オンリーワンの技術で株価は20年で20倍!
株式会社技研製作所(6289)の紹介です。
同社の株価は10年で10倍になりました。20年では20倍になりました。世の中の課題を解決できるオンリーワンのソリューションを提供できる典型的な企業です。
圧入技術を利用した世界初のくい打ち機「サイレントパイラー」を1973年に開発。土木建築現場の騒音問題を解決した企業です。静かなため夜間の操業も可能であること、地中に打ち込んだ杭を足場にするため工事スペースが小さいこと、そして、自動化が可能なため、人手不足の影響を受けないことなどから、圧入システムを用いた土木建築方式が徐々に本邦にて普及しています。
地球温暖化の影響か、海面の温度が上昇し、台風が大型化。各地で自然災害を引き起こし、今年も尊い人命が失われました。日本の河川は土堤という土を盛った昔ながらの土防で守られており、盛り土に小さなクラックが入ると一気に崩れてしまいます。河川の氾濫の多くは支流が本流にブロックされて逆流するバックウォーター現象です。経済発展の過程で、地価の安い低地の宅地開発が進んだため、川の底よりも人家の方が低くなっている地域が大きな水害を受けます。
この土堤をいくら予算をつけて整備しても、崩壊しやすい構造であり、無駄になります。スーパー堤防は堤防隣接の多く住民の立ち退きが必要ですが、インプラント堤防は場所を取らないため、住民の立ち退きの必要もありません。インプラント工法で杭を打つことで、崩れない堤防ができます。ですが、行政は今さら、時代遅れの土堤をインフラ整備の主軸に置いているのです。せっかく血税で土堤を整備しても崩れてはつくるの繰り返し。圧入を利用したインプラントで堤防を整備すればつくれば崩れることはありません。圧入技術を使えば、インプラント堤防を毎年整備していけば、永遠に国民にとっての財産、つまり「積立貯金」となるのですが、今の盛り土の堤防のままでは国民の命を守る堤防は「穴の空いたバケツ」です。
土堤ではなくインプラント工法で杭を打つことで「崩れない堤防」を作る
株式会社技研製作所はブルーオーシャンの作り方に長けた企業です。決め手は科学による合理的なエビデンスの力です。自然の摂理は科学の力で分析できます。
ケンブリッジ大学と1994年から共同研究を開始、他の大学も参画し、国際圧入学会が地元の高知県で開かれるようになりました。学会では世界中の災害を圧入技術でどう防げるかについて議論が進み、関連論文も多数発表されています。緊急を要するのは、河川堤防だけではなく、地盤が崩れる可能性があるところすべての箇所です。
津波対策、橋梁の補強、ため池の保全、土砂崩れ防止、コンビナート事故の未然予防、地震による都市部の陥没の防止、液状化対策などです。要は、地盤が崩れると、構造物はひっくり返ってしまう。津波で堤防が倒れてしまう。橋もコンビナートも地盤がすべると倒れてしまう。そうなると大災害です。コンクリートを置くだけ、土を盛って上からコンクリートで固めただけのインフラでは、地盤変動の力には勝てないのです。ありとあらゆる災害のパターンを最先端シミュレーションを用いて科学的な裏付けをとり、同社では新しい工法を次々と提案しています。最先端の科学の力、学問の力を利用しつつ、行政にも新工法の認可を働きかけます。
行政に圧入工法を認可させるために業界団体が設立されています。それが全国圧入協会です。
慣習や風習や法律の壁を打ち破るのは科学によるエビデンスです。行政は新しい工法に及び腰ですが、合理的な説明と科学的裏付けがある新工法を認めないわけにはいきません。新しい工法を独占するから他は真似ができません。同社の価格支配力が高まります。この勝ちパターンを確立し、国内市場を開拓しているのです。そして、機が熟したため、今後は海外にこのパターンを転用していく方針です。
新しい工法はまず、技研製作所の子会社である技研施工が現場でブラッシュアップをして先陣を切ります。開発は、学会や大学とも連携します。圧入の技術領域は知財IPC番号ではE02D7ですが、この領域で技研製作所は圧倒的なシェアの特許を固めています。製造は委託しファブレスです。結果として、サイレントパイラーの国内シェアは97%となりました。海外にも類似の装置はありません。
誰もやらないから、それがブルーオーシャンとなるのです。営業利益率は20%程度ある優良企業です。
海外展開で業績拡大が見込める
技研製作所から世界初の圧入技術を用いた工事が数多く生み出しています。かつては、打てる杭の種類や地盤が限られていましたが、毎年のように杭と対応できる地盤の種類が増えているのです。売上高がこの数年で3倍程度になり、国内でも技研製作所のインプラント工法の存在感が高まりました。そうはいっても、まだ、全体の土木や建設工事に占めるインプラント工法の割合は非常に少なく、普及の余地は大きいのです。
この数年、海外展開を見据えた海外拠点の整備が進んでいます。スーパー台風や海面の上昇や河川の氾濫に悩むのは日本だけではないからです。たとえば、オランダは、国土が沈んでしまうかもしれない。国を覆う堤防を高くするための工事が予定されています。技研製作所の海外戦略は、まず、建設コンサルタントを重点的に営業し、新工法の採用を目指します。
同社の売上はまだ400億円に満たないのですが、すでに数兆円の企業の風格があります。同社には建設業界を魅力ある業界にできる地力があります。
20年で20倍になった株価ですが、今後20年でやはり20倍程度になる実力があると考えます。世界中が欲しがるソルーションを提供できるからです。100年後が楽しみな企業です。100年後に株価は3000倍ぐらいになっていても不思議ではありません。
(DFR投資助言者 山本潤)
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