株価2倍3倍は単なる通過点か!?
さいか屋(8254)の復活劇を注視せよ!事業再生ADRを経た地元密着型百貨店が超割安で放置

【第9回】2012年6月1日公開(2012年6月1日更新)
鮎川 健

本業は好調 コスト削減も進む

 超低位株さいか屋を敢えて推したくなるポイントは3つ。

 1:最終利益は赤字だった時期も営業利益は黒字を継続

 さいか屋は近年、経常利益および最終利益段階で赤字を計上してきたが、本業の利益すなわち営業利益は黒字であり続けた。特筆すべきは、債務超過転落に至り巨額最終赤字を計上した10年2月期でさえも営業利益は黒字、本業自体は黒字経営だったのだ。

 2:営業CFにおいても黒字を持続している

 09年から12年まで、営業キャッシュフローは10~15億円で推移。ここでも、本業の堅調さをうかがい知ることができる。金回りにおいても決して悪くなかったのだ。

 3:事業再生ADRのスキームが有効に作用

 さいか屋は2010年に事業再生ADR(本ページの最後の注参照)の手続きが成立し、様々な自助努力を遂行した結果、総売上においては

 09年度:688億→12年度:402億(減少率41.6%)

 と、企業規模こそ大きくシュリンクしたが、負債は

 09年2月期:435億円→12年2月期225億円(削減率48.3%)

 と、大きく圧縮。人件費に至っては09年2月期:52億円→12年2月期 19億円と62%も削減しており、また支払利息も同様に50%近く削減している。

 パラサイトのごとく営業利益を蝕んでいた悪しき支出も激減、結果、黒字で最終まで走りぬける企業へと生まれ変わったのだ。

 さらに今年4月の決算発表直前の1月12日には、業績の上方修正(売上高2.5%増、経常利益30%増など)も発表するといった好調ぶり!

 なのに予想PERはたったの2.4倍! しかも資産売却といったシリコンカップのパチ低PERではない、ガチで稼ぎ出したモノホンGカップ低PER、私には注目しない理由が見つからないと言わざるをえない!

(注)事業再生ADR:経営危機になった企業の再建手法のひとつで、民事再生法や会社更生法などの法的手法とは異なり、中立的立場にある専門家(ADR事業者)のもとで、債権者との調整や債務免除に伴う税負担の軽減、つなぎ資金の融資の円滑な実行などを遂行し、会社を立て直す。ちなみにADRとはAlternative Dispute Resolutionの略で、「裁判外紛争解決手続」と訳される。

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泣き所は全国的な知名度のなさ? それとも?

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