超成長株投資で資産10倍計画!

長期投資に欠かせない深い企業理解IR担当者がうっかり話してしまうプロ仕込みの電話取材のコツを伝授山本潤の超成長株投資の真髄 第67回

2020年6月10日公開(2022年3月29日更新)
山本 潤
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

IR担当者への電話取材に臆する必要はない

 今回は、企業取材の方法を紹介します。IR担当者に電話取材する個人投資家が多くいらっしゃると思いますので参考にしてください。これから書く内容は、私が以前に新人アナリスト向けに書いた自著「インベストメント」から抜粋したものです。約20年前に書いたため、今の時代とそぐわない面もあると思いますが、本質は変わらないのでご紹介します。

 まず、心構えとして大事なのは、IR担当者への電話取材に臆する必要はないということです。電話取材を躊躇する方も多いかもしれませんが、IRは投資家の問い合わせに対応することが仕事であり、日々、様々な投資家から質問を受けています。したがって、余計な時間を取らせて悪いなどと気を遣う必要はありません。

 電話取材のメリットとして、ホームページの閲覧や問い合わせで得られる回答では得られない微妙なニュアンスが分かることがあります。記録として残るメールでは書けないような内容でも、電話なら少し話してしまうことがあります。

実例!上方修正があるかを聞き出すコツ

 一例として、業績の上方修正があるかどうかを聞き出す方法を紹介します。営業利益が前年比で30%伸びているが、会社計画は横ばいの企業があるとします。電話すると、IR担当者は今期業績に自信ありげな口調です。しかし、当然ながら、30%という数字は教えてくれません。インサイダーに抵触する可能性があるからです。IR担当者はすべての投資家を公平に扱う義務があります。けれど、うまく聞き出すことで、少しサービスしてくれる場合があります。実例を再現しましょう。

取材者:「営業利益はどのくらい伸びているのですか?」
IR担当:「予想以上に順調です」
取材者:「すごいですね。前年比で10%以上の伸びですか?」
IR:「まあ、そうですね」
取材者:「もしかすると20%以上ですか?」
IR:「いや、どうですかね。そうかもしれませんね」
取材者:「もしかして50%以上ですか?」
IR:「そこまでではないですけと、結構いい伸びです」
取材者:「教えてください。20%から30%の間ですか?」
IR:「まあ、そのレンジの上に近いところかな」
取材者:「(25%から30%だ!)そんなに伸びているのですね」

 ここまで聞ければ確証は得られないまでも、営業利益が計画と比べて25%~30%近く伸びていることが分かりました。

さらに深掘りして取材する一例を紹介

 業績の伸びの確認に加えて、次に具体的な営業利益額や伸びた要因を取材するための一例を紹介します。下記のようなやりとりに至るかは、企業のIR姿勢や、IR担当者との関係構築ができているかにもよるため、個人投資家の方には難しいかもしれませんが、参考程度にご覧ください。ちなみに、今の私もここまでアグレッシブには聞いていません。

取材者:「そうすると、営業利益額は○○億円程度ですね?」
IR:「いや、これ以上は何も言いませんよ!私は知りません。」
取材者:「これだけ教えて頂いたら電話を切ります。最後です。御社の株を買いたいのです」
IR:「少しお待ちください。営業利益額は2桁の大台にのりました」
取材者:「どうしてそんなに好調なのですか。要因を1点だけ教えてください」
IR:「既存顧客の某社が増産に動いているようです。詳細は言えません」
取材者:「それは○○社ですか、△△社ですか? ××社とも関係良好ですね」
IR:「それ以上は。でも、その3社のどれかです」
取材者:「これで本当に最後です。それは○○社ですね。イエスですか?」
IR:「違うとは言いにくいなあ。もう本当に勘弁してください」

 業績動向を取材する際の「切り札」は、「10%ルール」と「30%ルール」です。企業は、当初計画と比べて売上で上下10%以上、利益で上下30%以上、業績が異なる場合、上方修正または下方修正をしなければなりません。

