数ある「毎月分配型」の投資信託の中で、本当に実力のある商品はどれなのか? 「毎月分配型」の投資信託の調査で重視すべきなのは、「本当の利回り」「分配健全度」「分配余力」など。どれも見慣れない指標かもしれないが、いずれも投資信託の実力をあぶりだすのにもってこいだ。
ダイヤモンド・ザイでは、人気の「毎月分配型」投資信託100本の最新の実力を徹底調査する「買っていい×買ってはいけない 毎月分配型の利回り診断」特集を掲載。ここでは、「本当の利回り」「分配健全度」「分配余力」といった指標の価値を解説するとともに、投資家に人気の「毎月分配型」3銘柄の実力を抜粋して紹介する!
「減配のリスクが高い投資信託」を見抜く3つの指標
投資信託の利回りを計算する場合、販売会社では分子に「過去1年間の分配金の合計額」を使うケースが多い。でも、これでは本当の成績はわからない。もし1年間で基準価額が分配金合計額より下がっていたら、その分配金は元本が返還されているだけの「タコ足分配」で、いずれは減配や無配になるリスクが高いのだ。
そんな危ない投資信託を見分けるのに役立つのが「本当の利回り」。「基準価額の値下がり分を分配総額から差し引いた金額(正味の分配金)」を分子にして計算することで、無理な分配を行なっていないかどうかチェックできる。
「本当の利回り」に加え、投資信託自体が受け取った利子や配当が分配合計額のどれくらいを占めるかを示した「分配健全度」、現状の分配金がどれだけ続けられるかを示す「分配余力」(分配可能月数)のデータも重要だ。これら3つの最新データをチェックし、売却か保有継続かを検討してほしい。
【異なる3つの指標で分配金をチェックせよ!】 (1)本当の利回り (2)分配健全度(分配金の健全率) (3)分配余力(分配可能月数) |
人気の「フィデリティ・USリート・ファンドB」の実力を厳しく診断!
ここからは、「本当の利回り」などの指標で見たとき、投資家に人気がある「毎月分配型」の投資信託がどう診断されるか、結果を発表していこう。ダイヤモンド・ザイでは100本診断しているが、ここでは特に人気の3本のみ抜粋して紹介している。
なお、診断結果の見方は以下のとおりとなっている。
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それでは、一つ目から紹介していこう(※なお、各種データは2017年1月末時点のもの。販売会社の表記と色分けは、「オレンジ」が取り扱いあり。「赤」は販売手数料ゼロで取り扱いあり)。
まずは、純資産1位、つまり人気ナンバーワンの「フィデリティ・USリート・ファンドB」だ。
「フィデリティ・USリート・ファンドB」は、2016年11月に減配を実施。これにより、分配可能月数は改善されたものの、分配健全度は低い。「本当の利回り」のランキングは50位と、人気のわりには低めの順位にとどまった。
「ゼウス」「フィデリティ・USハイ・イールド」の実力は?
続いて、こちらも「毎月分配型」投資信託では人気度トップクラスの「ゼウス(新光US-REITオープン)」。
分配健全度が低い。「本当の利回り」は改善傾向ながら、順位としては58位と、やや残念な結果になってしまった。
最後に「フィデリティ・USハイ・イールド」だ。
米国経済の回復基調を背景に、米国の高利回り社債などに投資する「フィデリティ・USハイ・イールド」も利回りは大きく回復。「本当の利回りランキング」でも27位となっている。
なお、ここでは人気の3本の真の実力を紹介したが、過去1年における「本当の利回り」ランキングの上位10本は以下の記事で紹介しているので、そちらも参考になるはずだ。
【※関連記事はこちら!】
■「毎月分配型投資信託」本当の実力ランキング!人気の100本を「本当の利回り」で診断してわかったベスト10のうち7本に共通する投資信託の特徴とは?
■みんなが買っている投資信託をチェック! 投資信託おすすめ比較[2017]
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