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今週の日経平均株価は、一時4万3876円まで上昇するも
その後はパウエルFRB議長の講演を控えて持ち高調整の売りが強まる
今週(8月18〜22日)の日経平均株価は下落し、最終的に先週末と比べて745.02円(1.72%)安い4万2633.29円で終えました。

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前週までの強い相場展開が今週に入っても続き、8月19日には一時4万3876.42円まで買われました。しかし、19日にソフトバンクグループ(9984)が上場来高値を更新後に下落に転じたほか、値がさハイテク株への持ち高調整の売りが強まり、日経平均株価の重荷になりました。
週の中盤以降は、8月22日に米国の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でパウエルFRB(米・連邦準備理事会)議長の講演が控えていることから、米国市場では調整色が強まり、この影響を受けた東京市場も売りが優勢となりました。
米国では、消費者物価指数(CPI)など最近の経済指標の結果や、ベッセント財務長官の利下げ発言などもあって、9月の米・連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率が上昇し、通常の2倍となる「0.5%の利下げ」を織り込む動きも見られました。一方で、パウエルFRB議長は利下げに慎重姿勢を見せているため、ジャクソンホール会議での発言を前に持ち高の調整が進んだようです。
また、トランプ大統領が8月15日、半導体関税について近く発表すると述べたこともハイテク株の売りにつながったと見られます。
来週の日経平均株価は、パウエルFRB議長の講演で利下げを
示唆する発言が出た場合、買い戻しの動きが強まる展開に
【来週の日経平均株価の想定レンジ】
4万1500 ~ 4万3500円
来週(8月25〜29日)の日経平均株価ですが、週初は8月22日のパウエルFRB議長の発言を受けた米国市場の動向に影響をされそうです。
パウエルFRB議長の講演では、FRBが金融政策を緩和し、政策金利を引き下げるかどうかについての見通しが示されると見られています。米国市場では9月の利下げ予想が一時9割を占めていたので、もし利下げに慎重な金融政策スタンスを強調するような発言があれば波乱の展開が警戒されます。一方で、利下げを示唆する発言がされるようだと、今週の調整に対する買い戻しの動きが強まりそうです。
そのほか、来週にはトランプ政権による半導体関税が発表される可能性があるので、足元で調整している半導体株のアク抜け(悪材料の出尽くし)感の強まりに期待したいところです。
【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
AppBankが+333.33%で値上がり率トップ!
ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。
今週の値上がり率ランキング1位のAppBank(6177)は8月18日、東京大学発のAIスタートアップである2WINSおよびAppBankの資本業務提携先であるPLANAと、企業や大学など教育機関向けのAIソリューションの開発契約を締結したと発表。これを手掛かりに連日のストップ高で急伸しました。
値上がり率2位はアステリア(3853)。8月17日、金融庁が今秋にも法定通貨に価値が連動する円建てステーブルコインの発行を国内ではじめて認め、さらにフィンテック企業のJPYCを資金移動業に登録すると報じられました。アステリアはJPYCに出資していることが材料視され、ストップ高を交えて上昇しました。
値上がり率3位は堀田丸正(8105)でした。8月6日に米国のデジタル資産サービス企業Bakkt Opco Holdingsが堀田丸正の株式30%を取得し、ビットコイン投資を行うと発表しており、今週も引き続き投機資金が向かったようです。
一方、今週の値下がり率ランキング1位は創建エース(1757)。東京証券取引所が8月18日、創建エースの上場廃止を決定し、整理銘柄に指定すると発表したことで売られました。
値下がり率2位のアトラグループ(6029)は、前週には決算を手掛かりに大きく買われましたが、今週に入って換金売りが強まったようです。
■今週の値上がり率 トップ5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | +333.33 | AppBank(東G・6177) |
2 | +155.04 | アステリア(東P・3853) |
3 | +134.21 | 堀田丸正(東S・8105) |
4 | +109.66 | 京都きもの友禅ホールディングス(東S・7615) |
5 | +107.64 | インタートレード(東S・3747) |
■今週の値下がり率 ワースト5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | −53.85 | 創建エース(東S・1757) |
2 | −29.55 | アトラグループ(東S・6029) |
3 | −27.37 | ホリイフード(東S・3077) |
4 | −21.50 | キッズウェル・バイオ(東G・4584) |
5 | −21.25 | ジェリービーンズグループ(東G・3070) |
■今週の出来高 トップ5 | ||
順位 | 出来高(株) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | 1,158,646,400 | ジャパンディスプレイ(東P・6740) |
2 | 696,839,400 | NTT(東P・9432) |
3 | 586,692,900 | ランド(東S・8918) |
4 | 469,921,200 | 東京電力ホールディングス(東P・9501) |
5 | 273,581,400 | ソフトバンク(東P・9434) |
【来週の主要イベント】
米国の個人消費支出、ドイツの消費者物価指数、
米・エヌビディアや米ベスト・バイの決算に注目!
