「投資信託」は銘柄選定も売買タイミングもプロにお任せで簡単。初心者にはもってこいの金融商品だ。でも、アナタの投資信託の選び方、ホントに大丈夫?
ダイヤモンド・ザイでは、特集「注目投信15本の激辛診断付き!投信選び 10の落とし穴」を掲載。前半では「投資信託選びで陥りがちな落とし穴&正しい対処法」を、後半では「注目投信の激辛診断」を紹介している。
誌面では、10の「投資信託選びの落とし穴&正しい対処法」を紹介しているが、今回はその中から2つを抜粋してみたい。
【投資信託選びの落とし穴(1)】
「現在の成績がいい」投資信託を選んでいる
「個別株を買うときは雑誌やネットで丹念に調べるけれど、投資信託となると、現在の成績のランキングで上位に来ている銘柄をなんとなく選んでしまう人がとても多いんです。でも、こうした人は失敗しやすいと言えます」(楽天証券経済研究所・ファンドアナリストの篠田尚子さん)
投資信託はとにかく数が多い。ネット証券大手では、2500本以上もの投信を取り扱っている会社もある。投資対象も、国内外の株や国債や社債、リート(不動産投資信託)、さらには商品や通貨など多岐にわたり、運用の仕方もさまざま。
もちろん、そのぶん「投資家のいろいろなニーズに対応できるようになっている」(ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦さん)わけだが、選ぶのは大変だ。ついつい「選び方を怠けて」(篠田さん)、足元で好成績を上げている投資信託のランキングに頼ってしまう気持ちもわからないではない。
ただ、投資信託は多種多様な投資先があり、値動きの大きさや価格の上下動の理由はそれぞれ異なる。現在好調なのは、たまたまその投資信託の特性が今の相場環境に合っているだけかもしれず、環境が変われば成績が急落する可能性は大きい。
投資対象別に投資信託の過去10年間の成績を見ると、その順位は目まぐるしく変わっている。2017年の成績第1位は「新興国株を投資対象とした投資信託」で23%以上も上昇しているが、2008年、2011年、2015年は最下位、しかも大きくマイナスだった。逆に、「Jリートを投資対象とした投資信託」は2017年こそ8%のマイナスで最下位だが、2010年、2012年、2016年は1位に輝いている。
「短期の上昇率は、そのときどきの“輪切り”でしかありません。運用報告書などで長期のグラフを見て、この投資信託の成績がどう推移しているのかを、調べることが重要です」(篠田さん)
短期の好成績に目を奪われてあとで泣く羽目にならないよう、長期の成績をしっかり確認しておきたい。
【投資信託選びの落とし穴(2)】
「多くの人が買っている」のが、いい投資信託だと思う
クルマや家電なら、人気があり売れている商品はコストパフォーマンスに優れた機種だといえ、間違いは少ないだろう。ただ、投資信託の場合は、そうしたモノ選びの常識は通用しない。
「投資信託を買うことは、いわばオーダーメイドの服をあつらえるのと一緒なのです。資産を増やしたいのか、今ある資産を減らしたくないのか、どの程度までリスクを取れるのかといった、個々人の目的や投資に対する姿勢に適した投資信託を選ばないと意味がありません」(深野さん)
下の図は、投資信託を投資対象別に、直近10年間の最大上昇率と最大下落率を示したもの。
右にいくほど上下の値動きは大きくなり、そのぶん、危機のときなどに大幅に下落するリスクは大きい。自分の投資の目的は何か、どれくらいリスクを取れるのかをキチンと把握して投資信託を選ぼう。
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。※1 投資信託本数は、各証券会社の投資信託サーチ機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合があります。 |