世界投資へのパスポート

トランプ大統領就任の裏では、決算発表が佳境に!
注目を集めたネットフリックスの決算内容のほか、
今週決算のグーグルやアマゾンの見どころも解説!

2017年1月23日公開(2017年11月29日更新)
広瀬 隆雄
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ドナルド・トランプは米国大統領に就任したが
いまだ具体的な政策の提示はなし

 1月20日(金)に大統領就任式が行われ、ドナルド・トランプが正式に米国大統領に就任しました。

 トランプが指名した閣僚の大半は、まだ上院の承認を得ていないため、就任演説では具体的な政策の提示はありませんでした。

 しかし、その演説の中でトランプは、「アメリカ優先」を唱え、保護主義の方針をハッキリ打ち出しました。それは世界の貿易が不活発になるリスクを孕んでいると思います。

 現時点では具体的な政策が発表されていないので、閣僚の着任や大統領令の発令を待ちたいと思います。

 一方、2016年第4四半期の決算発表シーズンは、いよいよ佳境を迎えます。先週はモルガン・スタンレー(ティッカーシンボル:MS)ゴールドマン・サックス(ティッカーシンボル:GS)などが、予想を上回る決算を発表しました。

 しかし、何と言っても先週の決算発表のハイライトは、ネットフリックス(ティッカーシンボル:NFLX)だったと思います。

【ネットフリックス】
全加入者数は9000万人を突破!
しかし先行投資により営業キャッシュフローは赤字に

ネットフリックスの第4四半期決算では、EPS(1株あたり利益)が予想13セントに対し15セント、売上高が予想24.7億ドルに対し24.8億ドル、売上高成長率は前年比+35.9%でした。

 さらに今期加入者数は、ガイダンス520万人に対し705万人でした。この705万人という数字は、過去最大です。これで全加入者数は9380万人に達しました。

 第4四半期の新規加入者数がとても強かったので、その反動で、2017年第1四半期の新規加入者は弱くなることが予想されます。そのため、第1四半期に関しては520万人というガイダンスが提示されました。なお、2017年下半期は魅力ある新番組がたくさん用意されているため、新規加入者増に弾みがつくと会社側は予想しています。

 新規加入者を米国国内と海外に分けて詳しくみてみましょう。

 まず、国内今期加入者数は、ガイダンス145万人に対し193万人でした。これで、国内加入者数は4943万人になりました。第1四半期に関しては、新たに150万人のガイダンスが提示されました。

 海外今期加入者数は、ガイダンス375万人に対し512万人でした。これで、海外加入者数は4437万人になりました。第1四半期に関しては、新たに370万人のガイダンスが提示されました。

 つまり、今は海外での加入者の勢いの方が遥かに強いのです。

 ただ、米国内の加入者がこれで飽和状態に達したかといえば、まだまだ伸びる余地はあるとネットフリックスでは見ています。

 ちなみに、現在の4943万人というのは、米国のケーブルテレビの加入者数の約半分程度であり、ネットフリックスの方が月々の料金は遥かに安い(ベーシック・プランで毎月7ドル99セント)ので、引き続きケーブルテレビから視聴者を奪うと予想されます。

 また、ベーシック・プランからスタンダードないしはプレミアム・プランにアップグレードする視聴者も増えており、その関係で平均顧客単価は+15%成長しました。

 一方で懸念点としては、コンテンツへの投資が引き続き高水準であり、営業キャッシュフローは赤字だという点です。

 2017年は、さらに営業キャッシュフローの赤字幅が拡大すると予想されます。

 しかし、ライバルのアマゾンも、アマゾン・プライム・ビデオのオリジナル・ドラマに多額の先行投資を行っており、軍拡競争の様相を呈しています。したがって現時点では、競争上、ネットフリックスもコンテンツへの先行投資を絞り込めない事情なのです。

【アルファベット(グーグル)】
今週木曜日に決算発表!
ペイド・クリックの成長率に期待

 グーグルの親会社、アルファベット(ティッカーシンボル:GOOGL)は、1月26日(木)引け後に決算発表します。コンセンサス予想は、EPSが9.64ドル、売上高が251億ドルです。

 今回の決算発表の見どころは、「同社の業績の牽引役となっている自社運営のグーグル・ウェブサイトにおけるペイド・クリック(広告クリック数)が、どれだけ成長しているか?」だと思います。ちなみに過去の推移は、下のグラフのようになっています。

【アマゾン】
アマゾン・ウェブ・サービスの成長率は維持できるか?
「国境税調整」の影響にも注目が!

アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)は、1月26日(木)引け後に決算発表します。コンセンサス予想は、EPSが1.45ドル、売上高が446.7億ドルです。

 みどころとしては、「同社の部門の中で最も利幅が大きく、最も急速に成長しているアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が、引き続き高い成長率を維持できるか?」という点だと思います。ちなみに、第3四半期のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)売上高は、+54.5%の32億ドルでした。

 また、ネットフリックスのところでも言及しましたが、アマゾンはコンテンツへの投資を加速しており、それがマージン悪化の原因になっています。従って、コンテンツ投資に関するアマゾンの見解にも注意を払いたいと思います。

 加えて、「下院共和党が提案している国境税調整がもし成立した場合、アマゾンにどう影響するか?」という点にもアナリストの質問が集中すると思います。

【スターバックス】
既存店売上比較の推移が見どころ
トランプ就任による米中関係悪化が事業リスクに

スターバックス(ティッカーシンボル:SBUX)は、1月26日(木)引け後に決算発表します。コンセンサス予想は、EPSが52セント、売上高が58.5億ドルです。

 同社の決算のみどころは、既存店売上比較だと思います。ちなみに、第4四半期決算(9月期)での既存店売上比較は+4%成長でした。その内訳は、チケット(1回の購入での支払い代金)が+5%、トラフィック(来店頻度)が-1%でした。

 それから、これは今回の決算カンファレンスコールではアナリストから質問が出ないかも知れませんが、米中関係悪化の懸念ということもあります。

 現在、中国で、自社店舗とパートナー店舗を、合わせて2382店舗展開しています。これは同社の総店舗数25085店舗の9.5% に相当します。

スターバックスは中国市場でアグレッシブな拡張計画を持っており、2021年までに5000店舗に持って行く計画です。大事な成長市場だけにもし中国で不買運動が起きると、投資家は動揺すると思います。

【今週のまとめ】
数多くの米国企業の中でも
アルファベットとアマゾンの決算発表に要注目!

 トランプ大統領が本格的に始動するのは、閣僚が着任してからです。それには未だしばらく時間がかかります。

 今週は決算の山場を迎えますが、特にアルファベットアマゾンに投資家の関心が集中すると思います。

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