来週は以下のようなイベントが予定されています。
<8月25日(月)>
◆6月景気先行指数/一致指数改定値
◆独8月IFO企業景況感指数
◆米7月新築住宅販売件数
<8月26日(火)>
◆7月企業向けサービス価格指数
◆米7月耐久財受注
◆米6月住宅価格指数
◆米6月ケース・シラー米住宅価格指数
◆米8月リッチモンド連銀製造業指数
◆米8月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
<8月27日(水)>
◆決算:ダイドーグループホールディングス(2590)
◆独9月GFK消費者信頼感調査
◆米MBA住宅ローン申請指数
◆決算:エヌビディア(NVDA)
<8月28日(木)>
◆欧8月消費者信頼感
◆米4-6月期四半期実質国内総生産(GDP)改定値
◆決算:ベスト・バイ(BBY)、ギャップ(GAP)
<8月29日(金)>
◆決算:トリケミカル研究所(4369)
◆7月失業率
◆7月有効求人倍率
◆8月東京都区部消費者物価指数(CPI)
◆7月鉱工業生産
◆7月百貨店・スーパー販売額
◆7月新設住宅着工戸数
◆独8月失業率
◆独8月消費者物価指数(CPI)速報値
◆米7月個人消費支出(PCE)
◆米8月シカゴ購買部協会景気指数
◆米8月ミシガン大学消費者態度指数 確報値
【来週の注目銘柄】
「サカタのタネ」「アルコニックス」「フルキャストホールディングス」の3銘柄をピックアップ!
来週、注目したい銘柄は、この3つです。
サカタのタネ(2025年8月22日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
水産・農林業 | 東P・1377 | 3700円 | 17.7倍 | 0.99倍 |
気候変動に対応した耐候性品種やハウスの環境制御システムを展開 種苗会社の大手。研究開発型の企業で、優れた花や野菜の品種を開発するためグローバルな研究体制を構築しています。なかでも、新しい品種をつくり出す「育種」が大きな強みです。また気候変動に対応し、耐候性品種の花や野菜の開発や、ハウスの環境制御システム「アルスプラウト」などのソリューションビジネスを推進しています。株価は4月以降、上昇トレンドが続いており、8月22日には年初来高値を更新。長期的な下落トレンドからの転換が期待されます。 |
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アルコニックス(2025年8月22日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
卸売業 | 東P・3036 | 2150円 | 11.9倍 | 0.94倍 |
中国政府のレアアース輸出規制により、国内リサイクル事業の拡大に期待 アルミや銅などの金属材料やレアメタル、レアアースなどを扱っており、商社機能と製造機能を併せ持っています。中国政府が4月にレアアースの輸出規制の強化を発表して以降、日本国内ではレアアースを含む部品の調達が滞る企業が出てきています。そんな状況のなか、アルコニックスは都市鉱山の活用など中国依存を低減させる取り組みを進めており、国内リサイクル事業の伸びが期待されます。株価は、足元で強い上昇トレンドが続いており、2018年2月の高値2690円が意識されます。 |
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フルキャストホールディングス(2025年8月22日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
サービス業 | 東P・4848 | 1790円 | 11.3倍 | 2.10倍 |
8月8日に光通信と投資事業に関する新会社の設立を発表 人材紹介・派遣サービス「フルキャスト」を運営しており、短期系人材サービスを提供する短期業務支援が主力となっています。新業態として「らあめん花月嵐Premium 銀座コリドー店」や「札幌味噌ラーメン岳」などの飲食事業を展開。また、インターネット回線販売事業では、代理店網を活用した販売が好調です。8月8日に、事業拡大のため投資事業にノウハウを持つ光通信(9435)と共同で新会社を設立することを発表しました。株価は強いトレンドをみせており、5月12日の高値1864円突破に期待。 |
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【※今週のピックアップ記事!】
⇒「サイバーセキュリティ」関連銘柄を解説! AIを悪用した次世代型コンピュータウイルス「LAMEHUG」登場で企業はより高度なセキュリティ対策の導入が必至に!
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