超成長株投資で資産10倍計画!

マザーズの快進撃はいつまで続く?
個人の高値買いとヘッジファンドが主体で高騰。
宴の後に待ち受けるのは「倍返し」の下落か山本潤の超成長株投資の真髄 第84回

2020年10月28日公開(2020年10月28日更新)
山本 潤
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今はマザーズを空売りし、TOPIXを買う好機か?

 毎月開催しているDFR会員向けのWebセミナーで会員から次のような質問がありました。1つが「GMO祭りは終わるのか?」、もう1つが「上がりすぎた東証マザーズ指数を空売りし、TOPIXの指数を買うのは良い戦略か?」という質問でした。

 株価の短期的な動向を答えるのは至難の業です。なぜなら、株価が上がり続けた後、上がったという結果に対して「上がるものが上がる」というトレンドフォロー(順張り)の考え方を当てはめることもできる一方、「上がりすぎたら下がる」というリバーサル(逆張り)の考えを当てはめることもできるからです。つまり、共に成り立つのです。

マザーズの長期リターンはマイナスだが、年次はTOPIXに勝ち越す

 マザーズが誕生した2003年から2020年10月までのマザーズとTOPIXのパフォーマンスを比較すると、今年だけを見るとマザーズの圧勝ですが、長期では全く異なる風景になります。2003年から2019年まではTOPIXが圧倒し、年平均リターンは過去17年間でTOPIXがプラス2.6%に対し、マザーズはマイナスです。一方、振動の年率(変動率の標準偏差)は、TOPIXが22%に対して、マザーズは43%です。マザーズのリスクはTOPIXの倍あるにもかかわらず、リターンはマイナスですから、長期投資の対象として不適当であることが分かります。

 マザーズの値動きは派手です。今年のように上昇局面では爆上げする傾向があるものの、下落局面では爆下げする傾向があります。爆下げの典型が2005年~2008年の下落です。TOPIXは半値の下落に対し、マザーズ指数は2500ポイントから300ポイント、約10分の1まで下落しました。次に過去17年間を年次比較すると、マザースはTOPIXに9勝8敗と勝ち越します。勝ち越しているのに長期パフォーマンスが悪い理由は大負けするからです。 

今年のマザーズの値動きを象徴する「GMO祭り」

 会員が質問した「GMO祭り」とは、GMOインターネットグループが、GMOフィナンシャルゲートなどの子会社を多数上場させて、いずれも株価が短期で大きく上昇した現象を言っているのでしょう。私はこの現象こそがマザーズの過熱感を示していると思います。確かに、個人投資家はソフトバンクやGMOのようなオーナー企業を好む傾向は強いものの、親子上場は本来好きではないはずです。子会社すら投資対象として高値買いする状況は長続きせず、いずれしっぺ返しを食らうでしょう。

 お祭り騒ぎはいつまで続くのでしょうか。答えは来年か再来年に分かるのではないでしょうか。今年は個人投資家の高値買いとヘッジファンドのコンピューター売買が盛んに行われた結果、バリエーションを無視してマザーズが高騰しました。機関投資家を評価する運用コンサルタントという仕事がありますが、運用コンサルタントから見れば今年勝利したファンドは低評価になります。今年儲けたのはリスクとリターンの度合いを無視した御法度な運用を犯したとみなされるからです。

宴の終焉後は「倍返し」の下落が待ち受けている

 近年、個人投資家にも運用哲学や運用スタイルを柔軟に変えるヘッジファンド的な考えが蔓延しています。アイドルを追いかける熱狂的なファンのように、今後もマザーズ銘柄を必要以上に追いかけて、一段と過熱するかもしれません。しかし、それも長続きはしないでしょう。相場は徐々に落ち着き、お祭り騒ぎは終焉すると思います。その後に待ち構えているのは「倍返し」で高値銘柄が売られる現象です。買いの主体であったヘッジファンドが空売りし、個人投資家もそれも追随するため、大きく下落する可能性があります。

コロナ禍だからこそ投資の社会的な意義を見失わない

 我々は何のために投資をしているのでしょうか。投資の社会的な意義とは何でしょう。私は、社会的弱者を国が見殺しにしても自分は見殺しにできないと社会に憤慨して事業をしている経営者を応援することだと思っています。

 例えば、DFRポートフォリオ銘柄の1つである技研製作所(6289)の北村精男社長は、機関投資家に向けて「土堤原則を打ち破るために株主の力を貸して欲しい。人類が宇宙にいく時代に水害で日本で100人以上が亡くなるような国ではいけない」と市民運動を起こしてほしいと懇願されました。

 コロナ禍の今、業績が低迷している企業を応援する投資家は残念ながら多くはありません。下方修正が分かっていたにもかかわらず、私が技研製作所を売らなかった判断は賛否両論あると思います。コロナで苦戦した銘柄を組み入れることで短期的な利益が犠牲になってしまうからです。(でもスタイルを変えない限り長期では負けない)。

 株主は社会を支えてナンボです。理想の社会を現実世界で変えるのが経営者で、それを応援するのが株主です。DFRでは投資をする意味や意義を皆様とこれからも共に考えていきたいと思う所存です。

(DFR投資助言者 山本潤)

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