超成長株投資で資産10倍計画!

日産自動車(7201)の株価は9割減益で大幅安に。コンプラ上の大問題もあり、投資家の「ブラックリスト」入りか!?山本潤の超成長株投資の真髄 第31回

2019年8月7日公開(2022年3月29日更新)
山本 潤
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

コンプライアンスに問題がある日産は評価に値しない

----- (5段階中 ☆なし -投資不適格-)

 2018年11月29日に日産自動車(7201)について書きました。

参考:日産自動車(7201)の株価は直近15年は上昇せず。就任後5年は救世主、その後は有利子負債が3倍に! ゴーン退任で減配リスクも浮上!

 その時、減配リスクがあると指摘しましたが、その後、本決算で前期57円から40円への大きな減配となりました(私の見通しがズバリ当たったのです...)。

 しかし、事態はより深刻。足元業績が急降下。来期はさらなる減配になりそうです。

 そして先週、上場企業としてあってはならない出来事がありました。

決算発表前にメディアに情報が漏洩するという大問題

 7月24日の日経新聞の報道により、同社の1Qの利益が9割減になることが報じられました。決算発表を翌日に控えていましたので、明らかなフライングとなってしまいました。

 決算発表の数字が事前に特定のマスコミに流れることは企業のガバナンス上、問題があります。

 特定のマスコミにインサイダー情報をリークする会社とみなされ、日産にとって百害あって一利なしです。

 インサイダー情報がダダ漏れの企業に投資をすることがファンドマネジャーにはできないからです。同社株を買って、痛くもない腹を探れられることになりかねません。自然と、こうした企業への投資は敬遠するようになります。企業統治が機能していないとみなされるからです。投資家の「ブラックリスト」に日産は載ってしまったというわけです。

 

利益率わずか0.1%という赤字すれすれへの落ち込み

 7月25日に発表された第一四半期決算は、営業益がわずか16億円で利益率は0.1%となってしまいました。赤字すれすれまで落ち込んでしまったのです。合わせて人員整理計画を発表しました。

構造改革の内容は以下の通りです。
1) 2022年までにグローバル生産体制10%削減
2) そのため12500人の人員削減

 人を削減するにも費用がかかります。配当は残念ながら来期も減るでしょう。

 こうなったのは誰の責任かは難しいところですが、投資家の中にはゴーンさんだったらここまで箍が緩んではいなかったのではと思う方もいらっしゃると思います。

 私は業績の悪化が短期の要因とは思えないのです。むしろ、長年の不摂生がここにきて顕在化したのでしょう。そうなると業績悪化の遠因はゴーンさんにもあると言えるでしょう。日産は、米国などで規模を追いかけ、他の日系メーカよりも安売りをしていました。販売報奨金が他社よりも随分と高い状態が慢性化していたのです。

 多額の報奨金を使って販売することで、ブランド価値は毀損しますし、中古価格も下がります。報奨金を適正化すれば一人負けを招くことは、ほとんどのアナリストはわかっていました。

 安売りは生活習慣病のようなものですから、後々、ボディブローのように効いてしまうのです。ですから簡単には立ち直ることができないはずです。

 

EVを強化してきたがテスラに勝てない

 日産は早くから電気自動車(=EV)の時代を予想し、EV製品開発を強化してきました。その代表作がリーフです。

 2010年の発売以来、2019年までグローバルでは40万台を累計で販売しましたが、米国テスラモーターよりも時価総額では低い評価となってしまいました。テスラはこの半年だけで10万台近く販売しています。日産リーフは2018年欧州で4万台を売っているのですが、EV主役の座はテスラなのです。

 高級車としてテスラが企業規模の割には高い評価を得ているのは、EVとしての設計の違いが顕著だからです。

 まず、テスラは二次電池を何千本も搭載するという斬新な発想で勝負をしました。個々に充電することで充電時間を短縮したのです。テスラの場合、充電5分で120kmの走行が可能になります。その辺りがリーフがキャッチアップしなければならない差です。

 リーフのように大型電池を使うと、充電に時間がかかるという問題があるのです。商品設計上のテスラの工夫に比べてリーフはこれといった特徴がありません。

 どの自動車メーカーにとっても、EVのように原価が高く儲からない製品に経営資源をシフトすると収益が減ります。EV戦略は難しいのです。

 ただそれ以上に日産が挽回できない最大の理由はガバナンスにあります。決算情報というインサイダー情報が特定マスコミへ優先して流れた事実は消せません。このことで日産は投資家の「ブラックリスト」に載ってしまったからです。

 

(DFR投資助言者 山本潤)

 

この連載は、10年で10倍を目指す個人のための資産運用メルマガ『山本潤の超成長株投資の真髄』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、週2回のメルマガの他、無料期間終了後には会員専用ページでさらに詳しい銘柄分析や、資産10倍を目指すポートフォリオの提案と売買アドバイスもご覧いただけます。

日産自動車(7201) /日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)

太田忠の勝者のポートフォリオはこちら!
最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
マネックス証券の公式サイトはこちら 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

人気株500激辛診断
買いの優待株&
高配当株100

8月号6月20日発売
定価990円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[人気株500激辛診断]
◎巻頭特集
夏?それとも秋?
2025年後半の日本株の買い時

●どうなる日経平均&仕込み時を探れ!
●どの業種が狙い目?
●上がる株&下がる株

◎第1特集
「買い」「強気」の10万円株は108銘柄!
株主還元株が一目瞭然!
<2025夏>人気の株500+Jリート激辛診断
●儲かる株の見つけ方[1]旬の3大テーマ
前期・今期と連続で好業績の株/高配当で5期以上連続増配予定の株/関税の影響が軽微で波乱に強い株
●儲かる株の見つけ方[2]5大ランキング
業績の上ブレが期待できる株/ROEが高く稼ぐ力が強い株/配当利回りが高い株/少額で買える株/理論株価より割安な株
●2025年夏のイチオシ株
10万円株/高配当株/株主優待株
●気になる人気株
大型株/新興株/Jリート
<番外編>人気の株500以外から選出!
利回り5%以上だらけ!
買いの優待+高配当株100
●桐谷さんの高配当の欲張り優待株

●株価上昇も期待の増益の優待株
●優待新設&拡充で注目株
●利回り5%以上の超高配当株
●増配期待大の高配当株

◎第2特集
トランプ関税の中でも稼げるAI関連株や
高配当株を紹介!
人気の米国株150激辛診断 2025年7-9月

●減税&利下げで年末高と予想!
S&P500を大予測
●AI関連や安定収益株に注目!トランプ関税でも強い株
●GAFAM+αの8銘柄を定点観測
●買いの大型優良株9&高配当株9
●人気の124銘柄買い売り診断

◎第3特集
3回集中講座の最終回!
チャート入門「売りタイミングの考え方」

◎第4特集
史上最高値をハイペースで更新中!
NISAが使える!
金は投信で税金ゼロで買え!

●金の相場の予測&投信で買う理由
【別冊付録】増益予想で割安な株は1617銘柄
上場全3897社の最新理論株価
◎連載も充実​●ZAiのザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人Vol.11
●17億円トレーダー・ジュンのFX成り上がり戦略Vol.06
●おカネの本音!VOL.36 米倉強太さん
●株入門マンガ恋する株式相場!VOL.104
●マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
●人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ!


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報