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「2兆ドル」の凹みに対して「8兆ドル」の穴埋めを行ったことで、
インフレ率は過去39年で最高レベルに到達し、FRBは対応を強化!
2020年に新型コロナウイルスの感染拡大により外出禁止令が出る直前、米国のGDPは約21.5兆ドルでした。しかし、新型コロナウイルスで経済がパッタリ止まってしまったことを受け、FRBは即座に政策金利をゼロに下げると同時に、債券買い入れプログラムを開始することで3兆ドルを市場に供給。加えて、米国議会は総額5兆ドルにのぼる景気支援予算を成立させました。
つまり、心臓発作を起こした米国経済に対し、巨額の資金を大胆に供給することで経済の大混乱を未然に防いだのです。
それらの処方が功を奏して、米国のGDPは2020年第2四半期の19.5兆ドルをボトムとして鋭角的に切り返しました。
現在のGDPは約24兆ドルです。上のグラフからもわかる通り、もう米国の経済は大丈夫です。むしろ、今は「ちょっと景気拡大のペースが速すぎるのでは?」ということを心配しなければいけない局面になっています。
米国政府は、2兆ドルのGDPの凹みに対して、合計8兆ドルの現金で「穴埋め」をしました。今は、そのような「やりすぎ」の景気支援の副作用により、足元のインフレは7%と過去39年で最高レベルに達しています。これは危険な水準です。下の平均時給のグラフからも、最近、賃金上昇のプレッシャーが強まっている様子が見てとれます。
賃金インフレはクセになりやすく、米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が最も警戒することです。
そこでFRBは、3月から利上げをするとすでに宣言しているうえ、6月前後から債券買い入れプログラムで購入した証券の在庫圧縮を開始し、向こう2年くらいかけて3兆ドル前後の資産圧縮を行う意図があることをシグナルしました。市場にだぶついている現金を吸い上げるわけです。
金融引き締めに向かっている今の市場では、従来とは真逆の
「成長株を売り、インフレに強い石油株を買う」戦略が有効に!
2年前、新型コロナウイルスの感染拡大で経済がパタリと止まったときは、上に書いたようななりふり構わない緩和が実施されていたため、低金利で恩恵をこうむる「成長株」を果敢に買い進むのが正しい投資戦略でした。
しかし、今は金利政策が引き締めに向かっているので、それと真逆のことをやらないといけません。つまり「成長株を売り、インフレに強い石油株を買う」のが正しいやり方だと思います。
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石油株といえば、大手のエクソン・モービル(ティッカーシンボル:XOM)やシェブロン(ティッカーシンボル:CVX)が真っ先に頭に浮かびますが、これらの銘柄は先駆けしてすでに上昇してしまったので、今日は、ちょうど動意づき始めた「旬な銘柄」として以下の3銘柄を紹介します。
・コンチネンタル・リソーシズ(CLR)
・ヘス(HES)
・シュルンベルジェ(SLB)
コンチネンタル・リソーシズ(ティッカーシンボル:CLR)は、シェール・オイルの生産会社です。ハロルド・ハムという「シェールの父」とも言うべき人が創業した会社で、主な生産地域はノースダコタ州のバーケンです。米国に数あるシェール企業の中でも、とりわけ石油に特化した会社です。チャート的には先週の2月4日にブレイクアウト(高値を突き抜けて値上がり)したばかりなので、買うにはちょうどいいタイミングだと思います。
⇒コンチネンタル・リソーシズ(CLR)の最新株価・チャートはこちら!
コンチネンタル・リソーシズ(CLR)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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ヘス(ティッカーシンボル:HES)は、南米のガイアナで新しく発見されたオフショア油田をエクソン・モービルと共に開発している企業です。この油田は、近年発見された油田の中では最も有望だと言われています。そのほか、メキシコ湾でもオフショア油田を保有しています。
ヘス(HES)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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シュルンベルジェ(ティッカーシンボル:SLB)は世界最大の石油サービス企業で、パリ、ヒューストン、ロンドン、ハーグなどに拠点を構える真のグローバル企業です。石油の探索では、地質や掘削に関する膨大なデータを駆使する必要がありますが、シュルンベルジェはそのようなデータ解析のためのソフトウェアを提供。油層の計測や評価、効率的な生産を助けるさまざまな作業をサポートします。
シュルンベルジェ(SLB)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【今週のまとめ】
インフレ下で値上がりが期待できる石油株のなかでも、
「新波動入り」をしたタイムリーな3銘柄に注目!
今、アメリカはインフレに苦しんでいます。新型コロナウイルスで経済がおかしくなったとき、中央銀行や政府が大盤振る舞いで景気支援をした反動で、今、経済がホットになりすぎているのです。
インフレ下では、石油株のパフォーマンスが良いことが経験則的に知られています。なかでもコンチネンタル・リソーシズ(CLR)、ヘス(HES)、シュルンベルジェ(SLB)の3社は、足元で“新波動入り”をした(新高値をつけた)ばかりなので、タイムリーな銘柄と言えます。
一般に相場が「新波動入り」すると、含み損を抱える投資家が1人もいなくなるので、需給関係としては売り物が減ります。そのため、「新波動入り」した銘柄は値運びが急に軽くなる場合が多いです。そうした面からも、上記の3銘柄はぜひチェックをしてみてください。
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