普通の感染症になりつつあるCOVID-19
日本の70歳以上の人口は2018年の統計によると約2600万人おり、そのうち年間で約120万人が死亡します。その割合は約4~5%です。長寿社会と言えど、70歳を超えると、50人のクラスメートのうち、毎年2人ぐらいは死亡してしまうのです。肺炎による年間の死亡者数は約10万人です。肺炎による死亡はがんや心疾患に次いで上位を占め、致死率も70歳才以上で約5~10%と高いです。一方、国内におけるCOVID-19による70代の致死率も8%と高いです。
COVID-19への対応で、日本が世界と比べて優れているのは、高齢者を含めて死亡者数が少ないことです。今も自粛政策によって医療崩壊を回避し、死亡者数の増加を抑えています。今後の注目は、アビガンなどの投与で致死率を下げられるかです。全国の病院からアビガンが効くとの表明があり、期待できます。ただ、アビガンも特効薬ではなく、風邪にも特効薬はありません。
結核による死亡者が今も存在するように、病気を完全に封じ込めることはできません。大事なのは医療崩壊を起こさず、治療や薬が行き届くようにすることです。政府の自粛政策は効いていると思います。COVID-19は普通の感染症になりつつある段階に到達し、4週間後には経済活動が再開されると考えます。
長期投資は保有し続けるだけで報われる
短期的な経済動向が悪化することが100%分かっていることに不安になる必要はありません。投資の世界では、それはリスクとは言いません。不確実ではなく、確実に悪くなるのですから。誰もが分かる事象を心配し、投資に後ろ向きになっていてはもったいないです。株価が上がる時や下がる時、景気や業績の良い時や悪い時を確実に当てられないからこそ投資なのです。リスクがあるから余裕資金の半分以下での投資をお願いしているのです。
長期投資理論を勉強した方なら、単年度の業績が株価に占める割合はわずかであること、また悪い時にこそ投資することが良いことを知っているはずです。相場師を目指すならトレンドを当てる必要がありますが、長期投資は応援したい企業の株を保有し続けるだけで報われます。今回のような危機で含み損がある場合でも少し経てば株価がみるみる含み益になることは、特別ではなく、よくあることです。
一人一人が長期投資の伝道師に!
DFRの目的はもちろん、会員の資産を増大させることです。しかし、それだけではありません。企業を10年間応援し続けることで、投資先の会社から大いに感謝されるでしょう。もしかしたら、十年後には、会員の中から投資先企業の社外取締役やコンサルタントになったり、株式アナリストとして活躍する人も出てくるかもしれません。何より、一人一人が長期投資の伝道師になってくれる。
長期投資家になれば、株価が下がると思っても、あえて売らないという覚悟ができます。それは株価ではなく、社会を見つめられるからです。私たちのような長期投資家が少し増えると、今回のような危機が再び起きた際、東証マザーズがTOPIXより急落するという情けない事態は起きないでしょう。長期投資のオピニオンリーダーが育つことで、株価に一喜一憂しないマーケットに近づく。その時、初めて、貯蓄から投資への社会現象は起こるのです。
私たちは自身の長期利益を最大限求めつつ、日本を米国市場に負けない良質な株式市場にするという社会的な使命があります。恐怖を広めず、勇気を広めるサービスを目指しています。懸念を伝播させるよりも、身近な人々を応援する。人類の叡智を信じ、より良い未来を子孫に残す。そのための投資でなければならないと思うからです。
こういうことばかりいうと「10年間で資産10倍はどうなった?」とご心配する会員の方々も多いのですが、それはそれ。しっかりと忘れてはおりませんのであしからず。
(DFR投資助言者 山本潤)
この連載は、10年で資産10倍を目指す個人のための資産運用メルマガ『山本潤の超成長株投資の真髄』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、週2回のメルマガの他、無料期間終了後には会員専用ページでさらに詳しい銘柄分析や、資産10倍を目指すポートフォリオの提案と売買アドバイスもご覧いただけます。山本潤氏の新刊が発売『初心者でも勝率99%の株ポートフォリオ戦略』。