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公務員こそ「iDeCo」に今すぐ入るべき! ごっそり削られた退職金を取り戻し、老後の安心を作るための公務員の効率的な「iDeCo」活用術と注意点を解説!

2018年9月23日公開(2022年3月29日更新)
山崎 俊輔
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 今回、紹介するのは「公務員のiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)活用術」です。実は公務員ほど「iDeCo」に加入したほうがいい人たちもいません。「iDeCo」に加入することは、公務員の“基本”といってもいいくらいです。公務員が今すぐ「iDeCo」に加入すべき理由や、より効率的に活用する方法を解説します。

「iDeCo」の利用率は実は公務員が最も高い!
しかしそれでも加入しているのは約20人に1人

「iDeCo」の利用状況を働き方別にみると、実は最も利用率が高いのは公務員であることはあまり知られていません。

 「iDeCo」の対象者の数は、「自営業者等」1575万人、「専業主婦等」889万人、「会社員」3822万人、「公務員」445万人、となっています(2017年3月末)。そのうちで実際にどのくらいの人が「iDeCo」に加入しているかで見ると、「自営業者等」13.1万人(0.83%)、「専業主婦等」2.8万人(0.31%)、「会社員」62.7万人(1.64%)、「公務員」19.1万人(4.29%)となります(2018年7月末※)。

※「対象者」と「加入者」の数の調査時期が揃わないのは統計が異なるため。また会社員のうち企業型確定拠出年金加入者は事実上「iDeCo」加入不可なので、その数683.5万人を引くと、実質的な加入率は2.0%に向上する。 

 加入率でいえば、圧倒的に公務員が多いことがわかります。公務員が「iDeCo」に加入できるようになったのは、昨年の1月から、ということを考えても、わずか1年半でこの加入率の高さは特筆すべきです。「公務員の約20人に1人はもうiDeCoをやっている」わけで、関心の大きさがうかがえますが、「約20人のうち19人はまだやっていない」ということもできます。 

【※関連記事はこちら!】
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公務員の退職金は2012年以降に15%も減っている!
「iDeCo」を堂々と利用して老後に備えるべき

 公務員の「iDeCo」加入が可能になったとき、「公務員は退職金水準も高く年金払いの制度もあるのに、iDeCoにも加入できてズルい」というような声が上がりました。実際に新聞で、とある経済ジャーナリストがそうコメントしていたのを読んだことがあります。

 しかし、これはミスリードです。というのも、公務員が「iDeCo」に入ることができるようになった理由のひとつに、「退職金が削られている」ということがあるからです(あるいは、批判する人は公務員の退職金について制度改定があったのを知らなかったのかもしれませんが)。

 公務員の賃金水準や退職金水準は人事院の勧告などを受けながら随時見直されていますが、見直しにあたって「官民格差を是正する」というロジックがよく利用されます。

 その結果、2012年の法改正において、公務員の退職金水準は民間の平均と乖離が大きいとして、なんと402.6万円も削られているのです(国家公務員のモデルの場合)。さらに2017年の法改正でも、民間より78万円相当高いとして退職金水準が削られています。

 これらを合計すると、それ以前の退職金水準から15%以上カットされていることになります。また年金についても、かつてあった全額終身年金の制度(職域加算部分)は廃止されてしまいました。

 要するに「退職金はごっそり削るので、自腹でiDeCoを使って老後に備えなさい」というのが、公務員に「iDeCo」加入を認めた「裏の理由」なのです(公式にはアナウンスされていませんが、事実関係を整理する限り、そう読むことができます)。

 今の公務員の皆さんは、同じ仕事をしていても先輩より退職金が減っているのですから、堂々と、「iDeCo」に加入して税制メリットを利用すればいいのです。

「たかが月1万2000円」と考えるのは間違い!
その1万2000円の積立が老後を大きく変える

 公務員で「iDeCo」に加入できるのは、かつての「共済年金」の対象である人たちです(現在、「共済年金」は「厚生年金」に統合されてなくなっています)。役所などでは非正規職員もいるのが現状ですが、そうした人たちは対象外となります。わかりやすい目安としては、共済の健康保険証を持っている人はおおむね「iDeCo」に入れるようです。詳しくは職場で確認してみてください。

 掛金として拠出できる限度額は、公務員の場合、月1万2000円です。「iDeCo」の拠出限度額は民間の会社員でも企業年金の有無で2万3000円と1万2000円に分かれますが(※関連記事はこちら)、公務員は企業年金に準ずる制度(年金払い退職給付)があるため、「企業年金のある会社員」と同水準にされています。

 ここで、「たかが1万2000円なんてどうでもいい」と思う人も少なくないのですが、これは間違いです。

 22歳で公務員となって60歳まで勤め上げると仮定して、「iDeCo」で38年間1万2000円を毎月拠出し続けると、547万2000円の元本が積み上がります。さらに、「iDeCo」には掛金にかかる分の所得税・住民税が控除になるという税制メリットがあります。公務員は年収が高いので実効税率が30%になることも珍しくないのですが、仮に547万円の30%相当が所得税や住民税がかからなかった分だとすれば、164万円は「税を払わずに済んだ分、老後の貯金が増えた額」ということになります。

 「たかが1万2000円」どころか、これはものすごい金額です。さらに利回り年3%程度の運用成績を実現できれば、月1万2000円の積立による資産額は60歳時点で1018万円までふくらみます。

 「たかが1万2000円、されど1万2000円」なのです。退職金等に加えて「iDeCo」の備えがあれば、老後の安心に一定のめどがたつはずです。できるだけ早く「iDeCo」に加入し、上限いっぱいの掛金を拠出したいものです。

まずは「iDeCo」に加入して税制優遇効果を得るのが最優先!
定期預金でもやらないよりいいが、できれば投資信託で投資を!

