少額から手軽に投資できる「投資信託」のキホンを再確認しよう!
ダイヤモンド・ザイ5月号では、投資の初心者に向けた特集「貯める&増やす投資入門」を掲載。特集は「投資の鉄則」「原則として元本割れしない安全な商品」「金投資」「増やす投資信託(株式型投資信託)」「分配金を受け取る投資信託」という5つのパートで構成され、目的に合わせたわかりやすい投資対象の選び方を解説している。
今回はその中から、少額の元手をじっくり増やしたい人におすすめしたい、「増やす投資信託」のパートを抜粋して紹介。投資信託は「積み立て投資」ができるため、「まとまった資金がない」という人に適しているだけでなく、「何を買ったらいいかわからない」という投資初心者にも適している。初心者の人はもちろん、すでに投資信託を買ったことがある人も、ここで改めて投資信託のキホンをおさらいしてみてほしい。
世界への分散投資が1万円でできる!
資産を“増やす”のが目的なら、株への投資が王道だ。株式は、債券などと比べて値動きが大きいが、そのぶん大きな値上がり益が期待できるからだ。
ただし、元手となる投資資金が少ないと株式投資はやりづらい。例えば「トヨタ自動車(7203)」を1銘柄買うには、現状で最低60万~70万円が必要だ。また、銘柄選びも非常に重要となる。これが株式投資の醍醐味でもあるのだが、失敗すると大損もありうるし、投資の初心者ではそもそも何を買えばいいのかわからないという人も多いだろう。
リスクを減らすには、業種などが異なる複数の銘柄に「分散投資」するのが有効だ。分散する銘柄数が多いほど、効果は高い。日本株が不調でも米国株は好調、といったこともあるので、できれば海外にも分散したい。しかし、多くの銘柄を買おうとすれば大きな資金が必要になる。また海外の株を買うのは簡単ではない。
これらの問題を一気に解決してくれるのが、投資信託だ。投資信託は、多くの株を組み合わせて一つの商品に仕立て、小分けにして売るようなもの。1万円程度から買うことができ、1本買うだけで数十銘柄、数百銘柄の株を買うのと同じ分散効果が得られる。“日本株全体”、さらには“世界の株全体”に投資するのも簡単だ。
積み立て投資をすれば、リスクを下げられる
しかも、銘柄選びやその後の入れ替えも運用会社がやってくれるので、初心者や手間をかけたくない人も手軽に投資できる。ただし、代わりにどの投資信託を選ぶかがとても重要となる。人気の投資信託がいい投資信託であるとは限らないからだ。
もう一つ、株式投資で失敗を避けるコツは、銘柄だけでなく「時間」も分散すること。つまり、一度に全額を投資するのではなく、何回かに分けて買うのが正解だ。その究極が、毎月一定額でコツコツ買う積み立て投資。個別株でも定額積み立て購入ができる「るいとう」という仕組みがあるが、取り扱い金融機関の数や手数料などの面で、投資信託のほうが有利だ。
リーマン・ショック級の暴落にも、長期積み立てなら負けない!
途中でやめずに、できるだけ長く積み立て投資を続けるのも大切なポイント。世界同時株安のようなときは、分散投資していても損失は避けられない。しかし、そうした下落時でも積み立て投資を続けることが、利益を上げるためには重要だ。実際、「100年に一度」と言われた2008年のリーマンショックでは、日経平均株価が半値以下になったが、その後も積み立て投資を続けていた人は、2012年末以降の株価上昇で大きな利益が出ているはずだ。
資産を増やすための投資を始めるなら、長期、しかも積み立てで、世界の株に分散投資するのが基本となる。投資信託は、その最適な手段なのだ。もちろん、初心者に限らず投資経験者にもおすすめだ。
実際、投資経験者でも投資信託を有効活用している人は多い。以下に、投資信託が選ばれる5つの理由をまとめたので、参考にしてみてほしい。
<投資を始めるのに投資信託が最適な「5つの理由」>
【1】少額からでも投資でき、500円から買える場合も!
日本の有名企業の株を買うには最低数十万円必要なことが多いが、投資信託は1万円程度から買える。販売会社によっては500円から積み立て可能な場合も。
【2】1本買うだけでも分散投資ができる!
投資信託は、多数の株を組み合わせて作ったいわばセット商品。1本買うだけで、数十銘柄、数百銘柄の株に投資するのと同じ効果を得られる。
【3】海外への投資もお手軽にできる!
海外の株そのものを買うのはかなりハードルが高いが、投資信託なら簡単。海外株型の投資信託を買うだけで、先進国にも新興国にも、あるいは世界全体にも投資できる。
【4】簡単に毎月一定額で積み立て投資できる!
多くの販売会社に、例えば月額1万円など、一定額分の投資信託を自動的に購入する積み立てサービスがある。手間をかけずに確実に、長期投資ができる。
【5】銘柄選びや入れ替えはプロにおまかせで楽!
投資信託では、運用のプロが銘柄を選び、入れ替えまでしてくれる。ただし投資信託ごとの成績の差も大きい。“ダメな投資信託”を避け、“優秀な投資信託”を選ぶのが重要。
相場に関係なくいつ始めてもOK! 積み立てなら株価下落もプラスに
一定額の投資信託を毎月購入する積み立て投資には、少ない資金で、いつでも始められるという利点がある。
買いのタイミングや相場の上げ下げは気にしなくていい。むしろ値動きが大きいほうが、勝てる可能性が高くなる。というのも、高値のときは購入量が少なくなり、安値のときは多くなるので、平均取得単価が低くなる、つまり安く買えるからだ。その結果として、相場の下落後の回復が早く、上昇時には利益が大きくなる。
下の図は10年間積み立て投資を行なった場合の投資信託の「基準価額」と「収益率」の推移だ。2007年1月から投資信託(「ニッセイ日経225インデックス投信」)の積み立てを月3万円、10年間の期間で始めたケースでは、直後にサブプライム問題とリーマンショックに見舞われている。その際にマイナス40%もの損失になりながら、まだ相場が回復していない2012年末には、早くも収益がプラスに戻っている(なお、購入は資金引き落としで自動的にされるので、いったん始めたらあとは“ほったらかし”で大丈夫だ)。
一方、一括投資では買いのタイミングが大きく影響する。上のケースと同じ「ニッセイ日経225インデックス投信」を2007年1月に一括で購入した場合は、積み立て投資よりプラスへの回復が遅く、その後の収益率も低いが、安値のときに投資できれば、一括投資のほうが有利になる。ただ、うまく安値のタイミングを狙って買うのは難しい。長期にコツコツ積み立てで投資することこそ、資産を増やす近道だ。
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。※1 投資信託本数は、各証券会社の投資信託サーチ機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合があります。 |