がトランプ政権の圧力で危ういとは思わない。金利が低すぎると、資産を現金で置いておくことが危ない

 番組は、シアトル在住のポールさんが2度目のスタジオ出演であることをアシスタントの新宮志保さんが紹介し、来日したポールさんが長野に行った話を聞くところから始まった。

 長野にはスキーをしに行き、吹雪で景色はあまりよく見えなかったけれど、長野の友達と久しぶりに会えて楽しく過ごせたとのこと。アジア系のインバウンドの人も見かけて、外国人が増えている印象もあるようだ。

(出所:WORLD MARKETZ)

 すると、番組MCの渡部一実さんがトランプ大統領関連の話題を切り出した。

 パウエルFRB議長がトランプ政権に狙われている話に、マーケットはそれほど動揺していないけれど、ポールさんはどう見ているのか質問した。

 まず、パウエルFRB議長は本部の建て替え計画をめぐる予算超過について、テクニカルなことでトランプ政権に責められており、明らかに政治的な意図を感じるそう。

 ただ、FRBの独立性が危ういとポールさんは思わないようだ。詳しくは以下をご覧いただきたいが、FRBは設立時から政治的な圧力をなるべく回避できるよう設計されており、アメリカの長い歴史の中で独立性をある程度保ってこられた経緯があるそう。
【※関連記事はこちら!】
パウエルFRB議長が刑事捜査の対象に!トランプ政権の圧力に対しFRBは独立性を守れるか?FRBとFOMCの制度設計を読み解き投資家の取るべき行動を考える

 もっとも、トランプ大統領は過去の大統領より積極的に圧力をかけており、金利を下げたいなどの意向が、FRBにまったく影響がないわけでもないようだ。

 そして、金利が低すぎるとインフレになるリスクがあり、金が最高値を更新して円安が進むなど、市場もインフレ上昇や通貨価値下落を見込んで投資しているため、資産を現金で置いておくことこそ危ないとのことだった。

トランプ政権が米軍を使ってアメリカの石油会社のために仕事をすることは、石油会社にとって長期的に有利

 続いて、トランプ政権がベネズエラのマドゥロ大統領を拘束した話題に。

 「これは地政学的に大きな変化だ」とポールさん。これまでのアメリカは海洋国家で、例えば日本に黒船を送り込んだ時も、日本の富をいきなり取ろうとせず、アメリカに有利な条約を結び、間接的にアメリカにメリットをもたらすやり方をしていたそう。

 けれど、トランプ政権は米軍を送り込んでベネズエラの石油を取り、アメリカファーストと弱肉強食を世界に見せつける、わかりやすいやり方を好むようだ。
【※関連記事はこちら!】
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 トランプ政権が米軍を使ってアメリカの石油会社のために仕事をするということは、石油会社にとって長期的に有利だとポールさんは話す。

 そのほかにも、石油の値段が歴史的に見て低いこと、石油会社の採掘コストが生産性の改善で安くなっていること、株主還元に積極的なこと、中国がトランプ政権のマネをして台湾の総統を拉致するなどの地政学リスク、AIによるエネルギー需要の増加などがプラスに働き、石油会社や原子力の会社がよくなっていきそうとポールさんは見ている。

 実際に、ポールさんが定期的にウォッチしているウランETFや、ウランの鉱山や原子力のバリューチェーン全体にかかわっているカメコが上昇しているようだ。

カメコ 週足 (出所:TradingView)

テックとエネルギーでバランスを取るバーベル戦略がいい。石油は悪かった年の次の年によくなる傾向。長期トレンドのAIは安いときに拾う

 次は、バーベル戦略の話題に。

 FIREを達成しているポールさんは、世界最強の国であるアメリカの資産を中心とした長期投資が大事だとかねてより主張していて、この番組でもバーベル戦略の話が何度か出たけれど、改めて教えてほしいと渡部さんがお願いした。

 バーベル戦略というのは、重りが両端にあり、うまくバランスすることで株のポートフォリオ全体のボラティリティを減らしながらリターンを取る戦略のこと。特に石油とテクノロジーを重りにすると、よくバランスするそうだ。

 例えば去年はテクノロジーがよく、石油が悪かったけれど、悪かった年の次の年の石油はよくなる傾向があるそう。
【※関連記事はこちら!】
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 そうすると、去年よかったテクノロジーが今年スローダウンしても、バトンタッチして石油が今年走り出すかもしれないという感じで、ポートフォリオ全体のスムーズな動きを期待できるのが、バーベル戦略の利点のようだ。

 テクノロジーとエネルギーでバーベル戦略を行うとして、エネルギーはWTI原油や原油ETFなどがいいのか、それとも石油会社がいいのか、渡部さんが質問すると「長期で見るなら石油会社がいい」とポールさん。原油の先物や派生商品は短期の動向を取るのに向いていて、資料の中にもそう書いてあるようだ。

 バーベルももう1つの重りであるテックは、去年がよかったから今年もガンガン上がるかは別として、AIの長期トレンドは続くから、安いときに買っておけばいいかという渡部さんに、ポールさんも同意。

 テックのファンダメンタルズも、会社の考え方も変わっておらず、今すぐ収益がなくても投資し続けるという信念があるから、技術がどんどん進むのだそう。国レベルでも、アメリカはAIで中国に追いつかれないよう、本気で取り組んでいるようだ。

トランプ大統領は11月に中間選挙を控えてポピュリズムのメッセージを出している。一喜一憂せず、バーベル戦略をすればいい

 最後は、アメリカの中間選挙の話題に。

 トランプ政権がパウエルFRB議長を攻撃したり、気に食わない国を攻撃したり、関税を上げたり、いろんなところにわめき散らかしているように見えるのをどう考えたらいいのか、渡部さんがポールさんに質問した。

 最近も、クレジットカードの上限金利を10%に下げろと言ったり、金融機関が戸建住宅に投資するなとトランプ大統領が言っているのは、2026年に入り、11月に中間選挙を控えてポピュリズムのメッセージを出しているという理解でいいそう。

 例えば、金融機関が戸建て住宅を保有する割合は2、3%くらいで、そこを規制しても、住宅高騰の根本的解決にはならないと庶民もわかっているけれど、メッセージ的にはいいという評価のようだ。

 「トランプ大統領の発言に一喜一憂しないで、バーベル戦略をしていけばいいということですね」と渡部さんは理解して、番組は終了した。 

 初の著書『台湾系アメリカ人が教える米国株で一生安心のお金をつくる方法』を2025年11月に出版したばかりのポールさんは、冒頭でも触れたとおり、ザイ投資戦略メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている。登録後10日間は無料だ。米国株投資をしてみたい、すでにしているけどもっと現地からの情報が欲しい、ポールさんが推奨する個別銘柄やポートフォリオ(直近2年半で140%上昇)を見てみたいという人は、こちらをぜひ登録してみてほしい。

●ポール・サイ  ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガを配信中。


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