自動車を持ったら必ず自賠責保険に加入しなければならないように、社会人になったら医療保険や死亡保障の保険に加入することが、半ば義務のように感じている人も多いようです。そして、保障内容もよくわからないまま保険に入り、ずっと放置している人も大勢います。今回は、そんな"持ち腐れ"になっている保険について考えていきましょう。
保険は不動産に次ぐ、人生の中でも大きな買い物
家計診断を数こなしていてわかるのは、年収の多寡にかかわらず、多くの人が保険に加入しているという事実です。
保険というのは、非常に複雑でわかりにくい商品です。次から次へと新しい商品が販売されますし、しくみがややこしく、契約者にとってトクなのかソンなのかが判然としない商品もたくさんあります。ファイナンシャルプランナーの私でも、商品性の理解にやや時間がかかるものだってあるのです。
基本的に不明点が自分の中に少しでも残っているときは、保険に加入するべきではありません。
というのも、保険はちょっとした不動産に匹敵するくらい、人生の中でも一、二を争う高額な買い物です。月払いで支払うケースが多いので、ちょっと気がつきにくいかもしれませんが、たとえば毎月2万円の保険料を30年間支払っていたら、トータルで720万円も支払うことになります。そんなにも大金を支払って、保障を"買う"のに、よく内容がわからないままに加入するというのはありえないことです。

これが不動産だったら、細部までよくよく吟味し、自分の中で納得してからお金を払いますよね。保険だとそれをせず、ポンとお金を出してしまう人が実に多い。それは、"保険が複雑でわかりにくい商品だから"という理由のほかに、やはり"保険は必要不可欠のものだから入って当然だ"という固定概念があるからなのでしょう。
不安をなだめるために保険に入りすぎるのは浪費
保険に入る上での前提条件をお話しします。
まず、保険には「保障」と「貯蓄」という2つの役割があります。保障は手厚ければもちろん安心ですが、そうすると保険料は必然的に高くなるので、バランスを考えなければなりません。
保険のなかには、うまく活用することで貯蓄に役立てられる商品もあります。保障と貯蓄という両面を持っていることが魅力だと思います。ただ、ひと昔前だと、かなり返戻率の高い(支払った金額に対して多くのお金が戻ってくる)保険がたくさんありましたが、残念ながら最近はそういったものは減ってしまいました。
もう一つ、保障のための保険ですが、これは入りすぎは禁物です。前回もお話ししたように、必要最低限で十分でしょう。保障のための保険というのは、主に医療保険や死亡保障です。
たとえば、医療保険は、考え始めると「がんが心配」「三大疾病が心配」「婦人科系の病気が心配」「要介護状態になったときが心配」などなど、不安のタネが次々わいてきて、ついつい「特約でカバーしよう」といった欲目が出がちです。それゆえに保険料が高くなっている例も、枚挙にいとまがありません。
当然ながら、すべての不安を解消しようとすると、莫大なお金がかかります。そして、いくつも特約をつけたとしても、それらを全部活用する可能性はかなり低いでしょう。にもかかわらず、不安な気持ちをなだめるためだけに、高い保険料を払うというのはもったいないことです。
健康保険の「高額療養費制度」と「付加給付」をフル活用!
そもそも、ある程度貯蓄に余裕がある人なら、医療保険は不要ともいえます。
医療保険は、原則的に入院日数に応じて保険金が出るもので、病気によって給付金などが出ることもありますが、短期の入院だと、思いのほかもらえる金額が少ないこともしばしば。
今はがんですら1カ月前後で退院するケースが多く、病院側も長期入院をあまりさせたがらない時代ですから、入院の費用はそこまで高くつかない場合がほとんどです。
治療費が高額になったとしても、公的な健康保険には「高額療養費制度」というものがあり、医療機関や薬局の窓口で1カ月に支払った金額が一定額を超えると、その超えた金額が払い戻されます(保険の適用される医療費のみ)。所得によって負担額の違いはありますが、1カ月入院して医療費が100万円かかっても、月収53万円未満の場合、自己負担は9万円程度。月収がそれ以上でも16万円程度です。
また、加入している健康保険によっては、さらに「付加給付」がある場合もあります(残念ながら、国民健康保険にはありません)。付加給付がある場合は、高額療養費制度による払い戻しに上乗せして、より多くのお金が返ってきます。一般的には、1カ月の自己負担が2万5000円(厚生労働省が指導している金額)に収まるように定められている場合が多いようです。付加給付の有無や制度内容は会社によって異なるので、知らない場合は会社の担当者に問い合わせてみましょう。
高額療養費制度や付加給付がある健康保険制度は、非常に頼りになり、保障内容では民間の医療保険にも負けません。最近、健康保険料がアップし、そのせいで手取りが減ってしまった家庭も多いと思いますが、それだけ高い健康保険料を支払っているからには、制度を熟知し、うまく活用していきたいものです。
また、「がん家系で、がんが何より心配」というような人は、保障の薄い医療保険よりもがん保険に入っていたほうが合理的とも考えられます。がん保険の中には、がんと診断された時点で最高500万円が一括給付されるものもあります。
がんになると、入院日数自体は短かったとしても、その後の通院や治療でお金がかかることがしばしば。その分の費用は、医療保険ではカバーされませんから、がん保険で一括給付を受けたほうが、はるかに使い勝手が良いということになります。
もちろん、やや保険料は高くなりますが、あまり役に立たない医療保険に"とりあえず"で入っているくらいなら、こちらのほうが賢明といえるでしょう。
次回も保険の話の続きで、死亡保障の保険の考え方についてお話しします。
(構成/元山夏香)
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