NYダウは9週ぶりに大幅反発!長期金利と消費者物価の上昇が一段落か?
NYダウは9週ぶりに大幅反発。先々週まで90年ぶりの8週続落で3600ドルも下落していたNYダウ。先週1951ドル高と急騰し、史上最長の続落という不名誉な記録からは免れた。市場関係者はヤレヤレというところだろう。一時は3.2%台まで上昇していた長期金利は2.7%台まで低下。4月の米個人消費支出(PCE)物価指数は+4.9%と前月の+5.2%から低下し、急激なインフレに対する懸念も少し和らぐ兆しが出てきている。
「金融引き締め&高インフレ&企業業績悪化」の米国市場に対して、「金融緩和継続&低インフレ&企業業績保守的」の日本市場という構図で、マーケットは「軟調な米国市場」に対して「堅調な日本市場」が続いてきた。ただ、日本市場にはなかなか抜けない「日経平均2万7000円の壁」があったが、5月30日の終値は27369円でようやく突破した。今後も米国市場の巻き返しによって、日本市場にとっても追い風が吹くことを期待したい。
「勝者のポートフォリオ」のパフォーマンスは好調。プラス転換も間近
私が助言する「勝者のポートフォリオ」はおかげさまで好調である。5月31日時点の5月単月パフォーマンスは+1.9%(Topix+0.7%、日経平均+1.6%、マザーズ-3.3%)、昨年10月の運用開始時からの累計では-2.0%(Topix-5.8%、日経平均-7.4%、マザーズ-40.5%)となっている。個別銘柄では海運株、重工業株、ポストコロナ関連株、私が期待を寄せる一部の小型株で活躍するものが出ており、厳しい相場の中でのプラス浮上が見えてきた。年初来高値更新、逆指値引上げ、目標株価引上げの銘柄が多数あり、投資助言レポートの作成も非常に繁忙である。皆さんの運用はいかがだろうか?
さて、今回のテーマは「今やお金をむしり取る相手は、お金のない人たち」である。すなわち、日本人の金融リテラシーに関わる問題だ。先週の火曜日、珍しく仕事が早く終わったので、午後7時半からやっているNHKの『クローズアップ現代』を久々に見た。取り上げられていたのが『借金投資』でなかなか興味深かった。
「とにかく早くお金持ちになりたい」という動機につけこむ犯罪が増加
どうやってお金のない人から、お金をむしり取るかって?「とにかく早くお金持ちになりたい!」という動機のあるサラリーマンや主婦、若者に言葉巧みに近づいて、ウソ・偽りの書類を書かせて金融機関から膨大な借金をさせ、「必ず儲かる投資法」という触れ込みのインチキな高額金融商材を買わせたり、高値でマンションを売りつけたり…という犯罪を特集していた。要するにその借金からお金をまんまと引き出そうというのが首謀者の狙いだ。
昔ならお金をむしり取るターゲットはダイレクトにお金をたくさん持っている「お金持ち」だったと思うが、今の時代、お金持ちは金融リテラシーも高く、簡単にはだませない。
悪徳業者に狙われるターゲットは「お金のない」&「金融知識のない」人
そこでわざわざ「お金のない」&「金融知識のない」人たちがターゲットになっているのだ。投資用不動産の資金の借り入れにはフラット35は使えない、ということすら知らない人たちが相手なので、こりゃあイチコロですな。不動産価格について素人同然の相手に相場の2倍でマンション1棟を売りつけて闇業者は利益を得る。借金した本人は書類の内容が「不正ローン契約」だとバレて金融機関から全額一括返済を迫られたり、自己破産に追い込まれたり……。
闇業者はマッチングアプリを活用して婚活を装い、結婚したい若い女性に近づいたりもするそうだ。こりゃ、騙される可能性がグンとアップしそうだ。さらに、騙されて借金を背負わされた人に「あんた、借金を返さないといけないだろ!」と脅しをかけ、今度は自分たちと同じ騙す側に回らせて、そこで犯罪加担者にさせるケースもあるらしい。これでは一生、まともな生活に戻れない。
マネーリテラシーを高め、お金は自分で運用する。甘言に乗るな
そもそも莫大な借金を背負って、お金持ちになろうという発想自体がバカげている。「年収300万円のあなたも金持ち大家さん!」などという宣伝文句でセミナーを開いて、騙される人たちをよく見るが、不動産経営は借金まみれではうまくいかないのが普通だ。
お金を持っている人たちもうかうかしていられない。特に老後資金を増やすために手元にある数千万円単位のお金を「年率20%のリターンを保証します!」などと語る、全く聞いたこともないインチキ業者に預けてしまう。「おかしいな」と思って連絡を取ってみると全く電話がつながらない、などというケースもあとを絶たない。大金はすべて巻き上げられる。
お金は自分で運用するもの。見聞きしたこともない業者の甘言に乗って、お金をポンと預けるのは本当に危険である。ゆゆしき問題だが、まだまだ金融リテラシーの低い日本人、今後もこの手の犯罪に巻き込まれる人たちは後を絶たないと思う。
●太田 忠
DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。プロが評価したトップオブトップのアナリスト&ファンドマネジャー。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもメルマガ配信などで活躍。
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