株データブックWeb「記者が斬る!」
【第33回】 2012年12月4日 ザイ・オンライン編集部

相模湾岸で圧倒的店舗数と高シェアの平安レイサービス(2344)。強さの秘訣は葬儀価格の透明化と手作りのサービス。その内側に潜入した。

 例えば、葬祭場を新設する際、設計、内装、施工など一式を設計・建築業者に依頼すると、無駄に高価な絨毯や木彫の扉、欧州からの高級輸入家具などで埋め尽くされ てしまう。施設をやたら豪華にするのが良いサービスと考えられてきた面すらある。

 このため土地を新規に取得して、葬祭場を建設すると100坪の施設でざっと1億円以上が必要となる。

 しかし、上記の湘和会館長後のケースがそうであるように、平安レイサービスはもともとあった建物を引き継ぎ、葬儀用に改装して利用する。このため新規津では1億円必要な施設も、初期投資は半分程度。車椅子用のエレベータなどを増設しても7000万円以下で抑えることが可能になった。

現場社員のアイディアが生み出す
手作りサービスで進化を続ける

 設備へのこだわりは内装品においても徹底している。まず家具類は社員が自らの足で適した家具類を探す。リサイクルショップで掘り出しものを探しまわることも少なくないという。

 そうして手に入れた掘り出し物を、葬祭用に加工、塗装の塗り替えなど考案し、加工業者に発注する。建築や家具のプロではないが、葬儀のプロとして視点から祭壇、間仕切り、BGM用のスピーカー、待合室のソファまで利用者の満足のいく設備を整えているわけだ。

 上の写真は、何種類もあるオリジナル祭壇のひとつだ。その構成や設計、照明など全般に社員が徹底したこだわりで開発したものだ。内製品なので利用者の要望に対応して、日々変化、進化させることも可能だ。

シェアは2件に1件に迫る
43%超と圧倒的

 

 上図をみてほしい。これは平安レイサービスが展開する地域での葬儀の総件数に対する同社のシェアをみたものだ。直近の2013年6月は43.9%、9月は43.6%と40%超、すなわち同地域の葬儀では2件に1件に近い高シェアをもっている。

 また、同地域の葬儀の総件数をみてみると、2011年3月期が4534件、2012年が4761件、そして2013年3月期は平安レイサービスの推計で4946件と増加が続く。

 しかし、マイナス要素もある。家族構成の変化や親族総数の減少などから葬祭1件あたりの単価が低下する傾向にあるのだ。

 今後に関して、シェアがすでに40%を超えている葬祭事業は勝ち組として安定した収益が見込めるが、その“伸びしろ”には限界がある。

 そのため今後、注力を図るのが展開地域の東西への拡大と、多角化すなわち介護部門の強化だ。

 平安レイサービスの事業構成をみると、以下のようになる。