一長一短ある販売チャネル
今後、ネット販売は伸びるのか?

 ステップ2は、生保商品の「販売チャネル」だ。

 生命保険の販売は、長らく各生保会社に属する営業職員(生保レディー)による直接販売だった。生保レディーは基本的に所属する生保会社の商品しか顧客に案内できない。

 一方で、この10年で急速に拡大しているのが代理店だ。具体的には街中の保険ショップや、乗り合い代理店に所属する保険外務員で、複数の生保会社の商品を取り扱っている。

 両者のメリット・デメリットを考え、自分が契約したいと思うチャネルを選んでほしい。ただし、生保各社はチャネルごとに卸す商品を変えている。一般的に、生保レディーなどは、死亡や医療などの保障がパッケージ化され、保障額が大きな商品を主に取り扱っている。一方で代理店では、保険料が安く、保障も小さなエントリーモデルの商品から、外貨建て保険や変額保険など玄人向けまで、扱う商品の幅が広い。

 今後、顧客の利便性が向上し、大きく成長する可能性のあるチャネルは、代理店や、インターネットでの直接販売だろう。日本生命保険の子会社で、代理店向けに商品を供給しているはなさく生命保険の柏原宏治社長は、「インターネットなどデジタルを活用して、よりスムーズにお客さまに案内できる仕組みを考えている」と構想を打ち明ける。直販であるインターネット販売と、代理店チャネルを融合させた仕組みを考案中のようだ。

 そして最後にステップ3の「生保商品」だ。

 見直しをする際に、多くの人はステップ1と2を飛ばして、3から入りがちだ。これでは、契約を獲得したい保険外務員のかもになりかねない。

 万が一亡くなった場合に備える商品も、大きく定期保険、収入保障保険、終身保険と三つのカテゴリーに分けられる。ステップ1で解説したように、ライフステージや備えるべき保障に応じて、選ぶべき商品が変わってくる。最近では、死亡保険金額が段階的に減っていく収入保障保険の人気が高い。

 本特集では、収入保障保険の他、医療保険、がん保険、外貨建て保険、変額保険の五つのカテゴリーについて、保険のプロであるファイナンシャルプランナーら27人が評価した商品ランキングを掲載している。ステップ1と2を踏まえた上で、最適な商品選びの参考にしてほしい。

Key Visual by Noriyo Shinoda, Graphic by Kaoru Kurata