日経平均株価は4月23日に2万252.12円まで上昇しました。終値は2万187.65円と、終値ベースで約15年ぶりの高値を付けました。
一方、同日の日経ジャスダック平均株価の終値は2563.95円と、連日で年初来高値を更新し、2006年5月中旬以来、約9年ぶりの高値を付けました。その後、日経平均株価が利益確定売りに押され、やや調整気味に推移する中、日経ジャスダック平均株価は高値追いを続け、27日にはザラ場高値2578.35円を付け、終値は2576.46円と、5日続伸です。決算本格化を控え、主力株を手掛けにくくなる中、小型の内需関連株の多いジャスダック市場への資金流入が加速した格好です。
また、米ナスダック指数が23日に5056.063ポイントで取引を終え、00年3月の高値5048.62ポイントを上回り、約15年ぶりに最高値を更新したことも、日経ジャスダック平均株価に追い風となりました。
暴落は海の向こうからやってくる
さて、目先の相場ですが、ゴールデン・ウィーク突入ということで、商いは細り、相場全体の方向感は出難いとみています。アクティブ個人は、個別銘柄の値幅取りをゲリラ的に行うでしょうが、全体的には静かな相場が継続する見通しです。その傾向は、4月24日あたりから顕著に出ています。
なぜなら、週末24日のアクティブ個人好みの銘柄群は「寄り付き天井銘柄」が多く出現した感が強いからです。ゴールデン・ウィーク前に、買い方のポジション調整の売りが断続的に出た結果でしょう。この傾向は、週明け27日の相場でも続いたように感じます。
相場格言や相場関連の本の題名に、「あせるな相場は明日もある」「あせるな兜町は明日もある」というのがあります。
投資で成り上がりたいなら、これらの言葉を噛み締めるべきです。特に、これは「ポジション管理」に言えることです。投資家が、腰を据えて株を持てる時と、そうではなく、半身に構えている時とでは、株式の保有比率をフレキシブルに調整するべきです。
現在は、大型連休中に何が起こるかわからないから、リスクに対して敏感な投資家は半身に構えています。よって、このような投資タイミングでは、成り上がりたいあなたは、株式保有比率を低下させるべきです。基本はデイトレに徹し、日計りで収益確保を目指し、宵越しの買い持ちを極力しないようにするべきなのです。
ちなみに、暴落は多くの場合は欧米発であり、大抵の日本人が安眠を貪っている間に海を渡ってやってきます。日本が大型連休で東京市場が休場なのに、想定外の悪材料が海外で発生したら、投資家は日本株を売りたくても売れません。この売りたくても売れないという「流動性リスク」に対して、株式投資で成り上がりたいあなたは敏感になるべきです。
よって、ボクシングに例えるなら、今は軽くジャブを打ってポイント(収益)を確保し、KO狙いの腰を入れたストレートは、ゴールデン・ウィーク明けに狙いすまして、ぶち込めばよいでしょう。
つまり、本格的な株式投資は5月8日から再開すればよく、それまではポジションを軽くして、「換金売りナイアガラ」に巻き込まれないようにしておくことが重要です。
日経平均の25日移動平均線の向きに注目せよ
はやいもので、もう4月が終わります。今年の相場を振り返ってみると、1月5日の大発会で1万7325.68円で始まった日経平均株価は4月23日の2万252.12円まで、押し目らしい押し目を作らず順調に上昇しました。この4カ月の上昇幅は2926.44円、上昇率は16.89%です。基本的にこの間、日経平均株価は25日移動平均線が強力なサポートになり、瞬間的に同線を下回ったポイントが、絶好の押し目買いチャンスでした。そして、その傾向は今しばらく続きそうです。
ただし、将来25日移動平均線が下向きに転じたら、少なくとも数週間、または数カ月におよぶ本格的な調整は到来する見通しです。上げと下げを繰り返して育つのが相場ですから、これは当然のことです。
現時点で、そのような本格的な調整に入る、これはというきっかけは、見当たりません。しかし、そのような突発的、かつ、最悪の事態が発生しても、投資で成り上がりたいあなたは、投資元本が致命的なダメージを被らないように、細心の注意を払い、リスク管理を徹底するべきです。
攻めるときは攻め、守るときは投資元本を徹底的に守る。特に守らなければならないときに攻めると、大抵の場合、大変な損害が発生し、市場からの退場を余儀なくされることが多々あります。ご注意ください。
メリハリの利いた投資をすべき
とりわけ、5月は波乱の展開になりがちなので要注意です。
3月決算企業の期初のガイダンスは、基本的に保守的です。彼らは期中の業績下方修正を嫌うため、コンサバな数値を出す傾向があるからです。そして、それは往々にして市場に失望されます。
また、6月に決算を迎えるヘッジファンドの45日ルール等による、ファンドの換金売りや、益出しの売りが加速することが多々あります。特に、ヘッジファンドは、わざと乱暴に売ることで、下向きのトレンドを故意に発生させているのではないかと疑いたくなるような感じで、アグレッシブに売ってくるので、要警戒です。
現時点で5月相場がどうなるかは、「神のみぞ知る」です。しかし、ゴールデン・ウィーク前に、現金ポジションを極端に高めておけば、少なくとも資産を減らすことはありません。また、休み中にノーポジなら、世界の市場動向に対してもそれほど神経質になる必要もなくなり、レジャーや家族サービス等に集中できます。
株を強いグリップで握るときは握る。逆に手放すときはあっさり手放す。そのように、メリハリのきいた投資を成り上がりたいあなたは行うべきです。多くの投資家は手放すべきときにも、強いグリップで株を握しめるから、相場の下落が深刻化・長期化すると、「退場」させられるのですから。
なお、このような趣旨のコメントは、相場がいいときにしか書けません。なぜなら、相場が悪い時に書くと、多くの投資家の傷に塩を塗るようなコメントになり、神経を逆なでしてしまうからです。(笑)それでは皆さん、よいゴールデン・ウィークをお過ごしください。
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