「ブル・ベア型」の投資信託の、初心者が知っておくべき「基本」を紹介!
ダイヤモンド・ザイは、特集「ブル・ベア投信攻略法」を掲載! ブル・ベア型の投資信託は、日経平均株価などの株価指数に連動しつつ、指数より大きな値上がり益を狙えるのが特徴。特集では、商品ラインナップや値動きの仕方、注意点、ブル・ベア投資信託を取引する個人投資家の儲けワザなどを紹介している。
今回は、特集内から「ブル・ベア投信の投資のキホン」を抜粋。タイトルのとおり、ブル・ベア投信に投資するなら知っておきたい3つのポイントを挙げている。値動きの激しいブル・ベア投信に初めて挑戦する人、挑戦したものの失敗した経験がある人などは、ぜひチェックしてみてほしい!
【ブル・ベア投信の投資のキホン(1)】
株価が底打ちや天井をつけてトレンドが発生したときが好機!
リターンもリスクも大きいのが「ブル・ベア投信」。では、どのように投資すればいいのか? ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦さんは、投資は長くて数カ月の短期間にすべきという。
「日経平均株価など、株価指数が短期的に上がるか下がるかだけを予想しましょう。しかもレバレッジをかけているから、予想が当たればストップ銘柄をつかまえたときのような大きな利益が短期で取りにいけます」(深野さん)
ブル・ベア投信が大きく儲かるときは、トレンドが転換して、そのトレンドが一定期間長続きするときだ。
ブル型なら株価が底を打ったとき、ベア型なら天井をつけたときに買い、上昇または下落のトレンドが続いている間は保有しておく。そうすれば、上の図に示したように、指数の騰落率よりもはるかに大きな成果を手に入れることができる。
株の信用取引と違って決済期日がないので、ブル・ベア投信なら数年単位での長期保有もできる。だが、トレンドが一方向にずっと続くことは考えづらい。このため、利益が出たらあまり欲張らずに売却することも大切だ。
自身もブル・ベア投信を売買しているQUICK資産運用研究所の清家武さんは、「野球のバッターも、ボールが来たら必ず振らなきゃいけないわけじゃない。トレードしない期間も重要です」とアドバイス。確実に大きな利益を狙える時に投資できるように、普段から相場をよく観察しておきたい。
【ブル・ベア投信の投資のキホン(2)】
もみ合い相場では苦戦必至! 投資は控えるほうが無難
明確なトレンドが発生したときには利益を出しやすいが、逆に、株価が小幅な値動きを繰り返す「もみ合い相場」のときは、あまり儲けられなかったり、損する場合も。
「対象の指数が上昇と下落を繰り返すと、指数の日々の値動きの数倍動くブル・ベア投信はむしろ裏目。素直に指数に連動するインデックス投信のほうがよい場合もあります」(楽天経済研究所の篠田尚子さん)
実際、日経平均株価は、2018年5月初旬から8月中旬までもみ合い相場が続き、この間は0.86%の上昇率にとどまった。この間の3.7倍のブル型の上昇率は0.36%で、指数よりも悪かった。3.7倍のベア型は8%超下落した。
もちろん、もみ合い時も短期で売買すれば儲けることもできるが、それにはある程度の経験が必要。初心者は、もみ合い相場のときは「休むも相場」と割りきろう。
【ブル・ベア投信の投資のキホン(3)】
初めて投資するなら少額で! 投信だから100円から買える
ブル・ベア投信、特に高レバレッジのタイプは当たれば大きいが、外れれば大きな損失を抱えてしまうハイリスク・ハイリターンなもの。それだけに、篠田さんも「投資経験がゼロの人がいきなり手を出すべき商品ではありません」と釘をさす。
チャレンジするならできるだけ少額で始めたい。幸い、投信なので、1000円や500円、証券会社によっては100円から1円単位で投資できる。
「そうした少額で始めてみて、日々の値動きをよく観察していけば、次第にどんなときにどう動くかのアタリがついてきます。そうしてから、徐々に本格的に始められたらいかがでしょうか」(篠田さん)
じっくり取り組むことが肝要だ。
【ココに注意!】
ブル・ベア投信は高コスト! 購入手数料が高いので注意しよう
ここまで3つの基本ポイントを紹介したが、最後に2点、知っておきたい注意点を紹介。
まずはコストについて。何を隠そう、ブル・ベア投信は高コスト。他の投信はノーロード(購入手数料がかからない)にしている取引会社でも、ブル・ベア投信の場合は購入手数料がしっかり取られる。低コストの商品が多いネット証券でも、すべて1.08%に設定している松井証券以外は、投信によって1.08~2.16%の購入手数料がかかる(いずれも税込)。
入口のコストが高い、つまりスタート時点でのマイナスが大きいぶん、より確実に儲けられるように売買時期や投資期間は吟味したい。
次に、ブル・ベア投信を選ぶ際のポイントになる「レバレッジの倍率」について。ブル・ベア投信の目論見書には「指数の日々の騰落率のおおむね○倍程度になることを目指す」とある。
つまり、レバレッジの倍率はあくまで「目標」なのだ。
指数先物の売買状況などによって必ずしも倍率どおりになるとは限らないし、追加設定や解約などによる純資産の大幅な増減で、レバレッジとは大きく異なる一時的な調整を行う場合もある。
この点を踏まえて、商品選びに慎重になることが重要だ。
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