 「iDeCo」では、運用商品として、リスク商品である投資信託と、元本確保型商品である定期預金や年金保険を選ぶことができます。運用方針としては、拠出額の一定割合、あるいは全額を投資信託に振り向けて、ある程度の利回り確保を求めたいところです。ただ、所得控除の税制優遇効果による「運用益」が大きいので(実際は税金を納めずに済んだということですが)、まずはこれを確保することが最優先です。

「投資はよくわからないので加入を先送りする」というくらいなら、信用力のある銀行等の定期預金を選択すればいいでしょう。とにかく早く加入して、毎月1万2000円を積み立てることのほうが重要です。

 そのうえで、投資に興味が出てきたら、徐々に投資信託の購入へとステップアップしていけばいいのです(本音をいえば、こういう人は10年後も定期預金に全額入れたままだったりするので、最初から投資信託を買ってほしいところですが)。

 「すでに投資に対する興味や理解は一定程度あるが、商品選択に自信がない 」という人は、中長期の国際分散投資ができる、低コストのバランス型投資信託を検討するといいと思います。バランス型投資信託では、できれば株式比率の高いタイプを選ぶのがコツです。

 もし全額投資するのは怖いのであれば、「投資信託6:定期預金4」とか「投資信託5:定期預金5」のように、一定額を安全資産に置いておくのもいいでしょう。

【※関連記事はこちら!】
⇒iDeCoでは「バランス型投信」に任せて“ほったらかし投資”が正解! メンテ不要&低コストの「バランス型投信」を賢く選ぶ4つの条件とおすすめの商品を紹介!
⇒iDeCoで失敗しない「資産配分」と「運用方法」を3つのステップで紹介! 定期預金と投資信託への適切な資産配分とおすすめの投資信託の種類とは?

「職場iDeCo」を導入する省庁や自治体もあるが
金融機関は「好きに選んでいい」ことに注意!

 ところで、職場で「iDeCo」を利用できる仕組みを採用する省庁や地方自治体もあります。たとえば厚生労働省は制度を主管する立場ということもあってか、「職場iDeCo・つみたてNISA」をスタートすると公表しています。これにより手続きや制度の説明、投資教育の機会を充実させるというのが狙いのようです。

 今後、同様の仕組みを各省庁、地方自治体が導入することが考えられますが、ひとつ注意すべき点があります。「職場iDeCo」の窓口となった金融機関が、その職場に勤める人はほかの(「職場iDeCo」に手を上げていない)金融機関でも、自由に「iDeCo」口座を開設できるのだ、ということにあえて触れずに、説明をする可能性があるということです。

 現行の法律を解釈する限り、職場が特定の金融機関で「iDeCo」に加入するよう押しつけることはできないはずです。これは財形貯蓄のように特定の金融機関が独占的に取り扱いできるのとは異なります(実際のところ、「iDeCo」では運営管理機関が複数あろうと、職場は国民年金基金連合会にまとめて掛金を納付するだけなので、納付事務の手間は変わりません)。

「職場iDeCo」が導入されても、公務員個人は口座管理手数料や運用商品の品揃えなどを総合的に考えて、自分が入りたいところで「iDeCo」の口座を開設すればいいのです。

老後の安心を倍増させるためにぜひ
「夫婦で2つのiDeCo口座」を作るべき!

 最後に、ちょっとしたノウハウを紹介しておきましょう。それは、掛金の限度額が小さい公務員にとって、 「夫婦両方がiDeCo口座を作る」のは効果が大きい、ということです。

 夫婦とも公務員である場合は、それぞれが「iDeCo」口座を開設すれば合わせて月2万4000円非課税で積み立てられます。配偶者が専業主婦である場合は2万3000円の積立枠が追加されて計3万5000円、配偶者が会社員である場合は1万2000円ないし2万3000円の追加で計2万4000円または計3万5000円の積立ができることになります。

 課税所得のない専業主婦を除けば、非課税メリットも倍増し、老後の資産形成もペースが倍増します。

 所得控除は「iDeCo」口座開設をした当人にしかつかず、引き落とし口座も当人名義でなければなりませんが、実際の掛金は、1人が2人分を出す、ということはできます(モバイルバンキングで夫から妻名義の銀行口座に振り込むなど )。

 「iDeCo」の口座は1人1つしか開設できない以上、夫婦なら絶対に2口座を開設するべきです。老後の安心を倍増するチャンスとして、ぜひ実行してみてください。

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山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)[ファイナンシャルプランナー]
1995年株式会社企業年金研究所入社後、FP総研を経て独立。ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士、AFP)、1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)、消費生活アドバイザー。若いうちから老後に備える重要性を訴え、投資教育、金銭教育、企業年金知識、公的年金知識の啓発について執筆・講演を中心に活動を行っている。新刊『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』(日経BP社)が好評発売中。
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※どの金融機関でiDeCo口座を開設した場合でも、別途、国民年金基金連合会へ支払う加入時手数料が2829円、国民年金基金連合会と信託銀行へ支払う手数料が合計171円(毎月)かかる。受取時は給付手数料440円(1回毎)を信託銀行に支払う。還付時には、国民年金基金連合会と信託銀行への還付時手数料として合計1488円(1回毎)がかかる。運営機関変更時の手数料は「他の金融機関から」変更の場合で、「他の金融機関に」変更する場合は4400円の手数料が発生する場合がある。下記の金額は掛金を拠出する場合(すべて税込)。
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