 取材して、業績があまりにも好調なら、上方修正の可能性があります。さりげなく聞いてください。「それでは、上方修正しなければなりませんね」と。IR担当者がどう反応するのか、ニュアンスや言い回しに注意すれば、かなり感触がつかめます。こうした感触はメールやファックスでは分かりません。直接会うか、電話してこそ伝わってくるのです。

具体的な数字で聞く、簡単に引き下がらない

 ポイントは具体的な数字で聞くことです。IR担当に「業績は順調に推移しています」と言われると、多くの方は「そうですか。わかりました」と安心して終了しますが、それで引き下がらない。「御社のご計画より5%以上、上回っているのでしょうか、それとも10%以上でしょうか」と数字をぶつけてください。

 取材は引き下がらない、がモットーです。私がよく使うのは、いろいろ聞いた挙げ句に「すみません、あと1点お願いします」と続けることです。十分な確認ができたら「本当にありがとうございました。御社への投資を前向きに考えたいと思います」とお礼を述べて電話を切ります。こうした取材は時間もかかりますが、IR担当者に気を使う必要はありません。なぜなら、疑問が解決できれば、投資家はその会社の株を購入するかもしれないわけですから、IR担当者の腕も見せ所なのです。

 今回は限定会員ページに公開中の自著から企業取材の方法についてほんの一部を紹介しました。さらに詳しく知りたい方はメルマガを登録し、会員専用ページをご覧ください。

(DFR投資助言者 山本潤)

この連載は、10年で資産10倍を目指す個人のための資産運用メルマガ『山本潤の超成長株投資の真髄』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、週2回のメルマガの他、無料期間終了後には会員専用ページでさらに詳しい銘柄分析や、資産10倍を目指すポートフォリオの提案と売買アドバイスもご覧いただけます


太田忠の勝者のポートフォリオはこちら!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

「株」全予測
人気株500激辛診断
優待年末年始

2月号12月20日発売
定価780円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[「株」全予測/人気株500激辛診断]
◎新春特別企画
2024年に儲けた株&損した株も大公開!
桐谷さんのゆく年くる年

2025年も全力優待ライフ
◎第1特集
2年目NISAの必勝法!
112人のプロに聞いた!
2025年「株」全予測&儲け方

●日経平均は5万円へ!日本株の高値・安値予測
●生成AIブームも半導体は苦戦!
上がる株・下がる株
●国内利上げで銀行・金融が有望!
上がる業種&テーマ
●中央銀行の買いが継続!金(ゴールド)
●トランプ政権下でも下落傾向!原油
●ドル円は年後半に140円台に!為替
●オルカンの次に買う1本も!投資信託

◎第2特集
買っていい10万円株は97銘柄!
<2025新春>人気の株500+
Jリート14激辛診断

●投資判断に異変アリ!
買いに躍進!》トヨタ自動車、ホンダ…など
強気に転換!》ソニーグループ…など
●儲かる株の見つけ方[1]旬の3大テーマ
通期で上ブレ期待/AI関連で恩恵他
●儲かる株の見つけ方[2]5大ランキング
PBRが低く改善に期待の株/アナリストが強気な株/配当利回りが高い株
●2025年新春のイチオシ株
10万円株/高配当株/株主優待株/Jリート
●気になる人気株
大型株/新興株/Jリート

【別冊付録】
増益割安株は1178銘柄
上場全3916社の最新理論株価

◎第3特集
トランプ政権下でどうなる!?
人気の米国株150診断
●S&P500指数をプロが大予測

●Big8を定点観測!GAFAM+αを分析!
●買いのオススメ株
トランプ株/高配当株
●人気の124銘柄を徹底診断
ナスダック/ニューヨーク証券取引所

◎第4特集
ザイクラブ拡大版!2024年はどうだった?
ザイ読者の悲喜こもごも&2025年の投資戦略
ザイ編集部員のプチ反省&自慢大会も!


◎連載も充実!

◆目指せ!お金名人
◆10倍株を探せ!IPO株研究所2024年10月編
◆おカネの本音!VOL.29兒玉遥さん
◆株入門マンガ恋する株式相場!
◆マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
◆人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ!


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報