「勝者のゲーム」と資産運用入門

日本を震撼させた安部晋三元首相への銃撃事件。
人生100年時代における時間の考え方とは?
-日本株のトップアナリストによるライフ講座-太田忠の勝者のポートフォリオ 第40回

2022年7月13日公開(2022年7月13日更新)
太田 忠
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私が生まれた1964年の日本は貧しくとも最も輝いていた時代だった

  先週の7月4日の月曜日、8歳の誕生日を迎えました。皆さま、たくさんのお祝いメッセージありがとうございます!この場を借りて厚くお礼申し上げます。

 7月4日に誕生日を迎えたのはトム・クルーズではなく、何を隠そう私のことだ。そう、7月4日は私の誕生日。映画のタイトルにもなっているが、アメリカの独立記念日である。米国人に生まれていれば、非常に特別な日だが、日本人である私にはあまり関係がない(笑)。毎年のごとくこの日は梅雨のちょうど半ばにあたり、カラッと晴れた日などついぞお目にかかったことはない。今年は史上最速で梅雨が明けたというのに雨だった…やっぱり、ね。

 私が生まれたのは1964年。実はこの年は日本にとってエポックメイキングな年であり、東京オリンピック開催、東海道新幹線開通、東京モノレール開業と日本がまさに高度成長期の真っ只中にあり、まだ貧しくともひたむきな姿勢で生きていた日本人が最も輝いていた時代だったと思う。ついでだが、東京の国立西洋美術館で「ミロのビーナス特別公開展」が開かれ、6時間もの行列を並んで人々が熱心に見学していたのも1964年だ。

58歳なのに「8歳」と言う、その心とは?

 誕生から58年が経過し、今の私がいる。小学生の頃には想像もしていなかった年齢に達してしまった。「みんなは2000年には何をしているのかな?」と当時小学3年生の時の担任の先生が授業中に言ったのを昨日のことのように覚えている。「2000年かぁ…想像もできない未来。自分は36歳。何をしているのだろう」と子供心に自問自答した2000年はあっと言う間にやってきてしまい、あれからすでに22年もの時間が経過している…ほんと、信じられない気分。

 ところで、冒頭の「8歳の誕生日を迎えました」について説明しないといけませんね。これは「実年齢-50歳=8歳」。そもそも若い頃の私は「人生50年」という信念で生きてきたので、50歳以降のことはほとんど何も考えていなかった。私の父は私が物心をつく前に亡くなってしまっていたし、社会人になって勤務した過酷な証券業界では病に倒れたり、突然死したりする先輩や同僚の姿をたくさん見てきた。50歳を越えたら「おまけの人生」くらいに思っていた。ところが、世間が「人生100年の時代」などと言い出し、その折り返し地点を過ぎてしまってもすこぶる健康な私は考えをガラリと改めたのだ。すなわち、50歳を迎えた後は第二の人生。あと50年生きればちょうど100歳。

 そうすると、年齢に対してポジティブな考え方ができるようになった。すなわち、58歳でも「まだ8歳」なのだから、小学2年生と同じ。若いのです! 平均寿命から逆算して「あと何年生きるのかなぁ…」みたいな発想が全くなくなってしまう。一度経験したことのある若い年齢に立ち返って生活すれば、もういちいち実年齢を気にしなくていいし、これからまだまだ仕事でも趣味でも何でもバリバリできる気がする。この法則でいけば、70歳の時にちょうど「20歳」であり、85歳になったら仕事的にも社会的にも乗りに乗っている「35歳」ということに。もちろん第二の人生の方が「経験もある」し「知恵もある」し、「面白おかしく、楽しい」人生のはずだ。100歳まで楽々生きられそうな気がする。皆さん、そう思いませんか?

 ちなみに冒頭で触れたトム・クルーズの誕生日は7月3日。米国においては私のほうが皆から賞賛されるべき(!)立場のはずであり、彼は「なぜ7月4日に生まれてこなかったのか…」と人生で何度も悔やんだに違いない、と勝手に私は想像している(笑)。

偉大なリーダーを失った日本。この国の行方は?

 ここまで書いて衝撃的なニュースが入ってきた(原稿執筆日は7月8日)。前日の米国高で前場までは400円近くの上昇をしていた日経平均。それが前引け過ぎから先物市場で急速に勢いをなくしてしまい、「米先物が急落しているのか?」と思っていたら、奈良市の近鉄大和西大寺駅の北ロータリーで街頭演説中の安倍晋三元首相が銃撃されて倒れたとの一報。偉大なる日本のリーダーが、名も知らぬ一介の人物に撃たれて死ぬなんて…。

 現場の犯行映像も見たが、道路にゆっくり出て余裕で銃を構えて発砲。全く阻止する人がいなかった。あまりにも大きな音に驚いた安倍さんが振り返ったところでさらに発砲。この間、3秒くらいあるのに警備の人たちはボーっと突っ立っているだけ。安倍さんが倒れてようやく犯人を押さえに走っているのだ。実質、何の警備もされていなかったことに衝撃を受けるとともに、こんなにも簡単に狙いすました殺害ができることに驚いた。もう、言葉にならない。死亡事故を防げたはずだったテロ行為に全くの無力だった。

 今後、日本も平和ボケから脱却して、個人的には本当にイヤなのだが、欧米並みの無機質な対策ならびに日々の私たちの過剰なる警戒心が必要な世の中になっていくのではないかと思う…。本当に気分が悪い。

 私たちは偉大なリーダーを失った。悔やまれてならない。安倍元首相に心より哀悼の意を表します。

●太田 忠

DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。プロが評価したトップオブトップのアナリスト&ファンドマネジャー。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもメルマガ配信などで活躍。

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