「勝者のゲーム」と資産運用入門

「ちょっとの利益で売却した」銘柄ほど上昇する!凡人投資家と好成績投資家を決定的に分けるリスク管理の手法とは?-ワンランク上の投資家になるための投資講座-太田忠の勝者のポートフォリオ 第8回

2021年12月1日公開(2022年3月29日更新)
太田 忠
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

凡人投資家と好成績投資家との決定的な差はどこにある?

 株式投資をしていると、必ず直面するのが含み損の問題である。最初に言っておくが、どんなに好成績を上げている投資家だって、10銘柄に投資すれば確率的には同じくらいに含み損が発生しているかもしれないのだ。個別銘柄投資で10割バッターなどもちろんいないし、7割バッターになることだって正直なかなか難しい。

 では、あなたと好成績投資家との差は何だろうか? それは損失に対する対処の仕方の違いにある。

 多くの個人投資家たちは損失を回避したいという気持ちを持っている。しかしながら、損失を抱えた場合にそのポジションをなかなか解消できない。「含み損を抱えた株式を長く保有する傾向」があると同時に、「含み益の出ている株式を早く売却する傾向」を本質的にもっている。株式投資をすでにおこなっている皆さんなら、ほぼ全員がうなずいてくれるはずだ。さる統計データによると、株価の上昇した銘柄は下落した銘柄に比べて、約70%も売却されやすいそうである。

損小利大すべきだと思ってもできない理由は?

 それは、人間の心の中で「利益と損失が非対称形をなしている」からである。いきなり「非対称形」と言われてもピンとこないかもしれない。分かりやすく言えば「100万円の利益が出た時の心の喜び」より「100万円の損失が出た時の心の苦痛」の方が大きいからだ。

 だから、損失銘柄には「すぐに回復するのでは」という甘い期待を抱きやすい。苦痛が癒えるまでは、とにかくじっとしていたくなる。だが、そんな自分都合な期待はことごとく打ち破られる。そういう銘柄に限って、さらに株価はどんどん下落してゆく。

 一方、「ちょっと利益が出たから売却しよう」という銘柄は、売却後に本格的にどんどん上昇することが多い。「何であんなに早く売ったのか」と大きく後悔することになる。

 保有し続ける含み損のある銘柄からは平均以下のリターンしか上がらず、売却してしまった銘柄はその後すばらしいパフォーマンスを上げる。これぞ、紛れもない真実である。私はピアノを弾いたり、自分の演奏用に作曲や編曲もやるのだが、「買ったとたんに急落、売ったとたんに急騰」という曲を昔作ったことがある。ほとほと自分がマーケットから見放されていると思う瞬間を嘆いた曲だ。笑うに笑えない。

含み損を抱えて動けなくなった時にどうするか?

  こういう時、絶妙の発想転換がある。それは含み損のある銘柄を早々に切って、その銘柄以上に価値のある銘柄、すなわち含み益が出ている銘柄に乗り換えることである。

 あなたは言うかもしれない。「含み損のある銘柄を切ることができないんですよ。損失を出すなんて耐えられない。保有銘柄はすべて利益を出さないと気がすみません」うーん、これでは負け組の投資家確定である。こういう投資行動では、損益がマイナスの保有銘柄ばかりが次々に増えることになる。

 もし、「含み損のある銘柄」よりも「含み益のある銘柄」のパフォーマンスの方が良いのなら何も躊躇することはない。含み損からおさらばしてせいせいするのと同時に、即、含み益の状態になるのだ。含み損を抱えたまま苦痛を引きずるのと比べて、精神衛生上どちらがよいのかは明白だ。

「勝者のポートフォリオ」が実践するリスク管理を学ぼう

 株式市場は昨日まで起こっていたことがウソのように消滅し、その反対のことが突然起こるという世界である。「株式市場は非日常の世界」はもうすでに述べた。ふだんは順調に社会生活を送り、まっとうな社会人として生きている人々にとっては、理解しがたい激変が襲ってくる。

