インデックスファンドは
特定の指標と同じ動きをする投資信託
インデックスファンドとは、特定の指標(インデックス)と同じ値動きするよう運用される投資信託のこと。「インデックス型投資信託」や「パッシブファンド」と呼ばれることもある。また、インデックスファンド以外の投資信託は、「アクティブファンド」と呼ばれる。
インデックスファンドの指標には、日経平均株価やNYダウといった「株式指数」や、NOMURA-BPI 総合のような「債券指数」などが使われる。こうした基準となる指標は、その投資信託の「ベンチマーク」と呼ばれる。
例えば「オルカン」の愛称で知られる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)という株式指数をベンチマークにしているが、その基準価格とMSCI ACWIの値動きは下のグラフの通り。
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線が重なっていて少し見にくいが、赤色の基準価格とグレーのベンチマーク(MSCI ACWI)が、ほぼ同じ値動きをしていることがわかる。
【※具体的なインデックスファンドの比較記事はこちら!】
⇒インデックスファンド「信託報酬」比較ランキング!「オルカン」「S&P500」など投資対象別に“実質コスト”を比較し、一番お得なおすすめファンドを紹介!
【インデックスファンドの特徴・その1】
バランス良く市場全体に分散投資ができる
投資信託の値動きを特定の指標と同じにするには、指標を構成する銘柄を、すべて同じ比率で保有することが必要となる。厳密には一部先物などで保有している場合もあるが、原則的には「インデックスファンドの構成銘柄と構成比率=指標の構成銘柄と構成比率」だ。
例えば、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」であれば、米国のS&P500指数の採用銘柄である500社の株を、S&P500指数と同じ割合で保有している。そうすることで、自動的にS&P500指数とまったく同じ値動きとなる。
株式指数や債券指数といった指標は、できるだけその市場全体の値動きを表すように構成銘柄と保有比率が決められる。例えば、S&P500指数であれば米国の代表的な500社の株価を、日経平均株価であれば東証プライム市場上場の銘柄のうち代表的な225社の株価を元に計算される。
つまり、S&P500指数連動型や日経平均連動型のインデックスファンドをひとつ持っていれば、それだけで米国市場や日本市場全体をバランス良く分散投資することができるということ。「投資信託ひとつで、株式市場全体を丸ごと保有できる」と言ってもいいだろう。
最近では、NISAなどで「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のような全世界株式型のインデックスファンドが人気となっているが、これも1本の投資信託を買うだけで米国や日本、欧州などの先進国から、中国、インド、ブラジルといった新興国まで「世界の株式市場全体を丸ごと保有できる」のが理由となっている。
【インデックスファンドの特徴・その2】
運用コスト(信託報酬)が安い
インデックスファンドで、もうひとつ忘れてはいけない重要な特徴は、運用コストが安いことだ。
投資信託は、購入手数料や換金手数料のほか、保有しているだけで「信託報酬」というコストがかかってくる。信託報酬は、購入手数料のように投資家が直接支払うコストではないが、投資信託の資産の中から間接的に支払われる。つまり、信託報酬が高い投資信託は、その分、基準価格も上がりにくくなるのだ。
信託報酬は、投資信託を運営するためのコストだ。売買委託手数料や運用報告書の作成費用といった費用のほか、ファンドマネージャーの報酬や銘柄の調査費用などに当てられる。
しかし、インデックスファンドは、ベンチマークに連動することを目指しているので、保有すべき銘柄とその量は計算により自動的に決まる。高額な報酬を求めるファンドマネージャーも調査費用も一切必要ない。つまり、その分、インデックスファンド以外、いわゆるアクティブファンドより、遥かに運用コストを抑えることができる。
下の表は、日本株で運用するインデックスファンドとアクティブファンド、それぞれ純資産総額の多い5銘柄を並べたものだ。比較すると、インデックスファンドの信託報酬のほうが断然安いことがわかる。
■インデックスファンドとアクティブファンドで、純資産総額の多い5銘柄を比較 | |||
分類 | 投資信託名 | 純資産(億円) | 信託報酬(税込) |
イ ン デ ッ ク ス |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 51267 | 0.09372%以内 |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 40115 | 0.05775%以内 | |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 17238 | 0.0938%程度 | |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 15810 | 0.162%程度 | |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 7763 | 0.09889%以内 | |
分類 | 投資信託名 | 純資産(億円) | 信託報酬(税込) |
