「勝者のゲーム」と資産運用入門

-日本株のトップアナリストによる銘柄分析-
業績急回復中のベクトル(6058)を長期で買い推奨。
今後2年間で目標株価2000円を目指す。太田忠の勝者のポートフォリオ 第4回

2021年11月1日公開(2022年3月29日更新)
太田 忠
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業績急回復のベクトル(6058)は、今後2年間で株価2000円を目指す

 ネット媒体を得意とする企業PR・コンサルティング会社のベクトル(6058)を長期で買い推奨としたい。同社の直近の株価は1291円(10月29日終値)。目標株価は今後2年間で2000円とする。

 同社は、1993年に創業者である西江会長が関西学院大学在学中に若者向けSP会社として起業。その後、商品PRを支援して急成長し、独立系PR会社としては大手に。特にマーケティングを重視した「戦略PR」を掲げ、テレビ・新聞・雑誌のほかSNSやブロガーなどネット媒体の活用手法に強みがある。ニュース配信や映像制作も手掛けている。2011年に上海現法を設立。香港、インドネシア、タイなどにも展開しておりアジア開拓に意欲。外国人持ち株比率が14.5%と小型株としては比較的高い。 

2012年3月に上場以来、2018年9月に高値。株価は21倍に

 同社はそもそも高成長銘柄であり、2018年2月期まで9期連続で最高益を記録。2012年3月に上場し、株価は当時の130円レベルから2018年9月には上場来高値2750円を付けた。この間の営業利益は4.9億円から30.3億円へと6.2倍に成長、株価は実に21倍となった。

 2019年2月期も大幅増益予想で期待されていた。売上高は+47.8%増と好調だったものの、M&Aに伴う暖簾代の償却費の増加やPR事業で収益が未達となり営業利益は-15.0%と減益。それによって株価は900円台まで急落した。そしてコロナショックにより再度急落して2020年3月には517円の安値を付けた。その後、ようやく戻り歩調となっており、現在は1200円台を回復している。

 高成長銘柄が一度でもマーケットや投資家の期待を裏切ると大きな洗礼を受ける。同社の株価は高値まで21倍になった後、安値ではそこから実に81%も下落した。しかしながら、足元の業績は大きく復調。2022年2月期の期初業績予想は売上高477億円(前期比+28.0%)、営業利益40億円(同+72.8%)で、2Qにおいて上方修正され営業利益は48億円(同+107.4%)となっている。既存事業の好調に加えて、新規事業への投資額を選択と集中によりコストを抑制したことが要因だ。営業利益48億円は2018年2月期の過去最高益30.2億円を大きく上回り、一気に突き抜ける格好だ。

目標株価2000円の根拠は?

 過去3年間の実績PERの高値平均は136.1倍、安値平均は50.6倍だ。現在、2022年2月期予想ベースのPERは28.8倍であり、安値平均を大きく下回る水準までディスカウントされている。通常、小型・グロース株におけるPERは40倍程度まで買われるケースが多いが、仮に今期ベースの収益力で40倍の評価をすれば1678円。来期以降の増益が見えてくれば第一関門として突破できるレベルである。今期の107.4%の営業増益に続いて来期も20%程度の営業増益を実現できれば株価は2000円となる。したがって、今後2年間での目標株価は2000円とした。

 すでに営業利益の水準は最高値2750円を付けた当時を大きく上回っており、同社に対するマーケットの期待が高まれば、この水準をクリアすることは十分にありうるシナリオである。PR市場自体は拡大しており、PRWeekにおいてアジアNo.1企業に選出され、次の目標として世界No.1を目指している。広告業界にも進出しており「成長」という側面において非常に優位なポジションにあると言える。

「勝者のポートフォリオ」でベクトルの買い増しを助言

 10月15日、2022年2月期2Qの上昇修正を伴った決算発表後、翌日の10月16日には高値1330円(前日比13.2%高)まで買われた。好決算を素直に評価した株価の動きと言える。その後は短期的な利益確定売りで1198円まで下落したものの、下げ止まり感が出て10月28日には反転の兆しが出てきている。ようやく利益確定売りが一巡したと判断し、現在運用中の「勝者のポートフォリオ」で同社の買い増しを助言した。

(DFR投資助言者 太田忠)

ベクトル(6058)/月足・20年(出典:SBI証券公式サイト)

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