2021年4月に新規上場した「IPO株」の中で、アナリストが「強気」と診断する「表示灯(7368)」と「テスホールディングス(5074)」をチェック!
発売中のダイヤモンド・ザイ7月号は、連載「10倍株を探せ!【IPO株】研究所」を掲載!「IPO」とは、企業が上場して、市場に株式を公開すること。IPO株は公開価格と比較して、初値が大幅に上昇する場合が多いほか、上場してからも値動きがダイナミックで、短期間のうちに急騰することも少なくない。ただし、上場直後に盛り上がった後、すぐさま失速してしまう銘柄もあるため、“玉石混交”な側面もある。
この連載では、直近で新規上場したIPO株にスポットを当て、IPO株の専門家であるフィスコの小林大純さんが、今後の投資判断を「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価。今回は2021年4月に新規上場したIPO株の中から、今後さらなる成長の可能性を秘めた注目の2銘柄をピックアップして解説する。「成長株」投資に興味がある人は、ぜひ参考にしてほしい!
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2021年4月に新規上場したのは全部で11銘柄!
短期売買目的の資金がIPO株に流入し、乱高下の予感も……
4月に上場した11銘柄の初値は、すべて公開価格を上回った。4月前半はIPO株への資金流入が少なく、当初の予想よりも初値が伸び悩む銘柄が多かったが、4月中旬からその流れが変わった。15日に上場したサイバートラスト(4498)の初値が4倍以上になるなど、一転してIPO市場が活況になったのだ。
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IPO株が人気化した理由について、フィスコの小林大純さんは、次のように分析する。
「日経平均株価は4月中旬から、上値が重い展開が続きました。主力銘柄の株価に方向感が出にくくなった結果、IPO株に短期トレーダーなどの資金が流入したとみています。ただ、この影響で4月上場銘柄の株価には過熱感があります。さらに、短期売買目的の資金も入っていることを考えると、この先も値動きが荒い展開が続くでしょう」
2021年4月の【IPO株】11銘柄の投資判断は? |
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上場日 | 公開価格 | 初値 (騰落率) |
株価 (5/6) |
予想PER (PBR) |
今後1年の 高値予想 (安値予想) |
投資判断 |
5日 | ◆オキサイド(6521・東M) | |||||
2800円 | 6540円 (+133.6%) |
8560円 | 91.4倍 (21.41倍) |
1万円 (5000円) |
中立 | |
【分析コメント】単結晶・レーザのグローバルニッチトップ企業。会社目標の売上高年20%成長から判断すると、株価には過熱感がある。 | ||||||
6日 | ◆セルム(7367・東J) | |||||
1280円 | 1502円 (+17.3%) |
1106円 | 51.8倍 (3.91倍) |
1600円 (900円) |
中立 | |
【分析コメント】人材開発。コロナ禍で減収も、今後2年間で売上高を戻し、その後年率1割成長を目指す。利益から見て上値余地は小さい。 | ||||||
7日 | ◆表示灯(7368・東2) | |||||
2000円 | 2672円 (+33.6%) |
2630円 | 12.6倍 (2.09倍) |
3500円 (2500円) |
強気 | |
【分析コメント】駅や公共施設に周辺案内図を設置・運営し、広告掲載する「ナビタ事業」を展開。追加受注の発生などで、業績は好調。 | ||||||
7日 | ◆ファブリカコミュニケーションズ(4193・東J) | |||||
6000円 | 6900円 (+15.0%) |
6480円 | 42.3倍 (22.63倍) |
8000円 (5000円) |
中立 | |
【分析コメント】中古車販売業務支援のクラウドサービスやSMS送信サービスが業績を牽引。株価は高成長期待を織り込んだ水準。 | ||||||
8 日 |
◆アイスコ(7698・東J) | |||||
2000円 | 2900円 (+45.0%) |
2244円 | 8.4倍 (1.72倍) |
3000円 (2000円) |
中立 | |
【分析コメント】アイスクリーム・冷凍食品卸や、食品スーパーを展開。株価指標は割安で冷凍市場拡大も、業績成長ができるかは不透明。 | ||||||
13 日 |
◆紀文食品(2933・東1) | |||||
1160円 | 1271円 (+9.6%) |
1678円 | 18.3倍 (7.21倍) |
2200円 (1400円) |
中立 | |
【分析コメント】水産練り製品大手で、近年は海外展開にも注力。販売先へのコロナ禍の影響が不透明で、足元の業績動向には不安が残る。 | ||||||
15 日 |
◆サイバートラスト(4498・東M) | |||||
1660円 | 6900円 (+315.7%) |
6830円 | 63.3倍 (6.49倍) |
9000円 (5000円) |
中立 | |
【分析コメント】電子認証サービス。IT活用の広がりで業績拡大が期待できるが、テーマ性の高さから人気化し、株価には過熱感がある。 | ||||||
22日 | ◆ステラファーマ(4888・東M) | |||||
460円 | 712円 (+54.8%) |
571円 | ー (40.81倍) |
800円 (400円) |
中立 | |
【分析コメント】がん治療法として注目のホウ素医薬品の開発。黒字化までの道のりが長いバイオベンチャーなので、株価は伸び悩みそう。 | ||||||
22日 | ◆ネオマーケティング(4196・東J) | |||||
1800円 | 3805円 (+111.4%) |
2438円 | 39.5倍 (22.27倍) |
3500円 (2000円) |
中立 | |
【分析コメント】マーケティング支援。デジタル化対応ニーズを取り込んで業績は堅調だが、株価の下落が続いており、当面は様子見で。 | ||||||
22日 | ◆ビジョナル(4194・東M) | |||||
5000円 | 7150円 (+43.0%) |
6500円 | 593.1倍 (21.14倍) |
7500円 (5000円) |
中立 | |
【分析コメント】転職サイト「ビズリーチ」。人材活用支援クラウドサービスも。成長期待はあるが、初値高で株価上昇余地が小さい。 | ||||||
27日 | ◆テスホールディングス(5074・東1) | |||||
1700円 | 2010円 (+18.2%) |
1971円 | 30.7倍 (7.72倍) |
3000円 (1800円) |
強気 | |
【分析コメント】再生可能エネルギー事業を展開。人気テーマの「脱炭素化」関連株で、機関投資家からの資金流入が期待できる。 | ||||||
アナリストの注目はコロナ禍ながら業績を伸ばす「表示灯」と、
”脱炭素化”関連銘柄の「テスホールディングス」!