 「そのうち何とかなるだろう」と思っていると、何ともならず手遅れになる非情な世界が株式市場である。だから、株式市場の世界では常識的かつ穏健な行動こそ「命取り」につながるのだ。特に成長株投資において投資ストーリーが崩れた時など目も当てられない。

 では「含み損銘柄」をどういうタイミングで売却すればいいのか?これはまさしくリスク管理の発想になる。このリスク管理型のポートフォリオこそが「勝者のポートフォリオ」が実践しているやり方である。有料メルマガ会員は実際のポートフォリオでその概要を認識していると思うが、その投資手法については今後詳しく説明していくことにしたい。

(DFR投資助言者 太田 忠)

 

国内外で6年連続アナリストランキング1位を獲得した、
トップアナリスト&ファンドマネジャーが
個人投資家だからこそ勝てる

「勝者のポートフォリオ」を提示する、
資産運用メルマガ&サロンが登場!

老後を不安なく過ごすための資産を自助努力で作らざるを得ない時代には資産運用の知識は不可欠。「勝者のポートフォリオ」は、投資の考え方とポートフォリオの提案を行なうメルマガ&会員サービス週1回程度のメルマガ配信+ポートフォリオ提案とQ&Aも。登録後10日間は無料!

太田忠の勝者のポートフォリオ

10日間無料 詳細はこちら※外部サイトに移動します


「勝者のゲーム」と資産運用入門 バックナンバー

»もっと見る

【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2022年の最強クレジットカード(全8部門)を公開!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

「株」全予測
人気株500激辛診断
優待年末年始

2月号12月20日発売
定価780円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[「株」全予測/人気株500激辛診断]
◎新春特別企画
2024年に儲けた株&損した株も大公開!
桐谷さんのゆく年くる年

2025年も全力優待ライフ
◎第1特集
2年目NISAの必勝法!
112人のプロに聞いた!
2025年「株」全予測&儲け方

●日経平均は5万円へ!日本株の高値・安値予測
●生成AIブームも半導体は苦戦!
上がる株・下がる株
●国内利上げで銀行・金融が有望!
上がる業種&テーマ
●中央銀行の買いが継続!金(ゴールド)
●トランプ政権下でも下落傾向!原油
●ドル円は年後半に140円台に!為替
●オルカンの次に買う1本も!投資信託

◎第2特集
買っていい10万円株は97銘柄!
<2025新春>人気の株500+
Jリート14激辛診断

●投資判断に異変アリ!
買いに躍進!》トヨタ自動車、ホンダ…など
強気に転換!》ソニーグループ…など
●儲かる株の見つけ方[1]旬の3大テーマ
通期で上ブレ期待/AI関連で恩恵他
●儲かる株の見つけ方[2]5大ランキング
PBRが低く改善に期待の株/アナリストが強気な株/配当利回りが高い株
●2025年新春のイチオシ株
10万円株/高配当株/株主優待株/Jリート
●気になる人気株
大型株/新興株/Jリート

【別冊付録】
増益割安株は1178銘柄
上場全3916社の最新理論株価

◎第3特集
トランプ政権下でどうなる!?
人気の米国株150診断
●S&P500指数をプロが大予測

●Big8を定点観測!GAFAM+αを分析!
●買いのオススメ株
トランプ株/高配当株
●人気の124銘柄を徹底診断
ナスダック/ニューヨーク証券取引所

◎第4特集
ザイクラブ拡大版!2024年はどうだった?
ザイ読者の悲喜こもごも&2025年の投資戦略
ザイ編集部員のプチ反省&自慢大会も!


◎連載も充実!

◆目指せ!お金名人
◆10倍株を探せ!IPO株研究所2024年10月編
◆おカネの本音!VOL.29兒玉遥さん
◆株入門マンガ恋する株式相場!
◆マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
◆人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ!


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報