【1】今日の株式相場早わかり！
米株安受け大幅反落！ ペロシ氏訪台にも警戒感
日経平均株価は大幅反落！ 1日の米国市場で主要3指数は4営業日ぶりに反落。7月のサプライマネジメント協会（ISM）製造業景況感指数が市場予想を上回ったことなどから下値は堅かったが、利益確定売りに押された。東京市場も開始直後から軟調な展開。為替が円高に振れたことが、輸出関連株の重しとなったほか、ペロシ米下院議長の台湾訪問も、米中の緊張感高まりにつながるとして、投資家心理を冷やした。
国内では大手企業の決算発表が相次ぐ。今日の取引時間中には三井物産、三菱商事が、取引終了後には三菱UFJフィナンシャル・グループが発表。米国では労働省による6月のJOLT求人件数といった経済指標の発表も予定されている。
【日経平均】27594.73円↓↓（-398.62円）
【マザーズ指数】716.46↓↓（-8.10）
【NYダウ】32798.40ドル→（-46.73ドル、1日）
【ナスダック】12368.976→（-21.712、1日）
■日経平均株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
【2】今日の注目株！
総合商社の決算集中！ 株価の反応は？
高配当銘柄として個人投資家の関心も強い総合商社。本日の取引時間中、双日、三井物産、三菱商事の3社が2023年3月期第1四半期（4～6月）決算を発表した。資源価格の高騰などを受け、3社とも純利益が市場予想を上回ったが、株価の反応は異なった。
先陣を切って、後場寄りと同時に発表したのが双日だ。純利益は前年同期比2.7倍の451億円。石炭価格の上昇や木材取引の増加が収益拡大に貢献した。同社の株価は、後場で上昇に転じ、前日比107円高で取引を終えた。終値ベースの予想配当利回りは5.21％。
13時半には三井物産が発表。純利益は前年同期比43.8％増の2750億円だった。これを受け、上昇に転じる場面もあったが、同社が参画する「サハリン2」関連事業の資産価値を1366億円減額したことが認識されると、株価は再び下落。前日比121.5円安で取引を終えた。終値ベースの予想配当利回りは4.13％。
14時過ぎには三菱商事が発表。純利益は前年同期比2.8倍の5339億円だった。資源高に加え、自動車・モビリティ部門も好調で収益に寄与した。ただ、三井物産と同じく同社が参画する「サハリン2」関連事業の資産価値を811億円減額したことが決算発表で明らかになったこともあり、前場の下げを取り戻せず、前日比66円安で取引を終えた。終値ベースの予想配当利回りは3.75％。
なお、3社とも、通期の業績予想および配当予想は据え置いている。
■三菱商事株価チャート／日足・6カ月
【3】月曜連載「ザイアナリスト海老澤界『週イチ！投信ランキング』」
新顔人気ナンバー1は「ダブル・ブレイン・コア」
本日は、今年運用をスタートした新規設定投資信託の当初設定額ランキング（7月末時点）を取り上げる。トップは4月26日設定のダブル・ブレイン・コア（スタンダード）で、70億円を集めた。株式や債券に加え、ヘッジファンドにも投資し、絶対収益を目指す戦略。現在販売停止中のダブル・ブレインよりも投資先の流動性を高めたタイプで、多くの投資家の資金が入ってきても耐えうる商品設計となっている。
テーマ性の強い投資信託は当初設定ランキング上位の常連。3位のフューチャーメタバースはインターネット上の仮想空間という旬のテーマに着目する。もっとも、設定から4カ月で基準価額は13.5％のマイナスと、出鼻をくじかれた格好だ。巻き返せるか注視したい。2位のクライメート・ソリューション・ファンドは気候変動問題への解決策に注目するESG戦略ファンドの一種だ。
粗製乱造への批判もあり、新規設定の規模は年々、減少傾向にある。それでも、昨年、一昨年は、一部で2000億円を超えるような巨大設定もあったが、今年は全般的に小粒の印象。運用会社や販売会社の「小さく産んで、大きく育てる」姿勢がより一層、鮮明になっているといえそうだ。
海老澤 界
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
横浜国大経済卒。産業専門紙記者を経て格付投資情報センター（R＆I）にて年金・投信関連ニューズレター記者、日本経済新聞記者（出向）、ファンドアナリストを務めたのち、現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。
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