投資信託とは、多くの投資家から集めた資金をプロが運用・管理する金融商品のこと。プロにお任せになるため、投資経験の浅い初心者にはうってつけの商品だ。投資信託なら世界中の株や債券が手軽に買えるうえ、成果に応じて値上がり益や分配金を受け取れる。2017年から、少額の積立投資を始めたい人も、税金ゼロで老後資金を作る個人型確定拠出年金を始めたい人も、まずは基本となる投資信託のメリットや仕組み、選ぶコツを学ぼう!
Q1.投資信託の仕組みとは?
投資家から集めたお金をプロが運用!
その成果を分配金や値上がり益で還元
投資信託には、運用、販売、管理を分担する3つの金融機関が関わっている。その中で、投資信託を設定して運用するのが運用会社で、売買の窓口になるのが銀行や証券会社といった販売会社だ。
運用会社と販売会社の関係は、農家とスーパーのようなもの。トマト農家が良いトマトを育てて出荷し、スーパーがトマトを仕入れて販売するように、運用会社は預かり資産を育てて投資信託の魅力を高め、販売会社は取り扱う投資信託を決めて販売する。運用方針(育て方)が良く投資信託の成績(味)が高まれば、投資家(客)からの人気は高まる。
投資家が投資信託を販売会社で買うと、販売会社はそのお金を信託銀行(管理会社)に渡す。資産を安全に管理する信託銀行は、運用会社の指示で株や債券の売買も行なう。売買で生まれた利益は、分配金や値上がり益という形で投資家に還元される。
投資信託を始める際は、その投資信託の名前の複雑さに引っかかりがちだ。だが、頭に運用会社名が、その後に販売会社名や投資の対象、方法が来るというお約束を押さえておけば、わかりやすい。これさえ覚えておけば投資信託の中身を調べたり、取り扱いのある販売会社を知るのに便利だ。
Q2.どんな種類があるの?
株、債券、不動産など投資先の種類は豊富!
投資先により値動きの大きさやリスクが違う
投資信託は、投資先によって分類され、その投資先は世界中の株や債券、不動産などさまざまだ。そして投資する商品や国によって、期待できるリターン(収益)とリスク(値動きの激しさ)は変わる。
一般的にリターンとリスクが最も大きいのは株で、特に新興国株はハイリスク・ハイリターンだ。対照的に国や企業が発行する債券は、リスクが小さいがリターンも小さい。ただし、債券の中でも低格付けの企業が発行するハイ・イールド債券や新興国が発行するエマージング債券は、リスク、リターンともに高め。不動産は株と債券の中間と言える。
また、運用方法でも投資信託は2つに分類できる。
1つは、市場全体の動きを示す「指数」と連動した成績を目指す、低コストのインデックス型。指数とは、日本株で言う日経平均株価などにあたる。インデックス型は、新聞やニュースなどでも報じられる代表指数(日本株なら日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)など)に連動するため、値動きがわかりやすいというメリットがある。
もう1つは、指数を上回る成績を目指すアクティブ型だ。アクティブ型は、指数の成績を大きく上回る期待がある一方で、指数の成績を下回ることもあり、コストも高い。
Q3.コストはどのくらい?
買う時、保有中、売る時にコストがかかる!
ネット証券を中心に販売手数料ゼロも
投資信託は、買う時、持っている(保有)時、売る時の3回のコストがかかる。まず、投資信託を買う時にかかるのが販売手数料だ。銀行や証券会社といった販売会社に支払い、同じ投資信託でも販売会社によって手数料も異なることがある。
最近は、ネット証券やネット銀行などにおいてノーロード(販売手数料ゼロ)の投資信託が増えている。また、運用会社が直接販売する投資信託にもノーロードが多い。
投資信託はプロに運用を任せる金融商品のため、保有している間は運用に対するコスト(信託報酬)が毎日差し引かれる。複雑な仕組みや海外に投資するタイプでは、運用に手間がかかるため信託報酬は高め。当然、インデックス型よりもアクティブ型の方が信託報酬は高い。この信託報酬は、持っている間自動的に差し引かれている、目に見えにくいコストで長期で投資信託を保有するほど成績への影響が大きいので注意したい。
そして、売る時には信託財産留保額という費用がかかることも。投資信託を売却(解約)すると、運用会社は株や債券を売って現金を用意しなければならない。そのための売却手数料がかかるのだ。
今回は投資信託で積み立てや個人型確定拠出年金を始めるための基本の「キ」を紹介したが、もっとしっかりと投資信託のことを知りたいという人は、出来たてほやほやで今好評発売中の『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ザイと投資信託の窓口が作った投資信託のワナ50&真実50』をぜひ読んでみて欲しい。
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