ア ク テ ィ ブ |
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信D毎月(ヘッジなし)予想分配金提示 | 28818 | 1.727% |
インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型) | 15191 | 1.903% | |
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし) | 13599 | 1.727% | |
netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし) | 10838 | 2.09% | |
グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし) | 10,628 | 1.81%程度 | |
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インデックスファンドを使った「インデックス投資」は
世界中で評価されている
「投資信託ひとつで、市場全体にバランス良く分散投資が出来る」「低コスト」というインデックスファンドの2つのメリットを最大限に活かす投資法方法が「インデックス投資」。インデックス投資をひと言で説明すると、「インデックスファンドを使って世界中に分散投資し、長期保有することで利益を狙う投資法」となる。
インデックス投資は、投資初心者でも簡単に実践できる、一見シンプル投資法だ。しかし、実はノーベル経済学賞を受賞した高度な経済理論がベースとなっており、非常に優れた投資法と世界中で評価されている。
下の記事では、インデックス投資を実践している個人投資家の考え方や具体的な投資手法についてくわしく解説しているので、興味がある人はぜひ一読して欲しい。
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インデックスファンドの種類と
代表的なインデックスファンド
インデックスファンドは、投資対象の種類(資産クラス)やベンチマークとする指標(指数)によって分類される。インデックスファンドで使われる代表的な指数をまとめてみた。
■インデックスファンドのベンチマーク使われる主な指数 | ||
投資対象 | 資産クラス | 指数 |
株式 | 日本株式 | 日経平均株価 |
TOPIX(トピックス) | ||
東証マザーズ指数 | ||
米国株式 | ダウ平均株価(NYダウ) | |
S&P500指数 | ||
NASDAQ(ナスダック)指数 | ||
イギリス株式 | FTSETM100指数 | |
ドイツ株式 | DAX30指数 | |
先進国株式 | MSCIコクサイ・インデックス | |
新興国株式 | MSCIエマージング・マーケット・インデックス | |
全世界株式 | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス | |
債券 | 日本債券 | NOMURA-BPI総合指数 |
先進国債券 | シティ世界国債インデックス | |
新興国債券 | JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド | |
REIT | 日本リート | 東証REIT指数 |
先進国リート | S&P先進国REITインデックス |
同じ資産クラス、あるいは同じ指数をベンチマークとするインデックスファンドは、何種類も存在する。特にここ数年、低コストで魅力的なインデックスファンドが増加している。例えば、日経平均連動型の代表的なインデックスファンドだけでも、次のように数多くつくられている。
【日経平均株価(日経225)に連動する主なインデックスファンド】
・<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド
・eMAXIS Slim国内株式(日経平均)
・日経225 インデックスe
・iFree 日経225インデックス
・たわらノーロード 日経225
・SMT 日経225インデックス・オープン
・iシェアーズ 国内株式インデックス・ファンド
・野村インデックスファンド・日経225(Funds-i日経225)
・eMAXIS日経225インデックス
同じ指数をベンチマークとするインデックスファンドは、ほぼ同じ値動きをするので、実際に購入する際は、信託報酬や純資産総額などを参考に商品を選ぶことになる。代表的なインデックスファンドのコストや純資産総額は、以下の記事でくわしく解説しているので、参考にしよう。
【※信託報酬の安いおすすめインデックスファンドについての詳細記事はこちら!】
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また、これからインデックスファンドの積立購入を考えているのであれば、NISAを活用するのもおすすめ。NISAは、通常、運用益には約20%の税金がかかるところが無税になる非常にお得な制度。こちらの記事で解説をしているので、気になる人はぜひ読んでみて欲しい。
【※NISAについての詳細記事はこちら!】
⇒ 新NISAおすすめ比較[2024年]つみたて投資枠+成長投資枠で非課税枠が総額1800万円に!
以上、今回は「インデックスファンド」の意味や特徴、メリットなどを解説した。
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