貨物鉄道会社のCSXは
アメリカの23州で事業展開する老舗企業
CSX(ティッカーシンボル:CSX)のルーツは、1827年に創業された由緒あるボルチモア&オハイオ(B&O)鉄道にさかのぼります。その後、数回の合併を繰り返し、現在のCSXが出来上がりました。
今日、同社はフロリダ州ジャクソンビルに本社を置いており、ミシシッピ川以東の23州で事業展開しています。
保有期間者数4400台、貨車数6万5000台、コンテナ数1万8000本、ルートの総延長は2万1000マイルです。同社は、米国屈指の炭田のあるアパラチア山脈周辺の鉄道網が充実しているため、取扱貨物に占める石炭比率が高いです。
近年、シェール革命により安い天然ガスがふんだんに採れるようになったため、電力会社は石炭から天然ガスへの燃料の切り替えを進めており、CSXにとってアゲンストの風が吹いています。
マントルリッジLPから送り込まれた新CEOによる
「ジャスト・イン・タイム」経営の導入で大混乱
CSXは去年、「物言う投資家」と言われるマントルリッジLPから、玉集め(株式の買い集め)に遭いました。マントルリッジLPはCSXの業績を回復するため、ベテラン経営者、ハンター・ハリソンをCEOに据えることを今年3月に提案、取締役会はこれを承認しました。
ハンター・ハリソンは、過去にカナディアン・ナショナル・レールウェイ、カナディアン・パシフィック・レールウェイなどをターンアラウンド(事業再生)させた実績があります。
CSXのCEOに着任したハリソンは、余分な機関車を休眠させる、余っている操車場を閉鎖する、運航スケジュールを圧縮するなどの措置を通じ、「ジャスト・イン・タイム」の経営に乗り出しました。これは、既に彼が前述の企業のテコ入れで実証済みの手法です。
ところが、CSXがこの経営改革に乗り出した直後の5月頃から、同社の運航スケジュールが乱れ始め、時間短縮どころか大幅な遅延がインディアナポリス、ナッシュビルなどで発生しました。
このため、化学会社のケムアワーズ、レストランのマクドナルド、食品会社ケロッグなど、同社の顧客である無数の企業が影響を受けました。
この大混乱は、夏の間中続き、CSXの株価が足踏みする原因を作りました。
しかし先週、陸上運輸委員会の公聴会がワシントンDCで開かれ、5カ月間に渡るダイヤの乱れが、ようやく解消したことが報告されました。
【今週のまとめ】
来週に予定されている決算発表までが
CSX株の買いのチャンス!
CSXは10月17日(火)寄付き前に第3四半期の決算発表が予定されています。コンセンサス予想は、EPSが52セント、売上高が27.9億ドルです。この決算カンファレンスコールの中で、混乱の収束に関してコメントがあると予想されます。
さらに、10月30日にはアナリスト・デーがあり、今後の戦略についてプレゼンテーションがあります。
これらのイベントを通じて、投資家はCSXの経営危機が去ったことを悟ると思います。つまり、今はCSX株の買いチャンスだということです。
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