ここからは、2021年4月に新規上場した11銘柄の中で、小林さんが特に注目している2銘柄を詳しく紹介していこう。
まずは、小林さんが「強気」と診断した表示灯(7368)だ。
表示灯は、JRや私鉄の駅にある周辺案内図に広告を掲載する事業を展開。そのシェアは95%と圧倒的だ。コロナ禍の影響で、上場直前の3月4日に発表した2021年3月期の業績予想は、減収減益だった。しかし、昨年末からの新規案件獲得などで4月22日に業績を上方修正し、増収増益となる見通しだ。苦境でも稼げることを証明したうえ、PER約13倍と株価が割安なので、今後投資家から注目されるだろう。長期的には、デジタルサイネージ(電子看板)の普及による成長にも期待が持てる。
続いて紹介するのは、やはり「強気」診断のテスホールディングス(5074)だ。
テスホールディングスは、再生可能エネルギー発電所の設計や運営を行う企業。近年話題の「脱炭素化」に関連したテーマ株だが、公募規模が大きかったこともあり、初値上昇率は18.2%と伸び悩んだ。また、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)に沿った事業に資金を使う、「SDGs‐IPO」銘柄でもある。同じく「SDGs‐IPO」銘柄で、昨年末に上場したポピンズホールディングス(7358)は、上場後から株価の好調が続いており、同社の株価の上値余地も大きい。ESG(環境・社会・企業統治)に前向きに取り組む企業を組み入れる「ESG投資信託」からの資金流入も期待でき、PER約30倍の今は買い時だ。
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長期投資向きの高配当株や、”億り人”の成功の秘訣を紹介!
ダイヤモンド・ザイ7月号をチェック!
ダイヤモンド・ザイ7月号の大特集は「11人の億り人に学ぶ!【1億円】までの株入門」! この特集では、株で46億円の利益を稼ぎ出した個人投資家・テスタさんをはじめ、株で億単位の資産を築いた”億り人”11人のインタビューを掲載。投資スタイルや銘柄の選び方などを詳しく聞いているので、株式投資をしている人なら参考になるはずだ。
ほかにも「5年後の配当を大予想!【未来の高配当株】」「【最新決算】で買える株34」「斎藤幸平さん・北野一さんスペシャル対談・株をやるうえで知っておきたい【世界&日本経済の問題点】」「実家の空き家、真に”活かす”方法は?」「新興国株投信はアジア3カ国で決まり!」「親が老いる前に話し合うべき3つのこと」など、注目の特集が満載!
さらに、別冊付録で「株主優待名人・桐谷広人さん【米国の10倍株】に分散投資!」も付いてくる! 10倍株の見極め方や、さまざまなタイプの10倍株をピックアップしているので、米国株に興味があるなら参考にしてみよう。
■「IPO株が当たらない!」という人は、まずこちらの記事へ!
⇒IPOに当選して儲けたいなら「主幹事証券」を狙え! 通常の引受証券の50~100倍も割当がある主幹事と主幹事のグループ会社の攻略がIPOで勝つ秘訣!
※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
【2024年12月2日時点】
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◆SMBC日興証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
19社 52社 |
24社 47社 |
26社 80社 |
10%:1人1票の平等抽選 最大5%:「ステージ別抽選」※1 |
345万 |
【ポイント】 大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。 ※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。 |
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◆SBI証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
21社 91社 |
13社 89社 |
21社 122社 |
60%:1単元1票の平等抽選 30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分 10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分 |
1245万 ※ |
【ポイント】 ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる。当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。 ※SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。 |
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。 |